ベータ‐かぶ【ベータ株/β株】
SARSコロナウイルス2-ベータ株
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SARSコロナウイルス2-ベータ株(サーズコロナウイルスツー ベータかぶ、英語: SARS-CoV-2 Beta variant、別名: 系統 B.1.351、501.V2、20H/501Y.V2〈旧: 20C/501Y.V2〉、VOC‑20DEC‑02〈旧: VOC-202012/02〉)は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の原因ウイルスとして知られるSARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2) の変異株である[1]。2020年10月に南アフリカ共和国の東ケープ州ネルソン・マンデラ・ベイ大都市圏で最初に確認されたため、日本では通称南アフリカ型変異株として知られている。
世界保健機関(WHO)は懸念される変異株(VOC)に指定し、WHOラベルではベータ株(Beta variant)に分類していたが、2022年4月時点でVOCから除外されている[2]。
特徴
2020年12月18日、南アフリカ共和国保険局により報告された[3]。この変異体の有病率は、基礎となる健康状態のない若者の間で高く、他の変異株と比較して、これらの症例ではより頻繁に重篤な病気を引き起こすと報告された[4][5]。同保健局はまた、この変異株が他の初期のウイルスの変異株よりも速いペースで広がっているため、この変異株が同国内でのCOVID-19パンデミック(英語版)の第2波を引き起こしている可能性があることを示した[3][4]。
ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン (RBD) に N501Y[3][6]、K417N、E484K[7][8]の3つの変異があるため、変異体にはヒト細胞への付着を容易にするいくつかの変異が含まれていることに注目された。N501Y変異は英国の変異株(アルファ株)でも検出されている[3][9]。
分類
命名
2020年5月、この系統が南アフリカ共和国で初めて記録され、後に系統 B.1.351(lineage B.1.351)と命名された[2][10]。2021年5月末、WHOは懸念される変異株(VOC)や注目すべき変異株(VOI)にギリシャ文字を使用する新しい方針を導入した後、系統 B.1.351に対しベータ(β:Beta)のラベルを割り当てた[2][10]。
変異
-
スパイクタンパク質に焦点を当てたSARS-CoV-2のゲノムマップ上にプロットされたベータ株のアミノ酸変異。
ワクチンの有効性
アストラゼネカ社のワクチン(AZD1222)はB.1.351変異株には有効性が低いとされる[1]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “AstraZeneca社のワクチンはB.1.351変異株には有効性が低い”. 2021年6月26日閲覧。
- ^ a b c “Tracking SARS-CoV-2 variants” (英語). who.int. World Health Organization. 2022年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月3日閲覧。
- ^ a b c d “South Africa announces a new coronavirus variant”. The New York Times (2020年12月18日). 2020年12月20日閲覧。
- ^ a b “South Africa coronavirus: Second wave fueled by new strain, teen 'rage festivals'”. The Washington Post (2020年12月18日). 2020年12月20日閲覧。
- ^ Mkhize, Dr Zwelini (18 December 2020). "Update on Covid-19 (18th December 2020)" (Press release). South Africa. COVID-19 South African Online Portal. 2020年12月23日閲覧。
Our clinicians have also warned us that things have changed and that younger, previously healthy people are now becoming very sick.
- ^ Abdool Karim (2020年12月19日). “The 2nd Covid-19 wave in South Africa:Transmissibility & a 501.V2 variant, 11th slide”. www.scribd.com. 2021年3月11日閲覧。
- ^ Lowe, Derek (2020年12月22日). “The New Mutations”. In the Pipeline. American Association for the Advancement of Science. 2020年12月23日閲覧。 “I should note here that there's another strain in South Africa that is bringing on similar concerns. This one has eight mutations in the Spike protein, with three of them (K417N, E484K and N501Y) that may have some functional role.”
- ^ “Statement of the WHO Working Group on COVID-19 Animal Models (WHO-COM) about the UK and South African SARS-CoV-2 new variants” (PDF). 世界保健機関 (WHO) (2020年12月22日). 2020年12月23日閲覧。
- ^ "Novel mutation combination in spike receptor binding site" (Press release). GISAID. 21 December 2020. 2020年12月23日閲覧。
- ^ a b “新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告”. 厚生労働省. (2021年6月8日) 2021年10月2日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Tracking SARS-CoV-2 variants(英語) - 世界保健機関 (WHO)
- Variants of the Virus(英語) - アメリカ疾病予防管理センター (CDC)
- Lineage B.1.351/Global Lineage Reports B.1.351(英語) - Cov-Lineages
- Beta Variant Report(英語) - outbreak.info
- 新型コロナウイルス感染症について - 厚生労働省
- 新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料 変異株 - 厚生労働省
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報 - 国立感染症研究所
ベータ株(系統 B.1.351/501.V2 変異株)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 03:42 UTC 版)
「COVID-19ワクチン」の記事における「ベータ株(系統 B.1.351/501.V2 変異株)」の解説
「SARSコロナウイルス2-ベータ株」も参照 詳細は「en:SARS-CoV-2 Beta variantt#Differential vaccine efficacy」を参照 モデルナは、南アフリカの系統 B.1.351(501.V2 変異株)に取り組むための新しいワクチンの試験を開始した。2021年2月17日、ファイザーはB.1.351の中和活性が2/3に低下したと発表したが、この変異株に対するワクチンの疾病予防効果については、まだ主張できないとしている。B.1.351に対するモデルナおよびファイザーのワクチンを接種した患者からの血清の中和活性の低下は、その後、いくつかの研究で確認された。4月1日、ファイザー-バイオンテックによる南アフリカでのワクチン試験の最新情報では、ワクチンの効果は今のところ100%(つまり、ワクチンを接種した被験者には症例が発生しなかった)で、プラセボ対照群では9件の感染のうち6件がB.1.351であったと述べられている。 2021年1月、南アフリカでAd26.COV2.S ワクチンの臨床試験を実施したジョンソン・エンド・ジョンソンは、中等度から重度のCOVID-19感染に対する防御レベルは、米国で72%、南アフリカで57%であったと報告した。 2月6日、『フィナンシャル・タイムズ』紙は、南アフリカのウィットウォーターズランド大学(英語版)がオックスフォード大学と共同で実施した試験の暫定試験データで、オックスフォード-アストラゼネカワクチン(AZD1222)のB.1.351に対する有効性の低下を示したと報じた。この研究では、2,000人のサンプルサイズにおいて、AZD1222 ワクチンは、COVID-19の最も重篤な症例を除く全ての症例において「最小限の保護」しか提供しないことが分かった。2月7日、南アフリカ保健大臣はデータを検討し、どのように進めるべきかアドバイスを待つ間、約100万回分のワクチンの配備計画を中止した。
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