デザインの構造と展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 06:12 UTC 版)
「2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム」の記事における「デザインの構造と展開」の解説
野老によると、市松模様のシステムを作るのに10年以上、今回のエンブレムの完成まで2、3か月を要したという。「一つ一つのピースを数えると45枚(9枚の正方形・2種類18枚ずつの長方形)。五輪もパラリンもおんなじピースを組み立てていくというのはずっと考えてきたことです」、「(45枚は)デザインがキレイに収まった偶然の数」、「120度で切ると3つが重なるローテーションシンメトリーであること」などを、野老は語っている。 当初本人はその他の詳しいシステムを明かしていなかったが、決定後、ネット上では幾何学の観点から多様な解析がなされた。この現象について野老は「集合知によるものづくりが、長らく夢だった」とコメントした。「五輪のエンブレムから長方形のパーツごとの大きさや角度を変えず移動させるとパラリンピックのエンブレムが完成すること」、「3種類の四角形は正十二角形 の頂点を結んだものであること」、「パラリンピックの下部中央の15パーツ(3・6・6)を上下反転させたものは、パラリンピックの上部中央と五輪の中央に組み込むことができること」 などがあった。 その後、この3種類の四角形(大が2、中が√3、小が1)は、それぞれ辺の長さが同じである3種類の四角形(9枚の正方形・18枚の60/120度菱形・18枚の30/150度菱形)の中点を結んで内接したものであることが明かされた(中心が同じな相似比1:2の正十二角形に囲まれた空間に組み込まれている)。 また、オリンピックの方の空白部は、二等辺台形、鋭角二等辺三角形、そして不等辺三角形のどれかになっている。対してパラリンピックの方の空白部は、二等辺台形、鋭角二等辺三角形、そして1直角四角形のどれかになっている。オリ・パラとも、同じサイズで同じ傾きのパーツは各3つずつある。 野老の友人・松川昌平は5月上旬、野老エンブレムを元に四角形の組合せを何億通りもアレンジするプログラム「ランダム・エンブレム・ジェネレーター」を発表した。 エンブレムを発展させたデザインとして、線対称性を持つ「大扇(おおおうぎ)/big fan」と「双極(そうきょく)/bipolar」、回転対称性を持つ「三目結(みつめゆい)/flat trinity knot」「四羽風車(よつはねかざぐるま)/four wings windmill」の公式グッズも発売された。他に2017年7月発売の有田焼絵皿も「結/unite」という回転対称のデザインとなった。 2020年1月6日に発表された大会公式ポスター(全20点)の1つには、野老による「HARMONIZED CHEQUERED EMBLEM STUDY FOR TOKYO 2020 OLYMPIC GAMES [EVEN EDGED MATTERS COULD FORM HARMONIZED CIRCLE WITH “RULE”]」があり、野老のオリンピックエンブレムの構造(各パーツの傾きの角度など)が明快に可視化されたものとなっている。
※この「デザインの構造と展開」の解説は、「2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム」の解説の一部です。
「デザインの構造と展開」を含む「2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム」の記事については、「2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム」の概要を参照ください。
- デザインの構造と展開のページへのリンク