(-)-グルタミンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > (-)-グルタミンの意味・解説 

グルタミン【glutamine】

読み方:ぐるたみん

たんぱく質構成するアミノ酸の一。グルタミン酸にアミノ基一ついたもの植物では発芽した種子小麦に多い。動物体内では腎臓などでグルタミン酸とアンモニアから合成される

[補説] 「具留多味」とも書く。


D‐グルタミン

分子式C5H10N2O3
その他の名称(-)-グルタミン、D-Glutamine、(-)-Glutamine、(-)-D-Glutamine
体系名:(R)-2-アミノ-4-カルバモイルブタン酸、(-)-D-グルタミン、D-グルタミン


グルタミン

分子式C5H10N2O3
その他の名称レボグルタミド、(+)-グルタミン、L-Glutamine、(+)-Glutamine、Levoglutamide、(+)-L-Glutamine、γ-グルタミン、スチムリナ、セブロゲン、グルミン、Glumin、Cebrogen、Stimulina、γ-Glutamine、(+)-L-Glutamic amide、l-グルタミン、Glutamine、(S)-2-Amino-4-carbamoylbutanoic acid
体系名:L-Gln-OH、グルタミン、(S)-2-アミノ-4-カルバモイルブタン酸、(+)-L-グルタミン、L-グルタミン


グルタミン

英訳・(英)同義/類義語:Gln, glutamine

アミノ酸一種。グルタミン酸のアミド型

グルタミン

Glutamine, Gln, Q

側鎖アミド結合を持つ非必須アミノ酸。αケトグルタル酸からグルタミン酸を経て生合成される。

体に豊富に存在している非必須アミノ酸で、多く代謝反応に関わっている。グルタミン酸とアンモニアから生合成される。そのため、もっとも重要な窒素源の運び役である。また、多く細胞重要なエネルギー源として用いられる

Name Glutamine1)
MeSH 68005973
Molecular Formula C5H10N2O3
CAS No.56-85-9
Molecular Weight 146.14
m.p.185
pK1(25)2.17
pK2(25)9.13
グルタミン

<jmol gln.pdb.gz 150 150></jmol>

CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported


グルタミン


グルタミン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 09:51 UTC 版)

L-グルタミン
識別情報
略称 Gln, Q
CAS登録番号 56-85-9 
PubChem 738
ChemSpider 718 
UNII 0RH81L854J 
EC番号 200-292-1
KEGG C00303 
C00064 (L体)
ChEMBL CHEMBL165351 
723
特性[1]
化学式 C5H10N2O3
モル質量 146.14 g mol−1
融点

185–186 °C(分解)

への溶解度 可溶
比旋光度 [α]D +6.5° (H2O, c = 2)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

グルタミン (glutamine) はアミノ酸の一種で、2-アミノ-4-カルバモイル酪酸(2-アミノ-4-カルバモイルブタン酸)のこと。側鎖にアミドを有し、グルタミン酸ヒドロキシ基アミノ基に置き換えた構造を持つ。酸加水分解によりグルタミン酸となる。略号は Gln あるいは Q で、2-アミノグルタルアミド酸とも呼ばれる。グルタミンとグルタミン酸の両方を示す3文字略号は Glx、1文字略号は Z である[2]。動物では細胞外液に多い。

極性無電荷側鎖アミノ酸、中性極性側鎖アミノ酸に分類される。蛋白質構成アミノ酸のひとつ。非必須アミノ酸だが、代謝性ストレスなど異化機能の亢進により、体内での生合成量では不足する場合もあり、準必須アミノ酸として扱われる場合もある。

1870年頃にエルンスト・シュルツ英語版が発見した。

生化学

RNAコドン CAA および CAG によってコードされる。窒素代謝においても重要であり、窒素固定で生成したアンモニアはグルタミン酸をグルタミンに変換することによって有機化合物として同化される。この変換を行う酵素はグルタミンシンターゼと呼ばれる。グルタミンは多くの化合物の生合成において窒素源として用いられ、これにはプリンピリミジンなどの核酸塩基も含まれる。

生合成

グルタミン酸よりグルタミンシンテターゼ(グルタミン酸アンモニアリガーゼ、EC 6.3.1.2)の作用により合成される。

栄養学

利用

運動やトレーニングの後にはグルタミンを補給することが推奨されているが、これはグルタミンが運動後の免疫抑制を軽減したり、グリコーゲンの回復を促進する効果が報告されているためである[3]

消化機能の補助

いくつかの研究によってグルタミンの機能と効果が明らかにされており、グルタミンを添加した食事との機能、すなわち腸管の防御機能、腸細胞の増殖および分化敗血症への感染率の減少を関連付ける証拠が提出されている。このような「洗浄」効果は腸がグルタミンを他のアミノ酸より速く吸収することに由来すると考えられており、内臓の状態を整えたい時にグルタミンを用いるのが良いとされる理由となっている[4]

これらの効果はグルタミンを添加したものとしていない食事をとった後の血漿濃度を比較した結果から発見された。しかし、グルタミンは「洗浄」作用・効果を持つと考えられてはいるが、様々な食品中に異なる濃度で含まれるため、臨床での効果がどの程度得られるかは不明である[4]

手術後の回復補助

グルタミンには外科手術後の傷の回復期間を短縮する効果があることも知られている。腹腔部を手術した際、患者にグルタミンを含む高カロリー輸液を行うと入院の期間が短縮される。 臨床試験によって、グルタミンの投与を含む療法で処置を行うと窒素バランスが向上し、投与を行わなかった場合に比べ、顆粒球におけるシステイニルロイコトリエンの生成やリンパ球の回復、腸の透過率に向上が見られること、また副作用が無いことが明らかにされている[5]

安全性

グルタミン製剤はアメリカ食品医薬品局 (FDA)による胎児危険度分類でカテゴリCに分類されている。これは動物実験において胎児への有害性が確認されているもののヒトに対する十分な研究がなされていない物質に対する分類であり、グルタミン製剤の妊婦もしくは授乳期の女性への投与は安全性が確立されておらず有益性が危険性を上回っていると医師が判断した場合にのみ行われる[6][7]

出典

  1. ^ Weast, Robert C., ed. (1981), CRC Handbook of Chemistry and Physics (62nd ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, p. C-311, ISBN 0-8493-0462-8 .
  2. ^ 牛場大蔵監修 著、橋本信也ほか編集 編『最新医学略語辞典』(第2版)中央法規出版、1993年12月20日、p.439頁。 ISBN 4-8058-1149-8 
  3. ^ 鈴木良雄「スポーツにおけるアミノ酸の使用法とその効果」『順天堂医学』第57巻第2号、2011年、95-99頁、doi:10.14789/pjmj.57.95 
  4. ^ a b Boza, J. J.; Dangin, M.; Moennoz, D.; Montigon, F.; Vuichoud, J.; Jarret, A.; Pouteau, E.; Gremaud, G.; Oguey-Araymon, S.; Courtois, D.; Woupeyi, A.; Finot, P. A.; Ballevre, O. (2001). "Free and protein-bound glutamine have identical splanchnic extraction in healthy human volunteers". Am. J. Physiol. Gastrointest Liver Physiol. 281(1): G267-74. PMID 11408280, doi:10.1152/ajpgi.2001.281.1.G267
  5. ^ Morlion, B. J.; Stehle, P.; Wachtler, P.; Siedhoff, H. P.; Koller, M.; Konig, W.; Furst, P.; Puchstein, C. (1998). "Total parenteral nutrition with glutamine dipeptide after major abdominal surgery". Ann. Surg. 227(2): 302-308. PMID 9488531
  6. ^ FDA Pregnancy Categories”. アメリカ合衆国保健福祉省. 2018年11月7日閲覧。
  7. ^ Glutamine, What is glutamine?”. Drugs.com. 2018年11月7日閲覧。

関連項目

外部リンク


「グルタミン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「(-)-グルタミン」の関連用語

(-)-グルタミンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



(-)-グルタミンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
JabionJabion
Copyright (C) 2025 NII,NIG,TUS. All Rights Reserved.
Bio WikiBio Wiki
Bio Wikiの記事を複製・再配布した「分子生物学用語集」の内容は、特に明示されていない限り、次のライセンスに従います:
CC Attribution-Noncommercial-Share Alike 3.0 Unported
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのグルタミン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS