ニシキギとは? わかりやすく解説

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にしき‐ぎ【錦木】

読み方:にしきぎ

ニシキギ科落葉低木山野自生コルク質の翼が四方につき、楕円形で、秋に紅葉する5月ごろ、黄緑色小花咲き、実は赤く熟す庭木にされ、に翼のないものをコマユミという。ニシキギ科にはマユミ・マサキなども含まれ種子鮮やかな色の仮種皮をもつものが多い。《 秋 花=夏》「われ稀に来て—を立去らず夜半

5色彩った30センチくらいの木。昔、奥州で、男が恋する女に会おうとするとき、女の家前にこれを立て女に迎え入れる心があれば取り入れ取り入れなければ、男はさらに繰り返し千本限度として通ったという。

思ひかね今日立て初むる—の千束も待たであふよしもがな」〈詞花・恋上〉

[補説] 書名別項。→錦木

錦木の画像
撮影おくやまひさし
「錦木」に似た言葉

にしきぎ【錦木】

読み方:にしきぎ

柳川春葉小説明治34年1901発表


鬼箭

読み方:ニシキギ(nishikigi)

ニシキギ科落葉低木園芸植物薬用植物


ニシキギ

ニシキギ
科名 ニシキギ科
別名: -
生薬名: エイホウ衛矛
漢字表記 錦木
原産 日本中国
用途 古くからとげ抜き妙薬で、トゲヌキサンの別名もありますコルク質のヒレ黒焼きにして、ご飯粒練って患部に貼りました。
学名: Euonymus alatus Sieb.
   

衛矛

読み方:ニシキギ(nishikigi)

ニシキギ科落葉低木園芸植物薬用植物

学名 Euonymus alatus


錦木

読み方:ニシキギ(nishikigi)

ニシキギ科落葉低木園芸植物薬用植物

学名 Euonymus alatus


鬼箭

読み方:ニシキギ(nishikigi)

ニシキギ科落葉低木園芸植物薬用植物

学名 Euonymus alatus


錦木

読み方:ニシキギ(nishikigi)

ニシシギ科の落葉低木

季節

分類 植物


鬼箭木

読み方:ニシキギ(nishikigi)

ニシシギ科の落葉低木

季節

分類 植物


錦木

読み方:ニシキギ(nishikigi)

分野 謡曲

年代 室町前期

作者 世阿弥


錦木

読み方:ニシキギ(nishikigi)

分野 仮名草子

年代 成立年未詳

作者 作者未詳


錦木

読み方:ニシキギ(nishikigi)

作者 柳川春葉

初出 明治34年

ジャンル 小説


ニシキギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/19 14:50 UTC 版)

ニシキギ
ニシキギ
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
: ニシキギ目 Celastrales
: ニシキギ科 Celastraceae
: ニシキギ属 Euonymus
: ニシキギ E. alatus
学名
Euonymus alatus (Thunb.) Siebold f. alatus (1830)[1]
シノニム
和名
ニシキギ(錦木)
英名
winged spindle、burning bush

ニシキギ(錦木[3]学名: Euonymus alatus または Euonymus alatus f. alatus)とはニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。庭木や生垣、盆栽にされることが多く、樹皮は薬用となる。別名、ヤハズニシキギカミソリノキとも呼ばれるが、これは茨城県栃木県塩谷郡日光市)の方言名であった(参照: #名称)。

名称

和名「ニシキギ」の由来は、真っ赤で鮮やかな紅葉の美しさを錦に例え、「錦の木」となり転訛したことによる[4][5][6]。別名ヤハズニシキギ[6]。日本の地方によって、キツネノカミソリなど[7]、以下のような方言名が存在する。

中国植物名は、衛矛(えいほう)という[7]英語では winged spindle〈翼のある紡錘〉あるいは burning bush〈燃え盛る茂み〉と呼ばれる[10]

分布・生育地

日本の北海道本州四国九州のほか、国外では中国アジア北東部に分布し[5]、低地や丘陵地、山地の山野に自生する[11][12][3]。秋の紅葉を楽しむため、庭木としてもよく植えられる[5]。紅葉が見事で、ニッサ・スズランノキ[注 4]と共に世界三大紅葉樹に数えられる[13]

形態・生態

落葉広葉樹低木[4]、高さは1 - 4メートル (m) になる[5][12]樹皮は灰褐色で縦に筋がある[3]は緑色かときに紅紫色で、若い枝では表皮を突き破ってコルク質で、節ごとに十字対生して、板状の2 - 4枚の翼(よく)が発達する[11][3]。翼は細い幹にも低く残り、幹には翼の痕が残っていることが多い[3]。なお野生の個体などで、翼が出ないもの品種もあり、コマユミE. alatus f. ciliatodentatus、シノニム E. alatus f. striatus 他)と呼んでいる[11][12][6]

は対生し、葉身は長さ2 - 7センチメートル (cm) の倒卵形から広倒披針形で[5]、葉縁には細かい鋸歯があり[11]マユミツリバナEuonymus oxyphyllus)よりも小さい。枝葉は密に茂る。秋になると、葉は緑色から紫褐色を経て赤色に紅葉し、マユミツリバナなどニシキギ科の植物の中でも最も赤色が鮮やかになる傾向がある[6]。日当たりのよい場所では真っ赤に染まるが、日当たりが悪いとピンク色になり、更に日陰では淡いクリーム色になる[12]。紅葉し始めのこりは緑色が混じり、しばしばグラデーションになる[12]

花期は初夏(5 - 6月)で、葉腋から集散花序を出して、淡黄緑色で小さく、あまり目立たない4弁の花を1 - 数個つける[11][4]果実蒴果で、楕円形をしており、秋の紅葉するころに赤く熟すと果皮が割れて、中から橙赤色でほぼ球形をした、仮種皮に覆われた小さい種子が露出する[11][4]。これを果実食のが摂食し、仮種皮を消化吸収したあと、種子をとして排泄し、種子散布が行われる。

冬芽は枝に対生して、緑色の長卵形で多数の芽鱗に包まれ、ときに褐色に縁取られる[3]。頂芽は頂生側芽を伴う[3]。葉痕は半円形で、維管束痕は弧状で1個つく[3]

栽培

栽培は容易で、繁殖は播種または挿し木で行う[11]。播種は秋に採取した種子をすぐに蒔き、挿し木は枝を10 - 15 cmに切って挿し、乾燥させないようにビニールで覆う[11]

紅葉を美しくするために西日を避けた日当たりの良い場所に植える。剪定は落葉中に行う。よく芽を付ける性質なので、生垣の場合は強く剪定してもよい。

利用

秋の紅葉が鮮やかで、庭園樹、盆栽、公園樹によく用いられる[5][6]。材は細工物に使い、特に良質の版木になる[4]。樹皮は薬用となり、かつて和紙を作るのに用いられた[4]

日本では民間薬として、秋に採取した果実や、初夏に採った樹皮(翼)、を用いていて、それぞれ天日で乾燥させる[11]中国には無く、漢方では使用されない[11]。黒焼き用の枝葉は、アルミ箔に包んで焼き、黒いにして砕いて粉末にする[11]打撲の鎮痛、消炎、とげ抜きの薬として用いられる。打撲・生理不順には樹皮・果実は1日量3 - 10グラムを水300 - 600 ccで半量に煎じ、3回に分けて服用する用法が知られている[7][11]。とげ抜きの場合は、黒焼きを米のりと練って、紙につけて貼ると、とげが出るので引き抜く[7][11]。身体を冷やす作用がある薬草のため、妊婦への使用は禁忌とされる[7]

脚注

注釈

  1. ^ 現代ではヒガンバナ科ヒガンバナ属の草本 Lycoris sanguinea var. sanguinea の標準和名とされている[9]
  2. ^ 現代ではニシキギと同じ科の別種 Celastrus orbiculatus var. orbiculatus の標準和名とされている[9]
  3. ^ 現代ではニシキギと同属だが別種の Euonymus japonicus の標準和名とされている[9]
  4. ^ 学名: Oxydendrum arboreumツツジ科コーンビス (1994, p. 143)ではスイバノキという和名がつけられている。

出典

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus alatus (Thunb.) Siebold f. alatus ニシキギ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月3日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Euonymus alatus (Thunb.) Siebold var. nakamurae (Makino) F.Maek. ex H.Hara ニシキギ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 210.
  4. ^ a b c d e f 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 135.
  5. ^ a b c d e f 菱山忠三郎 2003, p. 366.
  6. ^ a b c d e 亀田龍吉 2014, p. 28.
  7. ^ a b c d e 貝津好孝 1995, p. 232.
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 八坂書房編 2001, p. 398.
  9. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2019年5月28日).
  10. ^ Warren (2014).
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m 馬場篤 1996, p. 85.
  12. ^ a b c d e 林将之 2008, p. 61.
  13. ^ 森林植物園のいま”. kobe-park.or.jp. 財団法人神戸市公園緑化協会. 2020年4月10日閲覧。

参考文献

日本語:

英語:

関連項目


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