ジェームズ・ボンド 映画

ジェームズ・ボンド

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映画

ジェームズ・ボンド映画
James Bond films
原作 イアン・フレミング
製作 ハリー・サルツマン1359
アルバート・R・ブロッコリ13516
ケヴィン・マクローリー4
マイケル・G・ウィルソン14–)
バーバラ・ブロッコリ17–)
製作総指揮 ハリー・サルツマン4
アルバート・R・ブロッコリ4
マイケル・G・ウィルソン1113
トム・ペブスナー17
アンソニー・ウェイ2022
カラム・マクドゥガル2124
クリス・ブリガム25
音楽 モンティ・ノーマン1
ジョン・バリー279111315
ジョージ・マーティン8
マーヴィン・ハムリッシュ10
ビル・コンティ12
マイケル・ケイメン16
エリック・セラ17
デヴィッド・アーノルド1822
トーマス・ニューマン23-24
ハンス・ジマー25
製作会社
配給
アメリカ合衆国
イギリス 日本
公開 1962年–
製作国 イギリス
アメリカ合衆国
フランス11
 チェコ21
ドイツ21
言語 英語
製作費 合計(24作):
$1,400,000,000
興行収入 合計(24作):
$6,838,530,927
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1954年に『カジノ・ロワイヤル』が短編テレビドラマ化された(主演:バリー・ネルソン)が、1950年代を通じてそれ以外の映像化の例は確認されていない。このドラマで敵役ル・シッフルを演じたのは、『M』、『暗殺者の家英語版』、『マルタの鷹』などの映画で知られる名優ピーター・ローレだった。その後、2人のプロデューサーがジェームス・ボンドに関心を抱いたことで本格的な映画化が始まった。

なお、各作品作成時の国際情勢・各国国内情勢が各作品に多かれ少なかれ影響されてはいるが、各作品は娯楽作品に徹し、敵役は実在の国家政府・犯罪組織・企業などとはかけ離れた存在の設定が多い。

また、冷戦時代の作品でも、ソ連政府それ自体を主敵とした作品は少ない。例として、1983年の作品ではソ連政府の急進派政治家を敵の一つとする、あるいは1960年代の『ロシアより愛をこめて』ではソ連も敵だが二次的な敵であり、いずれも「主敵」ではない。ただし、1995年の作品では、冒頭での任務はソ連の神経ガス工場の破壊任務であったが、これはむしろ冷戦終結後の時代との対比のための設定と見るべきである。逆に1970年代の作品ではKGB幹部と共闘したり、ソ連スパイと協力して敵を倒した作品も存在する。冷戦時代、各作品でのソ連などの共産圏の扱いは、「雪解けのバロメーター」とさえされた。

日本では邦題から「007シリーズ」として知られる[3][4]

作品

イーオン・プロダクションズ作品
タイトル 公開日 主演 監督 脚本
01作 007は殺しの番号
(007/ドクター・ノオ)
Dr. No
1962年10月5日
1963年5月8日
1963年6月1日
ショーン・コネリー テレンス・ヤング リチャード・メイボーム
ジョアンナ・ハーウッド
バークレー・マーサー
02作 007/危機一発
(007/ロシアより愛をこめて)
From Russia with Love
1963年10月10日
1964年4月8日
1964年4月25日
リチャード・メイボーム
ジョアンナ・ハーウッド
03作 007/ゴールドフィンガー
Goldfinger
1964年9月17日
1964年12月22日
1965年4月1日
ガイ・ハミルトン リチャード・メイボーム
ポール・デーン
04作 007/サンダーボール作戦
Thunderball
1965年12月11日
1965年12月21日
1965年12月29日
テレンス・ヤング リチャード・メイボーム
ジョン・ホプキンス
05作 007 ハニト/007は二度死ぬ
You Only Live Twice
1967年6月13日
1967年6月17日
ルイス・ギルバート ロアルド・ダール
06作 シヨウ/女王陛下の007
On Her Majesty's Secret Service
1969年12月19日
1969年12月27日
ジョージ・レーゼンビー ピーター・ハント リチャード・メイボーム
07作 007/ダイヤモンドは永遠に
Diamonds Are Forever
1971年12月17日
1971年12月25日
1971年12月30日
ショーン・コネリー ガイ・ハミルトン リチャード・メイボーム
トム・マンキーウィッツ
08作 007 シヌノ/007/死ぬのは奴らだ
Live and Let Die
1973年6月27日
1973年7月5日
1973年7月28日
ロジャー・ムーア トム・マンキーウィッツ
09作 007 オウコ/007/黄金銃を持つ男
The Man with the Golden Gun
1974年12月19日
1974年12月21日
リチャード・メイボーム
トム・マンキーウィッツ
第10作 007 ワタシ/007/私を愛したスパイ
The Spy Who Loved Me
1977年7月7日
1977年7月13日
1977年12月24日
ルイス・ギルバート リチャード・メイボーム
クリストファー・ウッド
第11作 007/ムーンレイカー
Moonraker
1979年6月26日
1979年6月29日
1979年12月8日
クリストファー・ウッド
第12作 007/ユア・アイズ・オンリー
For Your Eyes Only
1981年6月24日
1981年6月26日
1981年7月11日
ジョン・グレン リチャード・メイボーム
マイケル・G・ウィルソン
第13作 007/オクトパシー
Octopussy
1983年6月6日
1983年6月13日
1983年7月2日
ジョージ・マクドナルド・フレザー
リチャード・メイボーム
マイケル・G・ウィルソン
第14作 007 ウツク/007/美しき獲物たち
A View To A Kill
1985年5月27日
1985年6月13日
1985年7月6日
リチャード・メイボーム
マイケル・G・ウィルソン
第15作 007/リビング・デイライツ
The Living Daylights
1987年6月27日
1987年7月31日
1987年12月19日
ティモシー・ダルトン
第16作 007 ケサレ/007/消されたライセンス
Licence To Kill
1989年6月13日
1989年9月9日
第17作 ゴールデンアイ
GoldenEye
1995年11月17日
1995年11月24日
1995年12月16日
ピアース・ブロスナン マーティン・キャンベル ブルース・フィアスティン
ジェフリー・ケイン
第18作 トゥモロー・ネバー・ダイ
Tomorrow Never Dies
1997年12月12日
1997年12月16日
1998年3月14日
ロジャー・スポティスウッド ブルース・フィアスティン
第19作 007 ワアル/ワールド・イズ・ノット・イナフ
The World Is Not Enough
1999年11月19日
1999年11月21日
2000年2月5日
マイケル・アプテッド ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ブルース・フィアスティン
第20作 007 タイア/007/ダイ・アナザー・デイ
Die Another Day
2002年11月20日
2002年11月22日
2003年3月8日
リー・タマホリ ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
第21作 007/カジノ・ロワイヤル
Casino Royale
2006年11月16日
2006年11月17日
2006年12月1日
ダニエル・クレイグ マーティン・キャンベル ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ポール・ハギス
第22作 007 ナクサ/007/慰めの報酬
Quantum of Solace
2008年10月31日
2008年11月7日
2009年1月24日
マーク・フォースター ジョシュア・ゼトゥマー
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ポール・ハギス
第23作 007 スカイフォール
Skyfall
2012年10月23日
2012年11月7日
2012年12月1日
サム・メンデス ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ジョン・ローガン
第24作 007 スペクター
Spectre
2015年10月26日
2015年11月6日
2015年12月4日
ジョン・ローガン
ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
ジェズ・パターヴァス
第25作 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
No Time To Die
2021年9月30日
2021年10月1日
2021年10月8日
キャリー・ジョージ・フクナガ ニール・パーヴィス
ロバート・ウェイド
スコット・Z・バーンズ
フィーヴィー・ウォーリー=ブリッジ
キャリー・ジョージ・フクナガ
イーオン以外の作品
タイトル 公開日 主演 監督 脚本
007/カジノ・ロワイヤル
Casino Royale
1967年4月13日
1967年4月19日
1967年12月16日
デヴィッド・ニーヴン ジョン・ヒューストン
ケン・ヒューズ
ヴァル・ゲスト
ロバート・パリッシュ
ジョセフ・マクグラス
ウォルフ・マンキウィッツ
ジョン・ロウ
マイケル・セイヤーズ
ネバーセイ・ネバーアゲイン
Never Say Never Again
1983年10月7日
1983年12月10日
1983年12月15日
ショーン・コネリー アーヴィン・カーシュナー ロレンツォ・センプル・ジュニア

イーオン・プロダクションズ

1960年頃、フレミングの原作を読んだプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリは、「これは映画化に向いている」と感じ、フレミングの元へ行き交渉を求めた。しかし、フレミングは映像権を一足先にハリー・サルツマンに売り渡していた。一方のサルツマンは、映像権の有効期限内に出資先を見つけるべく奔走していたものの、金策に尽きていた状況だった。そこへ、ブロッコリが接触し、二人は手を組んでロンドンイーオン・プロダクションズ(以下イオン・プロ)を設立し、協力して007映画の制作に当たることになった。

プロダクションの設立後、サルツマンとブロッコリの二人はハリウッドの大手映画会社ユナイテッド・アーティスツ(以下UA)と契約を交わすべく渡米[注釈 6]ニューヨークでUAの社長であったアーサー・B・クリム英語版と面会し、映画化を打診した。当時UAの社長秘書でフレミングの原作の大ファンでもあったデヴィッド・V・ピッカー英語版の後押しも受け、UAの出資が決定した[注釈 7][5]。この際UAはイオン・プロに対し、全面的な融資を行うこと、そして、最低でも7本のボンド映画の製作・配給を行うという条件で契約を交わし、遂に007の映画化プロジェクトが本格的に始動した。

当初イオン・プロは、第1作目に『サンダーボール作戦』を映画化しようとしていたものの、UAは権利関係の問題や予算の都合を上げ、却下された。その結果SF色の強い『ドクター・ノオ』が選ばれた。監督に関しては、当初イオン・プロはアメリカ人監督を推していたものの、UAは、作品の内容から判断し、イギリス人監督を推奨。その後、職人肌で、戦時中は諜報活動に従事していたテレンス・ヤングを監督に当てて、ボンド映画第1作目『007/ドクター・ノオ』が映画化された(1962年公開。邦題は『007は殺しの番号』)。この映画は100万ドルという低予算作品ながらも、興行収入は5900万ドルと予想以上の大ヒットとなった。主役のショーン・コネリーはこの1作で成功、ボンドは彼の当たり役となった。モンティ・ノーマン作曲、ジョン・バリー編曲、演奏の「ジェームズ・ボンドのテーマ」も大好評で、以後の作品のオープニングで、ボンドを狙う銃口が逆に撃たれて血を流すシーン(ガンバレル・シークエンス)と共に必ず流されるようになった。

この作品のヒットに影響され、1960年代中期には「007もどき」のB級スパイ映画が世界各国で濫造されたが、一つとして007を超える成功を収めたものはなかった。

『ドクター・ノオ』以後、イオン・プロによって制作される007映画は、主演俳優を幾度か変えつつも、現在に至るまで人気シリーズとして存続している。

1970年代初期以降の作品は、フレミングの小説から題名のみを借りたシナリオライターによるオリジナルストーリーで、原作とほとんど無関係となっている。その内容は、派手な設定とグラマラスな美女、大物俳優のゲスト出演をセットとした、エンターテインメントの王道とも言うべきもので、設定は全般に様式的なものとなっている。1990年代の作品からは映画オリジナル作品が主流となり、2008年公開の『慰めの報酬』でフレミングの小説は完全に枯渇している。

ブロッコリとサルツマンの反目

アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンは、1970年代初期まで共同プロデューサーを務めていたが、ブロッコリの娯楽路線に、原作派で文芸趣味のあるサルツマンは次第に反発するようになる。レン・デイトンが007へのアンチテーゼとして執筆した難解なスパイ小説『イプクレス・ファイル』をマイケル・ケイン主演で『国際諜報局』(1965年、シドニー・J・フューリー監督)として映画化させたのは、他ならぬサルツマンだった。

サルツマンの意見を元に製作され、リアリティやロマンチシズムへの傾倒があった『女王陛下の007』の興行成績が芳しくなかった一方、続いてブロッコリの意見を元に製作された荒唐無稽で派手なストーリーの『ダイヤモンドは永遠に』の興行成績が良かったことから、ブロッコリが主導権を握るようになった。

結局、1975年にサルツマンはイオン・プロから離脱。それ以降、イオン・プロとその親会社であるダンジャックはアルバート・ブロッコリとその一族が支配することになる。因みに、サルツマンの持株はブロッコリに無断でUAへと売却され、UAはイオン・プロの大株主となった。しかし、そのUAも『天国の門』(1980年、マイケル・チミノ監督)の大失敗により経営危機に陥り、1981年にメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(以下MGM)に吸収合併された。その為、13作目『オクトパシー』からはMGMも製作に加わり、それに伴い北米以外での配給は新たにユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ(UIP)が担当することになった。

『カジノ・ロワイヤル』

小説のシリーズ第1作『カジノ・ロワイヤル』と第3作『ムーンレイカー』[注釈 8]だけは、権利関係の錯綜からイオン・プロは権利を押さえることができなかった。

この作品はコロンビア ピクチャーズが制作権を得て、ジョン・ヒューストンら5人の監督によって共同で映画化された(1967年公開『007/カジノ・ロワイヤル』)。実際にはさらに多数の監督が関わっているとも言われ、製作過程は混乱の上の混乱を極めた。デヴィッド・ニーヴンピーター・セラーズら実力派の名優を総動員しながら、結果としては原作から別次元に乖離した奇想天外なドタバタパロディ作品として作られており、最初から最後までギャグとジョークと人を食った展開が連発されるナンセンスものの怪作である。

現在では、1960年代中期のポップ・カルチャーの影響を色濃く残すユニークな映画としてカルト的評価を受けており、のちのヒット映画『オースティン・パワーズ』シリーズにも強い影響を与えている。本来の映画007シリーズとは異なった層の評価の高い作品である。

『ネバーセイ・ネバーアゲイン』

1982年に、007映画から離れていたショーン・コネリー主演、ワーナー・ブラザース提供で『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(アーヴィン・カーシュナー監督)が制作された。タイトルは、コネリーの妻が再び007のオファーを受け、迷っていた夫に言った言葉「もうやらないなんて、そんなこと言わないで(ネバーセイ・ネバーアゲイン)もう一度おやりなさいな」からつけられた。

これは1961年にフレミングが書いた『サンダーボール作戦』(1965年にイオン・プロのシリーズ第4作としてテレンス・ヤング監督、コネリー主演で映画化)の、イオン・プロから離れた形での再映画化である。この作品も権利関係の混乱による産物であり、以後、イオン・プロ以外で007映画は制作されていない(上記のような理由から、007映画にはおなじみのオープニングテーマと、オープニングでボンドを狙う銃口から逆に撃たれて血を流すシーン(ガンバレル・シークエンス)は使用されていない[注釈 9]。)。

1999年に『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のプロデューサーとソニー・ピクチャーズが組んで、イオン・プロとは無関係の新007シリーズを製作すると発表した。ダンジャックとMGMはこれに反発し、事態は法廷闘争に持ちこまれた。最終的にMGMは所有していた『スパイダーマン』の権利を手放す代わりに、ソニー・ピクチャーズが所有していた『カジノロワイヤル』、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の諸権利を所有する事で両者は和解に至り、ソニー・ピクチャーズは新007の製作を断念した。ところが2005年、経営難に陥ったMGMをソニーを始めとする投資家グループ(コンソーシアム)が買収した。これによりソニー・ピクチャーズは本家「007」映画に携わる権利を得ることとなった。

メイン・タイトル

映画シリーズはタイトル・デザインの面白さでも知られる。タイポグラフィ(字体)が変幻自在なソール・バスカイル・クーパーとは異なる独自のスタイルが今日まで一貫している。

第1作『ドクター・ノオ』ではスタンリー・ドーネン作品で知られていたモーリス・ビンダーを招聘した幾何学パターンを用いたアニメーション作品。第2 - 3作ではロバート・ブラウンジョン英語版が女性の身体に文字や作品のワンシーンが投射されるという奇抜な映像を提供し、女性をモチーフにしたスタイルが確立された(ブラウンジョンはタイトル・デザイナーとしては寡作で、007シリーズ2作の他には『スパイがいっぱい英語版』(1965年)と『将軍たちの夜』(1967年)があるだけである)。

第4作『サンダーボール作戦』からはビンダーが再び担当し、女性のシルエットを多用したスタイルが続くが、1991年にビンダーが亡くなり、『ゴールデンアイ』以降はビンダーの助手で1980年代からマドンナヴァン・ヘイレンのミュージック・ビデオを多数手がけているダニエル・クラインマン英語版が、デジタル合成を駆使しつつビンダー/ブラウンジョンのスタイルを受け継いだ。

音楽

イオン・プロの007シリーズは、モンティ・ノーマン英語版作曲による「ジェームズ・ボンドのテーマ」と、初期〜中期の音楽監督ジョン・バリーのオーケストレーションが、007サウンドの基本スタイルを作り上げた。(わずかな例外を除けば)メインタイトルバックには、ボーカル入りのテーマ曲がかかるのが通例になっており、時代ごとの一流ミュージシャン・歌手が参加。映画と共にテーマ曲もヒットした。『トゥモロー・ネバー・ダイ』から『慰めの報酬』まで音楽を手がけていたデヴィッド・アーノルドは、元々007映画の大ファンで、歴代テーマ曲のカヴァー・アルバム『Shaken And Stirred』を発表したことが起用のきっかけになった。

メインテーマ

映画名 曲名 歌手(バンド) 備考
007/ドクター・ノオ ジェームズ・ボンドのテーマ
"James Bond Theme"
インストゥルメンタル クレジットタイトルの後半に短いが歌の有る「キングストン・カリプソ」("Kingston Calypso")が流れる
007/ロシアより愛をこめて ロシアより愛をこめて
"From Russia With Love"
インストゥルメンタル エンディングにマット・モンローのヴォーカルによる「ロシアより愛をこめて」("From Russia With Love")が流れる
007/ゴールドフィンガー ゴールドフィンガー
"Goldfinger"
シャーリー・バッシー
007/サンダーボール作戦 サンダーボール
"Thunderball"
トム・ジョーンズ 主題歌候補としてジョニー・キャッシュが「サンダーボール作戦」を歌っているが選考で敗れた[6]
007は二度死ぬ 007は二度死ぬ
"You Only Live Twice"
ナンシー・シナトラ
女王陛下の007 女王陛下の007
"On Her Majesty's Secret Service"
インストゥルメンタル 挿入歌は、ルイ・アームストロングの「愛はすべてを超えて」("We Have All the Time in the World")
007/ダイヤモンドは永遠に ダイアモンドは永遠に
"Diamonds are Forever"
シャーリー・バッシー
007/死ぬのは奴らだ 007 死ぬのは奴らだ
"Live and Let Die"
ポール・マッカートニー
(ポール・マッカートニー&ウイングス
初の全米・全英両方のチャートでトップ10入りした楽曲
007/黄金銃を持つ男 黄金銃を持つ男
"The Man With the Golden Gun"
ルル 主題歌候補としてアリス・クーパーが「黄金銃を持つ男」を歌っているが、選考で敗れた[7]
007/私を愛したスパイ 私を愛したスパイ
"Nobody Does It Better"
カーリー・サイモン ボンド本人に関する初めてのテーマ曲
007/ムーンレイカー ムーンレイカー
"Moonraker"
シャーリー・バッシー
007/ユア・アイズ・オンリー ユア・アイズ・オンリー
"For Your Eyes Only"
シーナ・イーストン オープニング・タイトルに歌手本人が登場
主題歌候補として「For Your Eyes Only」は他にブロンディ(詞も曲も異なる)が歌っているが[8]、最終選考でイーストンに敗れた。
007/オクトパシー オール・タイム・ハイ
"All Time High"
リタ・クーリッジ 歌詞のどこにも作品名がない
007/美しき獲物たち 美しき獲物たち
"A View to a Kill"
サイモン・ル・ボン
デュラン・デュラン
全米1位を記録
007/リビング・デイライツ リビング・デイライツ
"The Living Daylights"
a-ha 当初は「ペット・ショップ・ボーイズ」が唄う"This Must Be the Place I Waited Years to Leave"の予定だったが、歌詞の内容が宗教色が濃いという問題で不採用になった。
ジョン・バリーとの対立により二つのバージョンが存在する。
007/消されたライセンス 消されたライセンス (曲)
"Licence to Kill"
グラディス・ナイト
ゴールデンアイ ゴールデンアイ
"Goldeneye"
ティナ・ターナー 主題歌候補としてエイス・オブ・ベイスが「ゴールデンアイ」を歌っているが選考で敗れた[9]
トゥモロー・ネバー・ダイ トゥモロー・ネヴァー・ダイ
"Tomorrow Never Dies"
シェリル・クロウ 主題歌候補としてパルプ (バンド)が「トゥモロー・ネバー・ライ」を歌っているが選考で敗れた[10]
ワールド・イズ・ノット・イナフ ワールド・イズ・ノット・イナフ
"The World is Not Enough"
ガービッジ 日本語版のエンディングにLUNA SEAの(Sweetest Coma Againが)流れる
007/ダイ・アナザー・デイ ダイ・アナザー・デイ
"Die Another Day"
マドンナ テーマ曲を歌った歌手が作品に役者として登場
007/カジノ・ロワイヤル ユー・ノー・マイ・ネーム
"You Know My Name"
クリス・コーネル 歌詞のどこにも作品名がない
a-ha 以来、19年ぶりの男性ボーカルの主題歌
007/慰めの報酬 アナザー・ウェイ・トゥ・ダイ
"Another Way to Die"
ジャック・ホワイト
アリシア・キーズ
007シリーズ史上初のデュエット
007 スカイフォール スカイフォール
"Skyfall"
アデル

第85回アカデミー賞歌曲賞受賞
主題歌候補としてミューズ (バンド)が「スプレマシー」を歌っているが選考で敗れた[11]

007 スペクター ライティングズ・オン・ザ・ウォール
"Writing's On The Wall"
サム・スミス 第88回アカデミー賞、歌曲賞受賞
主題歌候補としてレディオヘッドが「スペクター」を歌っているが選考で敗れた[12]
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ ノー・タイム・トゥ・ダイ
"No Time To Die"
ビリー・アイリッシュ 第94回アカデミー賞、歌曲賞受賞
007シリーズ史上最年少で主題歌を担当

メインテーマ曲を最も多く歌っているのは、シャーリー・バッシー。『ゴールドフィンガー』、『ダイヤモンドは永遠に』、『ムーンレイカー』の3回。

第1作『ドクター・ノオ』のオープニング曲は「ジェームズ・ボンドのテーマ」で、ヴォーカルのメインテーマはない(クレジットタイトルの後半には歌のある「キングストン・カリプソ」と、劇中にも挿入歌「マンゴの木の下で」が流れる)。

第6作『女王陛下の007』もメイン・テーマはインストゥルメンタル曲だが、ルイ・アームストロングが歌った挿入歌「愛はすべてを超えて」("We Have All the Time in the World")が劇中に流れる。なお、『女王陛下の007』のセルVHSでは特典として"We Have All the Time in the World"がエンドクレジット後に流れるバージョンのものが一時期販売されていたが、現在流通されているDVD版には収録されていない。

イオン・プロ以外の007映画の音楽

1967年のパロディ版『007/カジノロワイヤル』は全編の作曲・編曲がバート・バカラック、演奏がハーブ・アルパートとティファナ・ブラスという組み合わせであった。ダスティ・スプリングフィールドが歌った挿入歌「恋の面影」("The Look of Love")は、本家イオン・プロのナンバー以上にスタンダードとして愛されている。

『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の映画音楽は、映画音楽界の大御所ミシェル・ルグランが担当、主題歌はラニ・ホール英語版が歌う Never Say Never Again で、本家に勝るとも劣らない豪華なものである。ただし、この映画公開当時は、サウンドトラックのアルバムが存在せず、映画音楽紹介番組では映画からの同録がそのまま放送されていた。

不採用になった007映画の音楽

  • 『007/サンダーボール作戦』には、制作されたが実際に使われなかった主題歌「Mr Kiss Kiss Bang Bang」 Shirley Basseyが存在する[13][注釈 10]。シャーリー・バッシーは他に、デヴィッド・アーノルド作曲でドン・ブラック作詞の「Quantum of Solace」(No Good About Goodbye)も録音している。
  • 1981年、Blondieが『007 ユア・アイズ・オンリー』の主題歌候補として「For Your Eyes Only」(詞も曲も異なる)を歌うが、最終選考でシーナ・イーストンに敗れた[14]。ただし、曲はBlondieのアルバムにも収録され、発売されている。
  • 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』にもフィリス・ハイマン英語版による「Never Say Never Again」があり、歌詞の中にタイトルが歌われている。

主演俳優一覧

俳優名 生年月日 初主演作 最終主演作 主演
本数
タイトル 公開年 年齢 タイトル 公開年 年齢
ショーン・コネリー 1930年8月25日 007は殺しの番号 1962年 32歳 ネバーセイ・ネバーアゲイン 1983年 53歳 7作品[注釈 11]
ジョージ・レーゼンビー 1939年9月5日 女王陛下の007 1969年 30歳 女王陛下の007 1969年 30歳 1作品
ロジャー・ムーア 1927年10月14日 007/死ぬのは奴らだ 1973年 46歳 007/美しき獲物たち 1985年 58歳 7作品
ティモシー・ダルトン 1946年3月21日 007/リビング・デイライツ 1987年 41歳 007/消されたライセンス 1989年 43歳 2作品
ピアース・ブロスナン 1953年5月16日 ゴールデンアイ 1995年 42歳 007/ダイ・アナザー・デイ 2002年 49歳 4作品
ダニエル・クレイグ 1968年3月2日 007/カジノ・ロワイヤル 2006年 38歳 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 2021年 52歳 5作品

吹き替え声優

ボンド 俳優 声優 バージョン 担当作品
初代 ショーン・コネリー 若山弦蔵 ソフト版 全作品
TBS ゴールドフィンガー』と
ネバーセイ・ネバーアゲイン』を除く全作
日本テレビ 『ゴールドフィンガー』
フジテレビ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』
機内版
日高晤郎 NETテレビ 『ゴールドフィンガー』
TBS版 ロシアより愛をこめて
内海賢二 ダイヤモンドは永遠に
2代目 ジョージ・レーゼンビー 小杉十郎太 ソフト版 全作品
広川太一郎 TBS版
3代目 ロジャー・ムーア ソフト版
TBS版
羽佐間道夫 機内版 オクトパシー
4代目 ティモシー・ダルトン 大塚芳忠 DVD/BD 全作品
田中秀幸 VHS 消されたライセンス
小川真司 TBS版 全作品
鈴置洋孝 テレビ朝日 リビング・デイライツ
山寺宏一 『消されたライセンス』
津嘉山正種 機内版 『リビング・デイライツ』
谷口節 『消されたライセンス』
5代目 ピアース・ブロスナン 神谷明 ソフト版 ゴールデンアイ
トゥモロー・ネバー・ダイ
横島亘 ワールド・イズ・ノット・イナフ
ダイ・アナザー・デイ
田中秀幸 テレビ朝日版 全作品
江原正士 フジテレビ版 『トゥモロー・ネバー・ダイ』
堀内賢雄 ビデオゲーム版 ナイトファイア
エブリシング オア ナッシング
6代目 ダニエル・クレイグ 小杉十郎太 ソフト版 カジノ・ロワイヤル
慰めの報酬
藤真秀 スカイフォール
スペクター
テレビ朝日版 『カジノ・ロワイヤル』
キングレコード 『慰めの報酬』
BSジャパン

注釈

  1. ^ この設定は初代ボンド俳優ショーン・コネリーの出自に基づく原作最後期に付けられたいわゆる、後付けのもの
  2. ^ 英語圏では、慣用的に、電話番号などの「0(零)」をアルファベットの「O(オー)」で読み替えることがある。また、同じ数字やアルファベットが連続する場合には、「ダブル…」や「トリプル…」といった形容詞をつけて読み替えることがある。
  3. ^ ただし、日本では近年「ダブル・オー・セブン」が多く使われる傾向にある。また、淀川長治水野晴郎は「ゼロ・ゼロ・ナナ」、「ゼロ・ゼロ・ナナ号」と読む場合もあった(『日曜洋画劇場』、『水曜ロードショー』など)。その一方、荻昌弘は当時から一貫して「ダブル・オー・セブン」と読んでいた(『月曜ロードショー』)。
  4. ^ 実際には007を愛読していたのはケネディ夫人のジャクリーンだったとも言われている
  5. ^ ジョン・ガードナーとアンソニー・ホロヴィツは、「モリアーティ教授もの」と「007シリーズ」の双方で続編を書いた作家となった。
  6. ^ 当初はブロッコリと関係が良好だったコロンビア ピクチャーズと契約する予定であったがコロンビア側は映画化には興味を示さなかった。
  7. ^ ピッカー自身もボンドシリーズの映像権取得に動いていたが、タイミングが会わず、結局サルツマンが取得することになった。
  8. ^ 『ムーンレイカー』に関しては俳優のジョン・ペインが所有していたが、その後権利を買いとることが出来たため、1979年に映画化している。
  9. ^ しかし、『木曜洋画劇場』で放送された際の予告CMではアレンジ版ながらも「ジェームズ・ボンドのテーマ」が使用された。
  10. ^ 映画サウンドトラック盤『007/サンダーボール作戦』にはインストルメンタル曲が収録されている。
  11. ^ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』を含む。
  12. ^ アストンマーティンDBSの実際の落札価格は389,377ドル(約3058万円)となった。
  13. ^ James Bond Jr.にもシリーズを通してのレギュラー悪役として登場する。
  14. ^ 映画は『ユア・アイズ・オンリー』
  15. ^ 映画は『消されたライセンス』
  16. ^ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではマクシミリアン・ラルゴ(スペクターNO.1)
  17. ^ 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではブロフェルド(スペクターNO.2=首領)

出典

  1. ^ 『007』が日本のマンガ・アニメに与えたとてつもない影響 ~007は男子のディズニーランド~ https://www.banger.jp/movie/41447/ 
  2. ^ 「007 逆襲のトリガー」 (角川書店)帯カバー、解説など
  3. ^ 007シリーズ最新作 世界配給がソニー・ピクチャーズに決定! | ソニー・ピクチャーズ公式”. www.sonypictures.jp. 2021年8月10日閲覧。
  4. ^ 007シリーズ【吹替】”. BS-TBS. 2021年8月10日閲覧。
  5. ^ デヴィッド・ピッカーさん死去 ユナイト元社長
  6. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(2)
  7. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(3)
  8. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(4)
  9. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(6)
  10. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(7)
  11. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(8)
  12. ^ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(9)
  13. ^ Wikipedia「Thunderball」の項目など
  14. ^ ブロンディ (バンド) - Wikipedia
  15. ^ 『007』60周年リバイバル上映、豪華ラインナップが発表 ─ 『ロシアより愛をこめて』『ゴールデンアイ』『スカイフォール』など10作”. 2023年10月8日閲覧。
  16. ^ Wikipedia(English)「James Bond (comics)」の項目
  17. ^ タクテクス』No.52 1988年3月号(ホビージャパン
  18. ^ 「Project 007」発表。ヒットマンシリーズのIO Interactiveがジェームズ・ボンドを主人公にした新作を開発” (2020年11月20日). 2021年10月11日閲覧。






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