カステラ カステラの概要

カステラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 12:20 UTC 版)

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カステラ
種類 菓子
誕生時期 16世紀
提供時温度 常温
主な材料 小麦粉砂糖
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種類

ポルトガルから伝わった南蛮菓子を元に日本で独自に発展した和菓子である。ポルトガルには「カステラ」という名の菓子はなく、後述する原型とされる菓子も、カステラとは見た目も製法も異なる。日本におけるカステラは長崎が本場とされており、その「長崎カステラ」と呼ばれるものは、長崎県の銘菓という意味ではなく、製法が同じものを総称している。正方形または長方形の大きな型に流し込んで、オーブンで焼いた後にさお型に切る。水飴を用いているので、しっとりとした食感がある。牛乳抹茶黒糖チョコレートチーズなどを加えて味付けをする変種も多い。

この他に釜カステラ(東京式釜カステラ・東京カステラ)[1][2]、蒸しカステラ、カステラ饅頭、ロールカステラ、人形焼などがある。釜カステラは、「6面焼き」と呼ばれるものもあり、一つ一つの型に入れてオーブンで焼いたタイプで、水飴を用いないことからさっぱりとしており、カステラの原型に近いともいわれる。

カステラを応用した菓子としては、福島県会津若松市の会津葵、愛媛県タルト島根県の八雲小倉、長崎県平戸市カスドース、長崎県長崎市の桃カステラなどがある。長崎カステラを洋菓子化したものとして銀装のカステラがある。料理としては、岡山県(主に倉敷市)の鮮魚カステラや、伊達巻もカステラの調理方法を応用したものである。このほか、宮城県沖縄県の名物として「カステラかまぼこ」と呼ばれる焼きかまぼこがあるが、それぞれに料理法は異なる。

カステラをさお型に切り揃える際に、切り落とし(耳)が発生する。これを袋詰めしたり、ラップで包んだりして、本来の製品よりも割安で販売する場合も多い。材料は本来の製品と変わらず、むしろ砂糖が蜜のように集まったり、結晶化したりして、甘みを増している場合もあり、おやつなど贈答以外の用途に購入される。

語源

一般的にカステラの名前の由来は、イベリア半島に存在したカスティーリャ王国Castilla)のポルトガル語発音である「カステラ」(Castella)であるとされ、「ボロ・デ・カステラ」(Bolo de Castella、カスティーリャ王国の菓子の意)が「カステイラ」あるいは「カステラ」になったと言われている[3]1704年宝永元年)刊行の『長崎名物尋(ね)考』には、「カステイラという菓子は、本名カストルボルというを訛りていうなり」という記載があるという[4]

また、異説として、スペインやポルトガルでメレンゲを泡立てる際に「城(castelo)のように高くなれ」というかけ声をかけることから、カステロ=カステラとなったのではないかとする説もある[3][5]。ただし、卵白をメレンゲ状に撹拌する手法は日本にカステラが伝わった後に普及したものであり、カステラの語源とするのは妥当でないとする見解もある[6][注釈 1]

夏目漱石1907年明治40年)に発表した『虞美人草』で、西洋菓子について「チョコレートを塗った卵糖(カステラ)を口いっぱいに頬張る。」[8]と記して、「卵糖」という当て字を考案したが、この当て字は他に用例も少なく、また実際にはチョコレートケーキに使われているスポンジケーキを指していたと考えられる。


注釈

  1. ^ ただし、トローサ菓子博物館館長のホセ・ゴロチャテギは、1611年に出版されたマルティネス・モンティーニョ『料理、デザート、ビスコチョの作り方』の記載から、卵白をメレンゲ状に撹拌する手法が古くから存在していた可能性を指摘している[7]

出典

  1. ^ 『カステラの科学』2-1-11 東京式釜カステラ
  2. ^ 朝日新聞 2006年3月31日
  3. ^ a b c 『カステラ読本』福砂屋、2005年。
  4. ^ 「書籍、資料にみるカステラの変遷と広がり」『カステラ文化誌全書』平凡社、1995年。
  5. ^ 明坂英二『かすてら加寿底良』講談社、1991年。
  6. ^ 田尻陽一「スペインのカステラのルーツ、ビスコチョを訪ねて」『カステラ読本』
  7. ^ ホセ・ゴロチャテギ「ビスコチョの歴史」『カステラ文化誌全書』
  8. ^ 夏目漱石『虞美人草』』 - 国立国会図書館デジタルコレクション、p275、春陽堂、1913年。
  9. ^ 渡辺万里『スペインかすていら巡礼』松翁軒、1992年。
  10. ^ 岡美穂子「南蛮菓子の文化的背景」『南蛮貿易とカステラ』福砂屋、2016年。
  11. ^ 「ポルトガルのカステラのルーツ、パン・デ・ローを訪ねて」『カステラ読本』
  12. ^ 「カステラは洋菓子か、和菓子か」『カステラ文化誌全書』
  13. ^ 『長崎夜話草』』 - 国立国会図書館デジタルコレクション、p36
  14. ^ 「修道士のカステラ」『カステラ読本』
  15. ^ 東野利夫『南蛮医アルメイダ』柏書房、1993年。
  16. ^ 「長崎代官のカステラ」『カステラ読本』
  17. ^ 鈴木真一「江戸時代のカステラ」『カステラ読本』
  18. ^ 江後迪子「文献からみた長崎・九州のカステラ」『カステラ読本』
  19. ^ 『長崎夜話草』』 - 国立国会図書館デジタルコレクション、p87
  20. ^ 出井弘一『カステラの道』學藝書林、1987年7月15日、105-108頁。ISBN 4875170297
  21. ^ 仮屋園璋『カステラの科学』光琳、2004年。
  22. ^ 最新スイーツ!「台湾カステラ」ってどんなの?”. CBCラジオRadiChubu-ラジチューブ- (2020年7月30日). 2021年4月2日閲覧。


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