「午前0時のレシピ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:11 UTC 版)
「真夜中のパン屋さん」の記事における「「午前0時のレシピ」」の解説
水野 こだま(みずの こだま) 昼夜を問わず、街を歩きまわっている小学3年生。母子家庭であるが、亡き祖父の遺した瀟洒な一軒家で暮らしている。名前は新幹線の「こだま」に由来している。母である織絵は家に戻らないことが度々あり、こだまの世話も満足にできないというネグレクト気味で、時には体罰も受けていたが、心底母を慕って織絵のことを第一に考えている。幼稚園と小学校の入試には失敗しているが、現在通っている学校での成績や知能検査の結果は大変に良く、希実も優秀な子だと思っている。 開業準備中の美和子と親しくしていたことがあり、情報の行き違いからブランジェリークレバヤシで万引き扱いされてしまうが、それが縁となって似たような素行の母親を持ち、名前が「こだま」と「のぞみ」で新幹線繋がりでもあるので、希実の弟分としてブランジェリークレバヤシに出入りするようになり、店の3人や常連客から色々と面倒を見てもらうようになった。 斑目 裕也(まだらめ ゆうや) テレビドラマを手がける中堅脚本家。8階建てビルの最上階の42㎡のワンルームに暮らしている。同居しているのは、雑巾のような模様をした猫のぐーたんで、2巻からは暮林が拾ってきた雄の仔猫のシバタを引き取った。趣味と仕事への実益を兼ねて自宅マンションの三面の窓から複数の望遠鏡で人間関係を観察する他は、ほとんど世間との関わりを持たず、自室内で完結している自分の生活を分相応のものとして、それなりに満足していた。自分がしていることが変態行為ではあることを自覚しているが、他人の着替えや濡れ場は見ないといった外道に堕ちないための自分ルールを持つ。覗きで情報を得る他にも、ネットスキルに長けており、情報を整理収集することが上手いため、「ブランジェリー クレバヤシ」周辺で起きる面倒事の際には、その能力を活かして協力している。 かつて自分のファンだという女性をストーカーし、200m以内の接近禁止の念書を書かされてしまったが、それからも彼女を心配し、彼女が郷里に帰ってしまうまでは動向を見守り続けていた。 開業前から望遠鏡で見ていたため、弘基が美和子に横恋慕していたことを知っており、弘基とは追い続ける恋愛感から意気投合し、また創作と製作というクリエイター同士としても共感している。変態的な趣味と独特の暗い雰囲気から、希実には警戒敬遠されていたものの、元来の人柄は良いため人間的な評価は段々と好転していき友人となった。 ソフィア 中年だが見映えは良い部類のニューハーフ。本名は嶽山大地(たけやま だいち)で、源氏名はソフィア・ローレンにあやかって自分で名付けた。ニューハーフバーのママだったが、不況で経営難に陥っていたところに、店の子に金を持ち逃げされたことで閉店を余儀なくされ、初めて「ブランジェリー クレバヤシ」に行った時は、オフィスビルの軒先のダンボールハウスで暮らすホームレスだった。 両親は北海道で農家をしており、息子がニューハーフになってしまったことを嘆いている。 水野 織絵(みずの おりえ) こだまの母親。こだまをひとり残して家を留守にすることが度々あり、「ブランジェリークレバヤシ」に、しばらくこだまと離れたいと連絡を入れて失踪してしまう。 父親は開業医、母親は父の30歳年下のその医院の事務員で、そこそこ裕福な家庭に生まれ、父親には溺愛され医院を継ぐように期待されて育った。母親は、父に蔑まれ続けて、織絵とも良い関係を結ぶことのできないまま小学校に上がる前に自殺している。医師になるべく育てられるも学力が及ばず断念し、看護師になるが父親は認めてくれなかった。自分を見限った父親の愛情を取り戻すため、勤務先の病院で優秀な医師と関係を持ち、こだまを妊娠する。しかし不倫関係による妊娠だったために父親からの理解を得ることができず、父親はこだまを出産する少し前に病没している。たびたびの出奔理由は、こだまを叱るときなどの自分に、かつて自分に辛く当たっていた頃の父親の影を見出し、その事が苦痛になってしまうからであった。 少女時代から病的な万引き癖があり、こだまが「ブランジェリークレバヤシ」で万引きをしたと聞かされた際に、こだまが自分の良くない血を引いていると思い込み、一緒にいない方がよいのではと考えるようになってしまっていた。失踪中にソフィアに拾われたのも、ソフィアが万引きを見逃してくれたことがキッカケだった。こだまの元に戻ったあとは、ソフィアの紹介先で看護師として勤め始め、3巻時には昔馴染みの安倍医師の診療所で働いていた。
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