うんぜんだけ

デジタル大辞泉

うんぜん‐だけ【雲仙岳】

読み方：うんぜんだけ

島原半島中央部の活火山群。複式火山群で、最高峰は平成新山の標高1483メートル。ミヤマキリシマや霧氷がみられる。「温泉(うんぜん)岳」とも書き、また肥前風土記には「高来峰(たかぎみね)」と記されている。寛政4年（1792）に起こった大規模な噴火は「島原大変肥後迷惑」とよばれる。また平成2年（1990）11月から平成8年（1996）にかけても噴火、平成新山を形成した。

国指定文化財等データベース

温泉岳

名称：	温泉岳
ふりがな：	うんぜんだけ
種別：	特別名勝
種別2：
都道府県：	長崎県
市区町村：	雲仙市、島原市、南島原市
管理団体：	長崎県(昭3・9・19)
指定年月日：	1928.03.31(昭和3.03.31)
指定基準：	名1,名3,名9,名10
特別指定年月日：	昭和27.03.29
追加指定年月日：	昭和27.11.22
解説文：	島原半島の主要部を構成する二重の複火山で、東及西温泉の二岳より成る。東温泉岳は西温泉岳の外輪山上に噴起し、次で数個の測火山の噴起あり、爆裂作用による噴気孔間歇噴泉、温泉等の成生あり、その他泥火山、熔岩流等により山形は起伏凸凹して極めて複雑で然も景観雄大且つ変化に富むのみならず山中のツツジ、アヤメ、紅葉樹等の植物景観も特にすぐれた価値を有する。山上到るところ眺望に富冨み、海山の勝景を一眸のうちに收め得る地として稀に見るところである。 島原半島ノ主要部ヲ構成スル温泉岳ハ二重ノ複火山ニシテ之ヲ西温泉及東温泉トシ西温泉ハ九千部山及千々石岳ヲ中央火口丘トシ鳥甲山吾妻岳鉢巻山等ヲ北部外輪山トシ矢岳絹笠山高岳ヲ南部外輪山トスルモノニシテ成生ノ時期ハ早ク東温泉岳ハ普賢ノ最高峰ヲ中央火口丘トシ江丸岳國見岳妙見岳ヲ外輪山トシ西温泉岳己ニ成生シタル後ニ其ノ東部外輪山上ニ新ニ噴起成生シタルモノナリ　而シテ其ノ東西南北ノ四方四個ノ側火山聳立ス北部山腹ニ西郷山アルニ対シ南部山腹ニ高岩山アリ東方ノ眉山ニ対シ西方ニ猿葉山アリ他ノ火山峰モ亦西郷山高岩山ヲ連結スル南北線上並眉山及猿葉山ヲ連結スル東西線上ニ排列ス矢岳及絹笠山ノ間ニハ曽テ爆裂作用起リ其ノ餘勢ハ十餘ノ噴気孔間歇噴泉及温泉トナリテ存ス大地獄及小地獄ト称スルモノハ即チ是ニシテ大地獄中ニ古湯及新湯ノ温泉アリ又大呼叫喚地獄ハ囂々ノ音響ヲ発シテ水蒸気及熱湯ヲ噴出スル噴気孔ヲ云ヒ八幡地獄ハ大小二樣ノ週期ヲ有スル間歇噴泉ニシテ本地域ニ於ケル噴気孔中活動ノ最モ盛ナルモノナリ尚新湯ノ東方及北方ニ数個ノ泥火山アリ舊八幡地獄及別所ノ噴気孔跡ニ硅華ノ沈澱アリ高岩山ノ頂上ニハ帆桂石等ノ竒岩相並ヒ最モ能ク半島南部ノ展望ニ適シ猿葉山ノ南麓海ニ臨ム處鵜ノ穴ト称スル海蝕洞アリ西南麓二百米ノ地点ニハ諏訪池アリテ夏時水上ニ舟ヲ浮フニ足ルヘク湖畔ハ逍遙散策ニ適ス 普賢岳ハ海拔千三百六十米ニ逹シ実ニ温泉火山中ノ最高峰ニシテ頂上ニ近キ處火口阯普賢ノ池寛政四年ノ爆裂火口阯地獄趾及蜂ノ窪明暦三年古焼溶岩流ノ流出ニ因ル鳩ノ穴寛文三年ノ火口趾アリ新焼熔岩流ハ寛政四年ノ流出ニ係ルモノナリ眉山ニハ其ノ山腹ニ寛政四年ノ大爆裂火口趾ヲ始メトシ数個ノ爆裂火口及山崩ノ趾アリ島原港内ニ碁布スル風光明媚ノ所謂九十九島ハ寛政四年ノ爆裂ノ爲ニ生セルモノニシテ眉山ノ山體カ崩壞シタル「流レ山」ニ属ス其ノ構造脆弱ナルヲ以テ風雨波浪ノ浸蝕作用ノ爲ニ消磨セラレテ岩礁若ハ浅瀬トナリタルモノ尠カラス然レ共尚黒松ノ森林ヲ有スル島ハ二十有餘ヲ算スルコトヲ得ヘシ 山中■■多ク花時ノ美観名状スヘカラス又紅葉植物ニ富ミ秋季ハ満山錦繍ヲ晒スニ似タリ殊ニ西温泉火山ノ田代火口原ハ■■ノ美ヲ以テ鳴ル山上到ル處眺望ニ富ミ東ハ有明湾ニ臨ミ西ハ橘湾ニ対シ南ハ天草洋ヲ俯瞰シ北ハ遙ニ大村湾ヲ一矚スヘシ海山ノ勝景ヲ両眸ノ中ニ収ムルノ勝区トシテ此ノ地ノ如キハ稀ナリ 地獄瀑裂火口阯及空池火口原四近ハ温泉公園トシテ其ノ名海外ニ知ラレ空池火口原ニ於ケル「ゴルフグラウンド」ハ殊ニ東洋居留ノ外人間ニ推称セラル

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