おもな魔法薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 05:41 UTC 版)
「ハリー・ポッターシリーズの魔法薬一覧」の記事における「おもな魔法薬」の解説
生ける屍の水薬(Draught of Living Death) 非常に強力な眠り薬。成分が強すぎると、一生眠り続けることもある。水のように澄んだ色をしている。材料はアスフォデルの球根の粉末、煎じたニガヨモギ、刻んだカノコソウの根、催眠豆の汁など。 第1巻『賢者の石』に名前のみ、第6巻『謎のプリンス』に実物が登場。1年生の最初の「魔法薬学」の授業で、ハリー・ポッターはこの魔法薬についてセブルス・スネイプから質問を受ける。6年生の最初の「魔法薬学」の授業で、ハリーは「半純血のプリンス蔵書」の教科書を頼りに、クラスで唯一この薬の調合に成功し、ホラス・スラグホーンから褒美として「フェリックス・フェリシス」をもらう。 煙突飛行粉 / フルーパウダー(Floo Powder) 暖炉の炎をエメラルド色の特殊な炎に変える。見た目はきらきらと光る粉。魔法使いの家の暖炉はネットワーク化されており、この粉を使うことで、暖炉を介して遠く離れた場所へ移動できる。ただしネットワークは魔法省に常時監視されており、ネットワークに組み込まれていない暖炉は利用できない。使用方法は「入口」の暖炉の炎に粉をひとつまみ振りかけ、緑色に変わった炎のなかへ入り、望む「出口」の場所名を叫ぶだけ。ただし、出口の場所をはっきり発音しなかったり、途中でむせたりつかえたりすると、「ずれた」場所に出てしまう欠点がある。粉を入れた炎に、体の一部(大抵は頭のみ)を入れることで、部分移動も可能。全身を入れると一方通行だが、部分移動の場合は移動部位を炎から抜くことで、もとの暖炉に戻れる。煙突飛行は、魔法界では一般的な移動方法のひとつ。頭のみの部分移動は、マグルの電話のようなものだが、緊急連絡時以外には使われないようである。 第2巻『秘密の部屋』、第4巻『炎のゴブレット』、第5巻『不死鳥の騎士団』に登場。ハリーは、ロン・ウィーズリーの実家からダイアゴン横丁へ新学期の買い物に行くときに初めて使うが(第2巻)、出口の場所を叫ぶときにむせ、夜の闇横丁の店ボージン・アンド・バークスへ移動する。 クィディッチ・ワールドカップを見に行くため、ウィーズリー家の面々がダーズリー家にいるハリーを迎えに来たとき(第4巻)は、ダーズリー家の暖炉が電気ストーブで塞がれていたため、アーサー、フレッドとジョージ、ロンの4人が暖炉のなかに詰め込まれる。 ポリジュース薬(Polyjuice Potion) 飲んでから1時間、変身したい人物とまったく同じ外見になる。視力、片目や片足などの損傷も再現するが、薬の効果が切れたときも、もとの姿への影響はない。異性への変身も可能。ただし変身するのは肉体だけで、衣服や義手は再現しない。誤って動物の一部を入れたものを飲むと、中途半端に変身し、もとの姿に戻れなくなる。 材料はクサカゲロウ、ヒル[要曖昧さ回避]、満月草、ニワヤナギ、二角獣の角の粉末、毒ツルヘビの皮の千切り、変身したい人物の一部。素の状態は水あめ状で黒っぽい泥のような見た目だが、変身したい人物の一部を入れるとそれに応じて変色する。煮込みすぎたキャベツのような味で、飲むと全身が捩れて溶けるような感覚がする。なかに入れた物質の人物によって色は異なるが、その色は当人の性格も反映されるようである、善人は美味しそうな色だが、悪人は汚らしい色になる。調合には1か月かかるが、物語にはきわめて頻繁に登場する。 第2巻『秘密の部屋』、第4巻『炎のゴブレット』、第6巻『謎のプリンス』、第7巻『死の秘宝』、第8巻『呪いの子』に登場。 第2巻では、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーが、ドラコ・マルフォイから「秘密の部屋」の話を聞くために使用する。ハリーはグレゴリー・ゴイル、ロンはビンセント・クラッブに変身する。ハーマイオニーはミリセント・ブルストロードに変身しようとするが、薬に加えた毛はブルストロードの飼い猫の毛だったため、失敗する。 第4巻では、バーテミウス・クラウチ・ジュニアがアズカバンを脱獄する際に母のクラウチ夫人に変身し、入れ替わる。クラウチ夫人は病死するまで息子に成りすます。その後、バーテミウスは任務のために約1年間、アラスター・ムーディになりすましてホグワーツで教師を務める。 第6巻では、グレゴリー・ゴイルとビンセント・クラッブが「必要の部屋」の見張りのために少女に変身する。 第7巻では、ロン、ハーマイオニー、フレッドとジョージ・ウィーズリー、フラー・デラクール、マンダンガス・フレッチャーが、ハリーをウィーズリー邸「隠れ穴」に移送するためにハリーの姿に変身する。ハリーはビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式に出席する際、赤毛の男子に変身する。同巻ではハリー、ロン、ハーマイオニーが魔法省に潜入するためにそれぞれ職員のアルバート・ランコーン、レジナルド・カターモール、マファルダ・ホップカークに変身。さらに、ハリーとハーマイオニーはゴドリックの谷を訪れるためマグルの中年男女に変身する。ハーマイオニーはその後、グリンゴッツ魔法銀行に侵入するためにベラトリックス・レストレンジに変身する。 第8巻では、アルバス・セブルス・ポッター、スコーピウス・マルフォイ、デルフィーニ・ディゴリーが、魔法省に潜入するためにそれぞれロン、ハリー、ハーマイオニーに変身する。 真実薬 / ベリタセラム(Veritaserum) 3滴ほど飲ませるだけで、その人物が持っている秘密をすべて話させることができる、一種の自白薬。とても強力なため、魔法省が所持や使用を制限している。また、生徒への使用は禁じられているもようである。外見は無色無臭、透明。 第4巻『炎のゴブレット』、第5巻『不死鳥の騎士団』、第6巻『謎のプリンス』、第7巻『死の秘宝』に登場。第4巻以降、名前はときどき登場するが、実際に使われる場面は第4巻でバーテミウス・クラウチ・ジュニアにダンブルドアが使用する1回のみである。また、第7巻では、リータ・スキーターがバチルダ・バグショットからアルバス・ダンブルドアの少年時代の話を聞き出すにあたり、これをバチルダに使用したらしい旨がスキーターの著書に記されている。 第6巻における6年生の最初の「魔法薬学」の授業では、高度な魔法薬の見本として登場する。スネイプによれば、調合には1か月かかるという。
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