医学的観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:10 UTC 版)
当時の医学者にとって、仮死状態にある患者への適切な治療とは、温めることと刺激することだった。アン・グリーンという女性は子殺しにより死刑を宣告され、1650年に絞首刑となったが、検死をした解剖医は彼女にまだ息があることを発見した。医者はグリーンを蘇生させるべく、熱したリキュールを飲ませ、手足をこすりあげたほか、身体を温める膏薬を塗った。そして「温熱効果のある匂いの強い浣腸剤により身体のなかのものを出し、内臓をあたため」ようとした。温かさが保たれるようすでに別の女性がいるベッドにグリーンを寝かせてやると、ついに彼女は完全に回復し(刑はすでに執行済みのため)、その罪を免じられたのだった。人工呼吸と肺か直腸への煙の注入は、どちらを選んでもよい互換性のある治療法とみなされていたが、タバコにはひとを温め、刺激する成分が含まれているとされていたので、その煙の注入こそが最も強力だと考えられていた。 オランダ人は、運河に落ちてしまい溺水したとおぼしき人間への治療として、煙を肺に注入する実験を行った。患者は呼吸器の刺激として直腸からもタバコの煙を注入された。ヨーロッパでも最初期に、タバコの煙の浣腸を溺水した人間の蘇生法として推奨した医者として、リチャード・ミードがいるが、彼は1745年に没入療法によって医原病的に溺水した人間の治療にタバコの煙を浣腸するよう提唱している[要説明]。ミードの名は、タバコの煙を直腸に注入して患者を蘇生させた最初の記録として残っている。これは、1746年に溺死とおぼしき女性への治療をおこなったときのものだ。女性の夫は通りがかった水兵の助言に従い、彼から借りた煙管の柄を妻の肛門に挿入し、皿のところをタバコの巻紙で包んで「思い切り息を吹いた」。女性は生き返ったようである。1780年代、イギリス王立人道協会は蘇生をおこなうための器具をまとめてキットとして導入するが、その一式には煙の浣腸器も含まれており、テムズ川に沿って各所に設置された。19世紀にはタバコの煙の浣腸は医学的な手法として確立されており、人道協会はこぞってこの手法を人工呼吸と同じぐらい重要なものとみなしていた。 "タバコの浣腸、吸って吐く、瀉血よくなるまで温かくしてマッサージ何をするにも痛みがあったら要注意たとえ1日でも急いてはいけない" —ホールストン博士 (1774年9月24日) 1805年には、タバコの煙を直腸経由で吸入することが、難治性の消化管の狭窄を治療する手法として定着していた。ある実験では、半ドラムのタバコを4オンスの水で煎じて、手の施しようがない痙攣に苦しむ患者に浣腸するというものがあった。煎じることで患者の体内に成分を浸透する作用は高まり、痙攣をおさえるための「知覚が鋭敏に」なるというものであったが、病状は悪化し、吐き気と過呼吸はさらに酷くなった。煙の浣腸はヘルニアの治療にもよく用いられた。1843年の記録にある中年男性は、絞扼性ヘルニアの治療のため施術されたが、亡くなっている 。同じようなケースとして、1847年にある女性が、リキッド状のタバコにチキンブイヨンを加えたものを浣腸され、オピウムと甘汞を経口投与されている。この女性は後に回復している。 1811年、ある医事文筆家がこう記している「タバコ浣腸の力というのは驚くべきもので、専門家の注目をほしいままにしている。タバコの煙を1年おきに注入することの意義と手法について、たいへん多くの書きものがなされている」。1827年の論文では、便秘に悩む女性に煙草の煙が何度か浣腸されているが、あまり芳しい成果は上げていないようである。1835年の報告では、煙草の浣腸は「衰弱状態の」コレラ患者にも有効であった。 この患者のところに私が呼ばれる前に、明らかに便臭をともなう嘔吐が始まっていたようだ。タバコの煙を浣腸するよう指示をだしていたが、身体の内部で生じているであろうおそらくはヘルニアか激しい痙攣の緩和が望まれた。少女の看護人には、水銀を服用させたら、ベッドに寝かせた彼女をこまめに起こしてやるよう言いつけた。彼女は自分で起き上がれないほど衰弱していたのだが、これはつまり彼女の体位を変えてやり、背と腹の向きも変えてやる、そしてまたその逆にとしてやることで、腸の深いところまで水銀が下降しやすいように配慮してのことだった。 —ロバート・ディック医学士(1847)
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医学的観点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 05:08 UTC 版)
強迫性パーソナリティ障害 (OCPD) の特徴のひとつは、規則、手続き、習慣などの正確な踏襲への過剰な関心に基づいた衒学的な姿勢として現れる。OCPD 患者が強迫的に踏襲しようとする規則は、実際の規則の字面を勝手に読み替えたものであったり、曲解したり、再解釈したものである場合もある。 衒学的態度は、また別の障害の兆候でもあり得る。特に、アスペルガー症候群をもつ人々は、堅苦しいスピーチ(英語版)のひとつの現れとしてペダンチック・スピーチ(pedantic speech)をすることがよくある。
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