リードクライミングとは? わかりやすく解説

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リード‐クライミング【lead climbing】


リードクライミング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 01:55 UTC 版)

フリークライミング」の記事における「リードクライミング」の解説

リードクライミングは、あらかじめ開拓者によりボルト打ち込まれているルート対象としたクライミングと、クラック(岩の割れ目)などにナッツカミングデバイスカム)といったナチュラルプロテクションをセットしつつ登るクライミング分けられ2006年時点では前者人気高く通常「リードクライミング」と言った場合前者を指すようになっているが、後者との区別強調したい場合などはスポーツクライミング略してスポーツ」「スポート」)と呼ばれることもある。後者は「岩を傷つけない」「可能な限りシンプルなスタイル採用する」というクライミング伝統基づいていることからトラッドクライミング(略してトラッド」)と呼ばれて前者区別される。 リードクライミングは基本的にクライマー登る人)とビレイヤー地面ロープ確保する人)の2人1組行われクライマー自分ナッツカムなどのナチュラルプロテクションをセットするか、あるいはあらかじめ打たれボルトのところまで到達し、これらの確保支点にクイックドロー(俗にヌンチャク)と呼ばれる道具掛け、クイックドローにロープ掛けながら登る。リードクライミング開始の手順としては、まずルートの下に行きクライマーロープハーネスに結び、ビレイヤービレイ器にロープ通しハーネスセットするクライマーはクイックドローを必要な分だけ(必要な場合はナチュラルプロテクションも)ハーネス掛けるその後クライマーが「お願いしますと言って登り始めるのが一般的である。ルート最上部には様々な形態の終了点が設置されており(ない場合もあり、そうした場合自分作る)、ここまで到達したクライマーは、設置され終了点を利用して下降する終了点に到達するまでに、ボルトロープと言った自然以外の造形に全く荷重をかけずに終了点に到達したことをもって完登とするが、岩場形状によっては終了の上まで登ることを要求される場合もある。途中でクライマー墜落した場合ビレイヤービレイ器を用いてロープ制動をかけ、墜落止める止めた後は、クライマーはそこで落ちた箇所検討行い再度挑むこのようなロープぶら下がったままムーブを探るスタイルをハングドッグといい、かつては堕落したスタイル見られていたが、2006年時点では完全に定着している。2006年時点において、日本各地では終了点や確保支点ボルト老朽化進んでおり、これらの確認自分自身で行うよう日本フリークライミング協会呼びかけている。 トラッドクライミングでは、ナチュラルプロテクションを確実にセット出来なかった場合墜落すると、セットしたナチュラルプロテクションが外れクライマー地面まで落ち可能性がある。一方、ボルトルートのリードクライミングでは、強固なボルトがあらかじめ設置されているため、地面まで落下する危険性少なくプレッシャー比較少ないため、人気が高い。トラッドクライミング独特の技術であるジャミングがやや痛く、かつしっかり効いているかどうか最初判断しづらい、トラッドクライミング用のナッツカムといったナチュラルプロテクションがやや高価であることも、トラッドクライミングがボルトルートほど人気がないことの原因1つとなっている(画像キャメロットC4-6番は約15000円。ナッツ1セットで約1万円強である。通常のトラッドクライミングでは、例えキャメロットならば0.5、0.75、1、23番程度しか使わないが、これらを揃え場合、大体1万×5 = 5万円程度である。さらに、これらとロープ介すカラビナが必要となってくる。その他必要なもの揃えると10万以上になる)。しかし、トラッドクライミングにはその分、「自分自身の力で登り切った」という達成感がボルトルートを登った場合より大きいこのため、ボルトルートでのクライミングボルダリング一通り経験した者が、未知クライミング求めてトラッド始めケースや、アルパインクライマーがスムーズにナチュラルプロテクションを設置する能力求めてトラッド始めるといったケースもあるという。 リードクライミングでは、人間は高いところに行けば恐怖感を持つようにできているという特徴から、クライマー心理的プレッシャーを受け、思い切ったムーブができなくなることもある。特に、ボルトボルト間隔が遠いルートプレッシャー大きい。こうした恐怖感は、完登した際の喜びスパイスとなる。確保支点をとらずに(または取れずに)長い距離を登ることや、最後確保支点から繰り出されロープの距離をランナウトといい、ランナウト状態では緊張感から普段通りムーブ起こすことが出来ずクライマー恐怖対象となっている。国内のフリークライミングエリアでこうしたランナウト極端なものは少なと言われているが、宮崎県北部花崗岩スラブ岩場比叡山、広タキスラブ、雄鉾岳など)では、20メートル以上もランナウトするようなルート珍しくない大きくランナウトするルート恐ろしいが、それだけ完登した際の喜び単なるスポーツの域を越え、むしろ冒険のそれに近くなる。リードクライミングは、用具一式揃えるのがボルダリングよりも高くつくこと、アプローチ多く場合ボルダリングよりも遠いこと、2人以上必要であること、高度感がプレッシャーとなること、ロープワークが必要とされることなどから、ボルダリング比べハードル高くなり、ボルダリング隆盛比較してやや人気落ち着いてきている感がある(2006年時点)。とはいえ、リードクライミングには、そのスケール故の快感や、クリップ(クイックドローをボルト掛けロープセットすること)やレスト片腕放して休ませること)に関する駆け引きなど、にボルダリングとはまた違った楽しさがあり、特にナチュラルプロテクションを用いたクライミング戦略性が高い上に、「自分の力でなし得た」という満足感クライマー与えてくれる。 ルートクライミングのエリアとしては、関東周辺では小川山二子山城ヶ崎白妙氷川屏風岩河又などが有名である。

※この「リードクライミング」の解説は、「フリークライミング」の解説の一部です。
「リードクライミング」を含む「フリークライミング」の記事については、「フリークライミング」の概要を参照ください。

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