医学的見地
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「睡眠衛生」も参照 1日の周期である概日リズムがずれている睡眠障害には、毎日同じような生活リズムを保ちながら通常の生活時間よりもずれている睡眠相後退症候群や、あるいは薬物の影響による薬物誘発性睡眠障害など様々な原因が考えられる。睡眠障害である場合、著しい苦痛や、生活機能の障害が継続している必要があり、単なる夜間勤務による概日リズムの変化とは異なる。 昼夜逆転は身体に悪く、自律神経系の働きが低下し不定愁訴が現れる。寝ていても交感神経系が働いている状態であり常に身体が緊張状態にある。また血流が悪くなり脳へのエネルギー供給が少ない。したがって気力が低下し思考も鈍くなる。ホルモンの分泌、深部体温のリズムにも異常を示す。慢性疲労にありすぐ疲れてしまう。治療法として光療法などがある。日頃からの重労働と睡眠不足が引き金となる。
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医学的見地
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「大淀町立大淀病院事件」の記事における「医学的見地」の解説
この事件のように、出産中に脳内出血を起こすのは、稀な事例である。世界では分娩10万回に対し6.1回との報告もある。しかしいったん脳出血を起こすと、死亡に至る事例は稀ではない。日本脳卒中学会の脳卒中ガイドライン2009は、高血圧性脳出血の深昏睡(Japan Coma Scale:JCSでⅢ-300)例の手術適応については「血腫除去を勧める根拠はない」としている。 「妊産婦死亡の原因の究明に関する研究班」(旧厚生省研究班)の91~92年の調査では、死亡妊産婦197人の死因では、子宮破裂などによる出血性ショックが74人、次いで脳出血が27人であり、この事件のように出産中の死亡原因として脳内出血は決してまれなケースではない。 同研究班の長屋憲医師は「頭痛や血圧上昇、意識消失があると、産婦人科医の多くは妊娠中毒症や子癇発作と考えその治療を優先させる。」 その上でCTの有用性に触れ「どの症状なら脳出血を疑い、画像診断(CT)すべきかガイドラインを示す必要がある」と提言した。なお、今回の事件でも産科医と内科医の2人のみで対応しており、全身管理の専門家や設備がほとんどない状態で大多数の分娩が扱われていることが最大の問題としている。 なお、患者の治療にあたった産科医の子癇の診察経験は3例ほどであり、内科医の脳出血の診察経験は、脳梗塞と合わせて約100例ほどであった。 民事裁判の中では、複数の医師による鑑定及び証言が行われた。鑑定人2名による意見、国立循環器病センターの医師2名による陳述書及び証言、紀和病院脳神経外科・救急科医師の鑑定意見書、金沢大学附属病院産婦人科医師の鑑定意見書である。 患者は午前0時ころに突然脳出血を発症したとみられる。脳出血の原因については司法解剖されなかった為、不明とされた。 奈良県立医大の小林浩・産科婦人科教授は子癇発作も脳内出血も「いずれもけいれんを起こし、普通どちらなのかは判断できない」と述べたと毎日新聞は報じた。県警が意見を求めた専門家約20人も大半が、脳内出血と子癇発作は識別が困難との意見だった。 だが患者は午前0時過ぎに意識を失う以前には妊娠高血圧症候群などの高血圧所見が認められていないこと、瞳孔異常がみられたこと、けいれん発作の持続期間は数十秒から1~2分であり長時間意識喪失が続くことはない為、子癇であるとは考えにくい。一方、1時37分に投与した子癇発作治療薬であるマグネゾールでけいれんが治まった事実もある。民事裁判では鑑定人のうち一人は産婦人科医の立場から子癇と脳出血が合併した状況と考えると意見。国立循環器病センターの医師は明確に子癇を否定した。 また、いつ頃脳ヘルニアが完成したかは不明である。仮に脳ヘルニアの完成から時間が短ければ、救命できた可能性もあるが、患者の病態は急激に進行したとみられている。午前1時37分ころの除脳硬直は既に中脳と橋が障害されていることを示し、午前1時50分ころの時点では脳出血を形成した右側脳が先にヘルニアに完成し、左脳もヘルニアに陥っている状態、午前2時ころには脳ヘルニアの通常非可逆的過程である「中脳-上部橋期」に達していたとも考えられる。 奈良県立医大から搬送先探しを依頼された、大阪府立母子保健総合医療センターの末原則幸・産科部長は「頭痛があり、子癇発作らしい」との内容の電話を受けたが、脳内出血の可能性を示す症状の説明は一切なかったと話す。「脳内出血で母親の命が危ないと分かっていれば、産科より救命救急センター、大学病院を中心に搬送依頼した。搬送先が決まるまで待つ時間があるなら、CTを撮る時間もあったのではないか」と指摘した。 また、搬送依頼から実際の搬送が開始されるまで、結果的に約3時間かかっている事実から、大淀病院でCT検査を行うことは不可能ではなく、脳の異常を発見しグレノール(脳圧下降剤)の投与等の措置をとることも可能であったといえる。一方、本件のような血腫の場合、仮に脳圧下降剤が投与されていたとしても効果があったかどうかを疑問視する意見もある。
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