万葉仮名 万葉仮名の概要

万葉仮名

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 04:39 UTC 版)

万葉仮名
類型: 音節文字
言語: 上代日本語
時期: 遅くとも7世紀中頃-平安時代
親の文字体系:
漢字
  • 万葉仮名
子の文字体系: 平仮名
片仮名
Unicode範囲: 漢字に含まれる。
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元暦校本『万葉集』、額田王の歌

万葉仮名は、漢字真名)を使った仮名の始まりとされ、真仮名(まがな)、真名仮名(まながな)とも言い、用法上は仮名の一種だが、字形としては漢字である[1]9世紀に入ると、この万葉仮名をもとに片仮名平仮名が考案され使われ始めた[2]


注釈

  1. ^ 大野晋「仮名文字・仮名文の創始」所収。この表は推古期遺文、古事記、日本書紀、万葉集の分で、小松茂美『かな その成立と変遷』(岩波新書、1968年)が「973」とカウントした。
  2. ^ 503年説や百済製説も有力。
  3. ^ 伊予道後温湯碑法隆寺金堂薬師如来像光背銘法隆寺金堂釈迦三尊像光背銘など。
  4. ^ 大阪市指定文化財[1]。前期難波宮(652年)より古い層から出土した。
  5. ^ 例:久羅下那州 多陀用弊流(くらげなす ただよへる)[4]
  6. ^ 例:夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐(やくもたつ いづもやへがき)[5]
  7. ^ 例:波魯波魯你 渠騰曽枳舉喩屢 之麻能野父播羅(はろはろに ことそきこゆる しまのやぶはら)[6]
  8. ^ 『古事記』は呉音のみを用いるのに対し、『日本書紀』は漢音も用いていることは既に本居宣長が『古事記伝』の総論[2]に指摘している[10]
  9. ^ ほとんどが韻尾の省略である。
  10. ^ 『万葉集』で多く用いられる。
  11. ^ 金・白は陰陽五行思想で秋に当たることから。
  12. ^ 例は非常に少ない。
  13. ^ 例:之努比鶴鴨(しのびつるかも)[14]
  14. ^ 例:馬聲蜂音石花蜘蟵荒鹿(いぶせくもあるか)[17]
  15. ^ 橋本は言及していないが、この他に3字が4音を表すもの…三五月(もちづき)、4字で2音を表すもの…三伏一向(つく)、一伏三向(ころ)、5字で2音を表すもの…山上復有山(いで)などがある。これらはほとんど戯書の類である。

出典

  1. ^ a b 国史大辞典 万葉仮名
  2. ^ 大辞林 片仮名
  3. ^ 沖森「万葉仮名」p318。
  4. ^ 上つ巻「天地初発」
  5. ^ 上つ巻「八雲立つ出雲」
  6. ^ 巻第24「皇極紀」
  7. ^ 『万葉集』巻17
  8. ^ 『万葉集』巻1
  9. ^ 大野晋「仮名文字・仮名文の創始」p12。
  10. ^ 森博達『日本書紀の謎を解く』p63。
  11. ^ 『日本語大事典』(朝倉書店、2014年)p1949。『国史大辞典 13』p248。
  12. ^ 『和歌大辞典』(明治書院、1986年)p923。『日本史大事典 6』(平凡社、1994年)p384。
  13. ^ 『日本史大事典』p1949。以下の用例は同書の他、『和歌大事典』、『万葉集ハンドブック』、『日本語大事典』より。
  14. ^ 『万葉集』巻16
  15. ^ 参考:万葉集の戯書[3]
  16. ^ 『日本文学大辞典 7』(新潮社、1951年)p13。用例は同書とは一致しない。
  17. ^ 『万葉集』巻12
  18. ^ コトバンク[4]


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