創造とキャスティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 14:45 UTC 版)
「レイ (スター・ウォーズ)」の記事における「創造とキャスティング」の解説
脚本家のマイケル・アーントは2012年中頃にルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディから『スター・ウォーズ』続編三部作の脚本執筆を依頼され、彼は女性ジェダイのオリジンを描く物語であると説明されて関心を抱き、ジョージ・ルーカスと面会した。製作初期段階でキャラクターはキラ(Kira)という名前の女性キャラクターであり、アーントは彼女を「孤独で、短気で、メカオタクで、攻撃的」と説明した。アーントは彼女がルーク・スカイウォーカーとの早期の出会いの後に影を落とさないようにしつつ、物語の主人公として若い女性を紹介するのに苦労したと述べた。 新三部作に向けて女性主人公を創造するにあたり、監督・脚本のJ・J・エイブラムスは脚本のローレンス・カスダンとの最初の会談から女性を物語の中心に置くというコンセプトに興奮していたと述べた。彼は「我々は常にレイを中心的なキャラクターとして書こうと思っていた」、そして物語の他の女性の表現もまた重要だと語った。ケネディは「レイは次世代のルーク・スカイウォーカーだ」と述べた。レイのスカベンジャーとしての背景は彼女を「究極の余所者かつ究極の除け者」として描写しようとする制作陣の試行の一部であり、彼らは同時にそのような性質の人物は他のタイプの人々と比べて長い旅を経験する可能性が高いという考えた。 レイ役にキャスティングされる以前のデイジー・リドリーはほぼ無名であった。リドリーは約7ヶ月にわたってこの役のために何度もオーディションを受け、3ヶ月にわたってキャスティングされたことを秘密にしなければならなかったと述べた。2014年4月末、彼女はキャストの一部として発表された。この時点で彼女はテレビ番組の脇役の経験があるのみであった。彼女の経験不足と露出の少なさはエイブラムスがリドリーの起用を確信させた理由の重要な部分であった。エイブラムスはデイジーを「とても楽しく、凄い煌きを持ち」、感情的な場面を演出できたと述べ、「最初のテイクでそれを釘付けにした」と宣言した。エイブラムスはリドリーを「彼女は一瞬のうちにそれを自分のものにする才能を持って生まれた。彼女は内面と外面の両方で同時に動いている」と賞賛した。ケネディは「デイジーは私たちが探していたキャラクターにとって非常に重要な体つきを持っていた。彼女は何でも可能なその楽天主義を典型的に示している」と述べた 。リドリーがゲスト出演していた英国のテレビドラマ『法医学捜査班 silent witness(英語版)』の監督のディサン・ラザレビッチは彼女の演技範囲を賞賛した上で「彼女は弱さと強さを組み合わせて表現することで複雑さをもたらし、彼女の目にはかなり複雑な部分を演じられる指標となる知性があった」と述べた。幼年期のレイ役でさらにケイリー・フレミングがキャスティングされた。 リドリーは自身が「疑いや不安でいっぱいだった」と告白したが、彼女はレイの期待はレイの中で自分と最も関連性が高いものであり、「それは私が想像していた中で非常に光っていると感じたにもかかわらず、オーディションを通して私を追いやるものだった」と述べた。リドリーはエイブラムスから最初の数テイクが「ぎこちなかった」と伝えられ、自身の撮影経験の浅さを思い返した。しかしながらリドリーとエイブラムスはレイを創造する過程で「信じられないほど協力的」であった。リドリーはキャラクターが「私たちが最初に始めた時からよりソフトに変化した。そしておそらく私の考えでは、アメリカ人に私は理解されない傾向にあると思われるので、そうならないように、台詞と全ての速度を落とし、本来の私よりソフトにした」と語った。レイのキャラクター像についてリドリーは「女の子のやり方に何らかの影響を与えるだろう」と述べ、さらにキャラクターが「必ずしも映画で女性を具体化するためのものではない。彼女は女性だけど、性別を超越している。彼女は男性とも女性とも話す」と付け加えた。雑誌『ELLE』のインタビューでリドリーはキャラクターについて「彼女はとても強い。彼女はクールでスマートで、自分自身を見守ることができる」、そして「若い女の子は彼女を考察し、望めばズボンを履けるのだと知ることができる。彼女らはその体を誇示する必要はないということだ」と説明した。 エイブラムスはレイのラストネームと生い立ちを『フォースの覚醒』で意図的に明かさなかったと述べた。彼はカイロ・レンの正体のみが自身の映画で明かされる唯一のものであると考え、レイの正体についても「かなり」知っているが、何も言わないことで『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督のライアン・ジョンソンに礼儀を示すことができると述べた。当初『エピソード9』を監督する予定であったコリン・トレヴォロウはレイの正体についての答えは「深く、ずっしり満足する」ものであり、レイは「『フォースの覚醒』の文脈だけでなく、この世界、銀河系全体で重要な存在だ。彼女はそれに値する」と述べた。リドリーはレイの両親の正体を知っていると述べている。しかし、後年彼女の出自が度々変更されたことがリドリーの証言で明かされた。トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ」の出演時に「当初はオビ=ワンと繋がっていることにしようってなっていたの。(出自に関して)いろんなバージョンがあって、何者でもないっていう時もあった。毎回変わっていたの」と回答している。 作曲家のジョン・ウィリアムズはすぐにリドリーを気に入り、レイのテーマ曲を興味深い挑戦として作り上げたと述べた。彼は彼女のテーマ曲が愛のテーマを示唆しておらず、むしろフォースが注ぎ込まれた強い女性の冒険者のキャラクターなので、成熟した、思慮深いテーマであると述べた。
※この「創造とキャスティング」の解説は、「レイ (スター・ウォーズ)」の解説の一部です。
「創造とキャスティング」を含む「レイ (スター・ウォーズ)」の記事については、「レイ (スター・ウォーズ)」の概要を参照ください。
- 創造とキャスティングのページへのリンク