デザインの範囲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:17 UTC 版)
ランドスケープデザインは、特質統合ランドスケープ計画と、ランドスケープ要素とその中の植物が特定されたガーデンデザインの両方に重点を置いている。実用的で美的で園芸的で環境的にも持続可能なものはランドスケープデザインの要素となっているが多くの場合ランドスケープデザインはハードスケープデザインとソフトスケープデザインとに分類され、ランドスケープデザイナーは建築や地理、土壌や土木工学、測量、造園業、植物学、職人の専門分野など、関連する分野と頻繁に協働している。 デザインプロジェクトには、ランドスケープデザインとランドスケープアーキテクチャ。という2つの異なる専門的な役割が含まれている。 ランドスケープデザインは、典型的には、芸術的な構成と職人技、園芸の精巧さと専門知識、概念的な段階から最終的な構築まで詳細なサイトの関与に重点を置いている。 ランドスケープ・アーキテクチャーは、都市計画、都市と地域の公園、市民と企業の風景、大規模で学際的なプロジェクト、設計完了後の請負業者への委託に重点を置いている。 教育、ライセンス、および専門家の経験に応じて、2つの役割の間で才能とスキルが重複する可能性はある。ランドスケープデザイナーとランドスケープアーキテクトの両方がランドスケープデザインを実践している。 日本では古来からは日本庭園で距離を利用し、風景の変化を作り出す手法、近くから順にコケ、低木、高木を配し、塀で風景を切り取り、遠くの山、空を借景で演出するなど、また個々の造園計画により、都市全体に魅力を持たせる手法、都市内に作られる公園、川辺の親水空間、建築物周辺の植栽、街路樹などの計画、構築する手法は一般的なことで、近年ではランドスケープの広告化、マンション広告の際にマンション敷地内の外部空間をランドスケープとして宣伝するまでになった。 ランドスケープは自然と人間界との事などが入り混じっている現実のさまを意味するが、ランドスケープデザインはこの景の中の人間と自然や環境との関係を読み取り、それを形として空間に表現する分野である。そして芸術と科学という性格の異なった二つの領域で構成されている分野であり、豊かな生活環境の理想を実現し結うような空間を具体的につくる手段でもある。それらは建築や土木構造物以外の外部空間を対象とし、今日では庭から街路、河川、都市公園や広場、都市や商業モール、住環境。学校キャンパスやスポーツグラウンド、そして自然公園へと広範囲にひろがっている。これらのオープンスペースはわずか1世紀前までは都市の余白としてしかとらえられなかったが、都市の高密度化が進行するにつれ、それが都市環境を人間のもとに取り戻す重要な役割をもっている空間であることが判ってきたのである。 公共空間を対象としている場合、つまり公共事業であるとユーザーは年齢、職業、性別ともに特定されなく、判断基準が不明確になるためしばしば審美性よりも明確な機能とか管理しやすさのみから判断される場合が多かったが、80年代からは都市における公共空聞への意識の高まりとともにランドスケープ・デザインという領域が認識されるようになり、主にアメリカで教育を受けた多くのランドスケープ・アーキテクトがさまざまな分野で活躍を始めるようになる。それまでとかく外構として、都市の残余、敷地の残余を埋める以上の役割を担っていなかった空地は、こうした状況下において、デザインの対象であることが認識されるに至る。建築家とランドスケープ・アーキテクトが協働をすることが当たり前になったのも、この時期以降である。この動きは、ともするとフォルマリスティックで表層的なデザインに陥る危険性をはらんでいたが、それまでの、単に喧騒をやわらげるための抽象的な緑でしかなかった植物を、生さ生きとした能動的な自然に引きあげたり、あるいは癒しの手段でしかなかった水やみどりを、より大きな生態系のなかでの自然現象を映し出す存在として位置付けたり、というように、都市と自然、人間の営為と自然との関係を再定義することに大きな役割を果たすことになった。
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