ばいかい‐しゃ【媒介者】
媒介者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/18 21:26 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動媒介者(ばいかいしゃ)とは、それ自身は病原体ではないが、病原体をある宿主から他の宿主へ運ぶことで感染症を媒介する生物のことである。ベクター(英語: Vector)ともいう。
媒介は、物理的な媒介と生物学的な媒介の2つのタイプに分けられる。物理的媒介者ではその体内で病原体は増殖せず、媒介者は吸血や接触などによりある宿主から別の宿主へ病原体を移動させるだけである。一方、生物学的な媒介者では体内で病原体が増殖し、または生活環の一部を営み(寄生虫の中間宿主はこれに当たる)、その後他の宿主へ運ばれる。
寄生動物・吸血動物あるいは咬害により媒介する動物が代表的であるが、直接的な接触によらず飲食物や水等を介して感染症を媒介するものもある。
病原体は媒介者に対し害を与える場合と、与えない場合がある。例えばペスト菌はネズミやヒトといった哺乳類に致死率の高い感染症であるペストを引き起こすのと同時に、媒介者であるノミの一種、ケオプスネズミノミの消化管を閉塞して餓死に至らせる。対照的に、マラリア原虫は媒介者(中間宿主)であるハマダラカに対し無害であるが、ヒトに対しては病原性である。狂犬病ウイルスはイヌに対しては致死的病原性を示すが、チスイコウモリには病原性はない。
代表的な例
- カ:マラリア、日本脳炎、デング熱、黄熱病など
- ツェツェバエ:眠り病(アフリカトリパノソーマ症)
- ダニ類:ライム病、ツツガムシ病など
- ネズミ:腎症候性出血熱、ペストなど
- ノミ:ペストなど
- シラミ:発疹チフスなど
- サシガメ:シャーガス病
- イヌ、コウモリなど多くの哺乳類:狂犬病
- ミヤイリガイ:日本住血吸虫症
関連項目
媒介者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 22:12 UTC 版)
なお、本症病原体は様々な動物に感染し得て、外来種ヒラコウラベッコウガイ(英語版)からは勝手に広東住血線虫が体外へ出て行く事も確認された。外来種アフリカマイマイに起因すると考えられる発症例の報告が日本国内(沖縄県等)にある。ある沖縄の農家の女性は目への感染により網膜剥離を罹患したが、食してはいないものの、日常的にアフリカマイマイを素手で叩き割って駆除していたと証言している。 ハワイ州でもこの大型カタツムリ(アフリカマイマイ)や幾つかの外来種が媒介者として注視され、特にヒラコウラベッコウガイが中間宿主として懸念される。後者は退化した殻を持つ「半ナメクジ」だが、木登りなどの行動が比較的旺盛で、かつ、果実やペットフードなど栄養価の高い餌にもよく引き寄せられる習性をもつ。沖縄当局の2004年調査でも、ヒラコウラベッコウガイが構造上、感染率も感染幼虫数も数値が(別の外来種アシヒダナメクジと比較して)高いことが判った。ハワイ州当局調査(2014年)でも、このヒラコウラベッコウガイの感染率が68%と最も高く、次いでアシヒダナメクジが30%という結果が出た。ハワイ州でみつかる陸棲巻貝の外来種の1/3弱、在来種2種についてこの線虫の宿主となりうることが同調査で確認されている。同調査で感染性が高順位だった外来種には、他にもマダラコウラナメクジ、ヤマヒタチオビ 等、日本の熱帯地等に移入され棲息する種が含まれる。 なおナメクジやカタツムリだけでなく水棲のいわゆるタニシ類からの感染も認められる。北京市では、2006年6月から9月にかけてスクミリンゴガイ(俗名:ジャンボタニシ;中国語: 福寿螺)を生・半生で食したために160例が感染、100例が入院となり、同市では取引禁止令を発令した。
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