ベータ崩壊系列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 14:43 UTC 版)
原子核は重くなるほど安定であるために必要な中性子/陽子数比が大きくなり、核分裂反応を起こすような重い原子核は陽子に比べて中性子の比率がはるかに大きい。このため、核分裂により生成した核種は、その質量数で安定な状態に比べて中性子/陽子数比が高い状態にある。これらの核分裂生成核種は複数のベータ崩壊を連続して起こして中性子を陽子に変換してゆき、その質量数で安定な中性子/陽子数比へ近づいてゆく。最初の崩壊は比較的高い崩壊エネルギーと短い半減期を有するが、最後の崩壊では崩壊エネルギーが低くなったり半減期が長くなる。 例えば、ウラン235は 92個の陽子と143個の中性子を持っている。核分裂においては1つ中性子を取り込み、その後に2つまたは3つ以上の中性子を生成する。つまり、最大で92個の陽子と142個の中性子からなる2つの核種に核分裂する。生成される2つの核種の例としては質量数99(39個の陽子と60個の中性子)のイットリウム-99、および 質量数135(53個の陽子と82個の中性子)のヨウ素-135 があげられる。この崩壊系列は、次のようになる。 核種半減期99Y 1.470(7) 秒 99Zr 2.1(1) 秒 99Nb 15.0(2) 秒 99Mo 2.7489(6) 日 99Tc 2.111(12)E+5 年 99Ru 安定 核種半減期135I 6.57(2) 時間 135Xe 9.14(2) 時間 135Cs 2.3(3)E+6 年 135Ba 安定
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