刑事裁判の判決文・再審請求に対する決定文
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「武富士弘前支店強盗殺人・放火事件」の記事における「刑事裁判の判決文・再審請求に対する決定文」の解説
青森地方裁判所刑事部判決 2003年(平成15年)2月12日 『判例タイムズ』第1123号285頁、裁判所ウェブサイト掲載判例、平成14年(わ)第49号、『強盗殺人、同未遂、現住建造物等放火被告事件』。 『TKCローライブラリー』(LEX/DBインターネット) 文献番号:28085287 借金の返済に窮した被告人が、消費者金融会社の支店において、現金を差し出すように要求したが、これに応じて貰えなかったため、火の付いたねじり紙を、散布した混合油の上に投げ入れて火を放ち、同支店を全焼させ、従業員を火傷死させ、または傷害を負わせた事案で、被告人の放火・殺人の行為自体は計画的なものではなかったこと、その殺意は未必的なものに留まること等の諸事情を最大限斟酌したうえでも、なお、本件犯行の結果はあまりにも重大であり、罪刑の均衡の見地から、被告人の生命をもって償わせるのが相当であるとし、死刑を言渡した事例。 『判例タイムズ』第1123号285頁 消費者金融会社支店の床に混合油を撒いて現金を要求したが、拒否されたため火を放ち、従業員5名を焼死させ、4名に重度の火傷等を負わせた被告人について、従業員に対する殺意は未必的なものに留まるとされながらも、死刑が言い渡された事例 早期の任意同行及びこれに引き続く長時間の取調べに違法な点はないとされた事例 判決内容:死刑(求刑同・被告人側控訴) 裁判官:山内昭善(裁判長)・結城剛行・吉田静香 仙台高等裁判所第1刑事部判決 2004年(平成16年)3月19日 『高等裁判所刑事裁判速報集』(平成16年)213頁、裁判所ウェブサイト掲載判例、平成15年(う)第48号、『強盗殺人、同未遂、現住建造物等放火被告事件』「消費者金融会社放火・強盗殺人事件について,一審の死刑が維持された事例」。 『TKCローライブラリー』(LEX/DBインターネット) 文献番号:28095182 被告人が、消費者金融の支店から現金を強奪することを企て、同店に赴き、いきなり店内の床にガソリンがほとんどを占める混合油を撒き、火を点けるかのように脅して現金を要求したが、従業員らがそれに応じる気配を示さないことに憤激して火を放ち、建物をほぼ全焼させるとともに、同店の従業員5名を死亡させ、3名に重度の火傷を負わせたことにつき、原判決が被告人を死刑に処したため、控訴した事案で、被告人には、同店の支店長及び従業員らに対する未必の殺意があったと認められ、死刑の適用に当たっては慎重を期すべきことを十分考慮し、被告人に有利な点を斟酌しても、被告人の罪責は極めて重大であって、被告人については死刑に処するのが相当であるとして、控訴を棄却した事例。 『高等裁判所刑事裁判速報集』(平成16年)213頁 被告人とともに営業室にいた支店長から容易に金員を奪えるものと考えていたのに奪えなかったことから憤激の情を抱いて放火したもので、ガソリンの高い危険性からすれば死亡の可能性を望みつつ犯行に及んだ者で確定的殺意に近いものがあり、その他の従業員が管理室に存在していたことも認識しており、概括的な未必の殺意があったと認定した上で、極刑以外の選択の余地はないとした。 被害者9名(死者5名、負傷者4名)に対し、いずれも未必の殺意を認定し、原審の死刑判決を維持した事例 判決内容:被告人側控訴棄却(死刑判決支持・被告人側上告) 裁判官:松浦繁(裁判長)・根本渉・髙木順子 検察官・弁護人仙台高等検察庁検察官:黒田健治(控訴趣意書に対する答弁書作成) 弁護人:佐藤正明(主任弁護人)・荒井純哉・佐々木好志(連名で控訴趣意書・控訴趣意補充書を作成) 最高裁判所第三小法廷判決 2007年(平成19年)3月27日 裁判所ウェブサイト掲載判例、『最高裁判所裁判集刑事編』(集刑)第291号301頁、平成16年(あ)第727号、『強盗殺人、同未遂、現住建造物等放火被告事件』「死刑の量刑が維持された事例(武富士弘前支店放火強盗殺人事件)」。 『TKCローライブラリー』(LEX/DBインターネット) 文献番号:25442978 被告人が、消費者金融会社店舗において、A(被害者)らに対し、ライターおよび紙をねじったものを取り出して見せるなどして脅迫し、金員を強取しようとしたが、同人らがこれに応じようとしなかったことから、Aらが現在する同店舗に放火することを決意し、その際、同人らが焼死するに至る可能性が高いことを認識しながら、同店舗を全焼させて焼損するとともに、従業員を死傷させるなどした事案の上告審において、本件は、罪質が甚だ悪質であり、混合油を脅迫の手段として用いる強盗に至った動機や経緯に酌量の余地はなく、身勝手極まりない犯行であり、本件犯行についての被告人の責任は、極めて重大であり、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑はやむを得ないとし、上告を棄却した事例。 判決内容:被告人側上告棄却(死刑判決確定) 最高裁判所裁判官:上田豊三(裁判長)・藤田宙靖・堀籠幸男・那須弘平・田原睦夫 検察官:水野美鈴 弁護人:小川原優之・北村晋治(上告趣意書を作成) 青森地方裁判所刑事部決定 2014年(平成26年)5月26日 、平成25年(た)第2号、『再審請求事件』。 『TKCローライブラリー』(LEX/DBインターネット) 文献番号:25504188 競輪にのめり込んで金融会社等から借金を重ね、その返済資金等に困窮した請求人が、授業因数や犯行後に逃走するための立地条件等から好都合であると判断した消費者金融会社の支店において、強盗を敢行して借金を返済しようと企て、同支店を下見した上、ガソリン95パーセントから成る混合油やライター、ねじり紙等を予め準備し、同支店において、床上に約4リットルの混合油を撒いて脅迫したうえ、現金を差し出すように要求したが、これに応じてもらえなかったことに苛立つと共に憤激の念を募らせ、ねじり紙に火を付けてさらに脅したうえ、遂にそのねじり紙を、撒布した混合油の上に投げ入れて火を放ち、同支店を全焼させ、同支店内に居た従業員5名を火傷死させて殺害し、従業員4名に重度の熱傷等の傷害を負わせたという事案の再審請求審において、本件再審請求は、その主張する具体的な事実関係及び証拠関係に照らし、第1次再審請求と実質的に同一の理由によるものと認められるから、刑事訴訟法447条2項に抵触して不適法である(なお、上記各証拠は、刑事訴訟法435条6号所定の新規性や明白性がなく、本件再審請求には理由もない。)として、再審請求を棄却した事例。 決定内容:請求人・死刑囚Kの再審請求棄却(死刑囚Kは即時抗告) 裁判官:鎌倉正和・榊原敬・吉田裕亮 弁護人:主任弁護人・小川原優之ら 仙台高等裁判所第1刑事部決定 2014年(平成26年)7月10日 、平成26年(く)第41号、『再審請求事件』。 『TKCローライブラリー』(LEX/DBインターネット) 文献番号:25504618 請求人に対する2件の強盗殺人、1件の同未遂、現住建造物等放火被告事件について、平成15年2月12日青森地方裁判所が言い渡した有罪の確定判決に対する再審請求事件について、同裁判所がした再審請求棄却決定に対し、請求人及び弁護人が即時抗告をした事案において、刑事訴訟法435条6号所定の明白性もないとの理由を付言した上、現決定は結論において是認できるとして、即時抗告を却下した事例。 決定内容:請求人・死刑囚Kの上記請求棄却に対する即時抗告棄却(死刑囚Kは即時抗告) 裁判官:飯渕進・早川幸男・大川隆男 弁護人:主任弁護人・小川原優之ら
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