リードコマンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/26 10:16 UTC 版)
「DDR3 SDRAMにおけるコマンドとオペレーション」の記事における「リードコマンド」の解説
リードコマンドはデータを読み出すコマンド。メモリデバイスはアクティブコマンドで指定したバンクおよびロウアドレス、リードコマンドで指定したカラムアドレスからバースト長分だけデータを連続で出力する。データはリードコマンドからアディティブレーテンシ (AL) とCASレーテンシ (CL) の和 (AL+CL) のサイクル数分送れて出力される。データと同期してデータストローブ信号 (DQS) も出力する。DQSはデータの出始め前にtRPRE期間プリアンブル (Preamble)、データ終了時にtRPST期間のポストアンブル (Postamble) を出力する。 リード/ライトコマンドの入力時にA12/BC#で動的にバーストチョップ (Burst Chop:BC) の有無 (BC4/BL8) を切り替えることができる。リード作時のタイミングパラメタを以下に示す。 tDQSCKmax/tDQSCKminはCK/CK#の交点に対するDQS/DQS#の交点の許容される振れ幅に対する規定値 tDQSCKはCK/CK#の交点に対するDQS/DQS#の交点のタイミング tQSHはDQSのハイ区間、tQSLはDQSのロー区間。 tLZ/tHZはCK/CK#の交点からDQS/DQが信号を出力を開始するまでの時間、およびHi-Zになるまでの時間 tDQSQはDQS/DQS#の交点から最も出力タイミングが遅いDQピンからデータが出始めるまでの時間 tQHははDQS/DQS#の交点から最も出力タイミングの早いDQピンからデータが出終わるまでの時間 有効データ区間はtQH-tDQSQと等しい。 ただしtLZ/tHZおよびtRPREの起点/TRPSTの終点はは下図で示すように計算する。 以下にリードコマンドと他のコマンドを組合せたときのタイミングチャートを示す。 ただしBL=8、AL=0、CL=5、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータである。 DDR3 SDRAMではCAS#から次のCAS#までのタイミング制限tCCDは4サイクルである。そのためリードコマンドは4サイクルごとにしか入力できない。データの読み出しが連続する場合、1つ目のリードコマンドに対するポストアンブル (Postamble)、2つ目のリードコマンドに対するプリアンブル (Preamble) は消失し連続した読み出しの先頭にプリアンブル、最後にポストアンブルが現われる。 ただしBC4、CL=5、AL=5、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータである。バーストチョップ (Burst Chop:BC4) を用いてリードデータを途中で停止しても続くリードコマンドをtCCDより短いタイミングで入力することはできない。そのため2つ目のリードコマンドに対応する読み出しは1つ目のリードコマンドがバーストチョップでなかった場合と等しい。 ただしBL8、CL=5、CL=0、CWL=5、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータ、Din bはCol bに対応して書き込まれるデータである。バーストチョップしないリードコマンドからライトコマンドには R L + t C C D + 2 × t C K − W L {\displaystyle RL+tCCD+2\times tCK-WL} 期間が必要になる。ただしRLはリードレイテンシ (Read Latency)、WLはライトレイテンシ (Write Latency)、tCCDはCAS#から次のCAS#までのタイミング制限、tCKは1サイクルの時間。図の例ではリードからライトの切り替わりに2サイクル ( 2 × t C K {\displaystyle 2\times tCK} ) の空き時間が発生する。 ただしBC4、CL=5、AL=0、CWL=5、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータ、Din bはCol bに対応して書き込まれるデータである。バーストチョップしたリードコマンドからライトコマンドまでの期間は R L + t C C D / 2 + 2 × t C K − W L {\displaystyle RL+tCCD/2+2\times tCK-WL} に短縮される。このためtCCD/2サイクル早くライトコマンドを入力できる。 ただしCL=5、AL=0、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータである。 ただしCL=5、AL=0、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータである。先に読み出すデータに対してバーストチョップを行ってもtCCDは変わらない。そのため1つ目のリードコマンドに対応するデータの読み出しと2つ目のリードコマンドに対応するデータの読み出しの間に2サイクルデータの出力されない区間が発生する。このような場合、それぞれのデータの読み出し始めと終わりにプリアンブル・ポストアンブルが挿入される。 ただしCL=5、AL=0、CWL=5、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータ、Din bはCol bに対応して書き込まれるデータである。バーストチョップしたリードコマンドからライトコマンドまでの期間はライトコマンドがバーストチョップかどうかに関係なく R L + t C C D / 2 + 2 × t C K − W L {\displaystyle RL+tCCD/2+2\times tCK-WL} に短縮される。このためtCCD/2サイクル早くライトコマンドを入力できる。 ただしCL=5、AL=0、CWL=5、Dout nはCol nに対応して読み出されたデータ、Din bはCol bに対応して書き込まれるデータである。リードコマンドからライトコマンドまでの期間は R L + t C C D + 2 × t C K − W L {\displaystyle RL+tCCD+2\times tCK-WL} である。これはライトコマンドがバーストチョップしていてもリードコマンドがバーストチョップされていなければ短縮されない。
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