人造人間とは? わかりやすく解説

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じんぞう‐にんげん〔ジンザウ‐〕【人造人間】

読み方:じんぞうにんげん

ロボット1のこと。


人造人間

作者平林初之輔

収載図書平林初之輔探偵小説選 1
出版社論創社
刊行年月2003.10
シリーズ名論創ミステリ叢書


人造人間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/22 21:08 UTC 版)

人型ロボット「アクトロイド

人造人間(じんぞうにんげん)は、人型ロボットなど人間を模した機械や人工生命体の総称。SFフィクション作品、漫画映画小説などで取り扱われることが多い。

語としての人造人間

日本国語大辞典に掲載されている「人造人間」の最も古い用例は、1923年(大正12年)に出版された『人造人間』(宇賀伊津緒訳、戯曲R.U.R.』)にある[1][2]

『R.U.R.』は「robot」(ロボット)の語を初めて使った物語であるが、宇賀は「robot」の訳語として「人造人間」を用いると共に邦題としても用いている。序文中では「私はこれ(ロボットという語)を勝手に「人造人間」と譯(訳)しました。」[2]と述べている。『人造人間』は翌1924年に築地小劇場において上演された[1]

『R.U.R.』のロボットは、生命と同じように振舞う人工的な原形質に基づいて脳・内臓・骨といった各器官が撹拌機で合成されており、まさに「人造人間」と呼ぶべき存在である。しかし、その後に一般に広まった「人造人間」、「ロボット」という語は、現実世界でもフィクションの世界でも徐々にそれが用いられる対象や範囲を変えているため、両者の関係は一様ではない。

日本国語大辞典デジタル大辞泉では「人造人間」を「ロボット」のと同義としているが[1]、現実世界では産業用ロボットペットロボットのように人を模していないものも「ロボット」と呼んでおり、それらは「人造の人間」というイメージからは逸脱する。ロングマン現代英英辞典では「人間型のロボット」の事をアンドロイドと呼んでいる[3]

一方、SF小説の世界ではエドモンド・ハミルトンの『キャプテン・フューチャー』(1940-1944年)以降[4]、肉体を持つ「アンドロイド」は機械の「ロボット」とは区別されるようになっており[4]、この用法に従えば、必ずしも「人造の人間」全てが「ロボット」なわけではない。

概念としての人造人間

ASIMO - 本田技研工業が開発した世界初の本格的な二足歩行ロボット

人造人間という語が広まる以前から「人造の人間」(自然な状態で生まれるのではなく、作り出されたもの)という概念は存在した。実在するものとしての「『R.U.R.』のロボット」のような人造人間は今のところ実現していないが、伝説上の存在や架空の存在としての「人造の人間」は古くから語られ、また作品として創作されている。それらの多くは大きく「人造人間」というカテゴリに分類されてはいるものの、個々の「人造の人間」の特徴や特性、呼び名は様々である。

伝説上の存在として、古くは、ギリシア神話タロースユダヤ伝説のゴーレムギルガメシュ叙事詩エンキドゥなどが挙げられ、日本でも鎌倉時代の説話集『撰集抄』巻五に、西行が故人恋しさに死人の骨を集めて復活させようとして失敗する話「高野山参詣事付骨にて人を造る事」がある他、絵巻物でも『長谷雄草紙』に、鬼が死体の良い部分を集めて絶世の美女を生み出す内容が見られる。SF関連作品に登場するものとしては、『フランケンシュタイン』の被造物フランケンシュタインの怪物)以降、多数の「人造の人間」が創作されている。

工学による人造人間

日本では1928年(昭和3年)に西村真琴學天則を製作している。造られたのは上半身のみだが、腕を動かして文字を書いたり表情を変えたりすることができた。21世紀初頭の現在までには、ホンダの開発したASIMO富士ソフトが開発したパルロなど人間の動きに近いもの(二足歩行など)、株式会社ココロ大阪大学が共同で開発したアクトロイドのように瞬きや呼吸といった人の挙動を模倣したものなど、それぞれの分野に特化した形で実現しており、さらに研究開発が続けられている。

人造人間の定義

ロボットの定義が明確に定め難いのと同様に、何をもって人造人間とするか、という明確な定義も事実上存在しない。フィクションにおいても、定義づけに関する対応は作品によって異なっている。

人造人間の問題点

人間との境界

フィクションにおいて、外見や行動がより人間に近い人造人間が登場する場合、人造人間と人間との境界(精神的・抽象的なものから法的なものまで)がしばしば問題となる。この問題は「人間とは何か」、「生命とは何か」、「心・魂とは何か」といったより根源的な問題を含むこととなるため、各作品においても対応はまちまちで、そうした問題自体をテーマとした作品も頻繁に創作されている。

宗教・思想上の問題点

アブラハムの宗教キリスト教ユダヤ教イスラム教)では、旧約聖書天地創造にあるように、人間(アダムとイブ)はヤハウェ・エロヒムに造られたとされており、人間を造るのは「神の行為」とされている。そのため、人間が人間を造るという行為は神への挑戦、あるいは冒涜と見做される場合がある。

初期の人造人間が登場するフィクションが制作された背景には、社会の近代化や科学技術の進歩に対する漠然とした不安があった。この心理が人造人間そのものへの不安フランケンシュタイン・コンプレックスに反映されているとする見方がある。

同義語・類義語

類義語としてロボットとアンドロイドについて述べる。それ以外の用語については「その他」の節を参照されたい。

ロボット(robot)

すでに述べたカレル・チャペック戯曲R.U.R.』で初めて使われた語である。着想にはゴーレム伝説が影響していると作者が述べており[5][6]チェコ語強制労働(もともとは古代教会スラブ語での「隷属」の意)を意味するrobota(ロボッタ)[7]もしくはスロバキア語で労働者を意味するrobotnik(ロボトニーク)[8]をもとに、兄で画家のヨゼフ・チャペックが「ロボット」の語を作った[9]

本作においてロボットは人工的な有機体であり、生命と同じように振舞う人工的な原形質に基づいて脳・内臓・骨といった各器官が撹拌機で合成されている。しかし本作以降の作品のロボットや、現実世界のロボットは、主に機械の体を持つものがロボットと呼ばれている[4]

また本作では人間型のロボットが登場するが、現実世界では産業用ロボットペットロボットのように人を模していないものも「ロボット」と呼ばれているため、人間型である事を強調して「人型ロボット」[10]、「ヒューマノイドロボット」[11]humanoid robot)という語も用いられる。

ロボットに関する合意された定義は存在しないものの、2006年(平成18年)のロボット政策研究会報告書では「センサ、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義された[12]JISの「JIS B 0134」(1998年)では[13]産業用ロボット」の定義を「自動制御によるマニピュレーション機能又は移動機能をもち,各種の作業をプログラムによって実行できる,産業に使用される機械」とした。

アンドロイド(android、ラテン語:androides)

ギリシア語andro-(人、男性)と接尾辞-oid(-のようなもの、-もどき)の組み合わせで、人に似せて作られた存在を指す。 この語は元々錬金術から来ており[4]オックスフォード英語辞典によると現在追跡できる最も古い用例は、チェンバーズによる1728年初版の百科事典サイクロペディア』によるもので、アルベルトゥス・マグヌス1200年-1280年)がオートマトン(: automaton、自動人形)を作ったとされる事の説明として"androides"の語が登場する[4][14]

1700年代後半には人間の活動をする人間に似た精巧な機械装置が"androides"という名称で展示会場に展示されていた[15]。また1863年の米国の特許では小型の人間のようなおもちゃの自動人形を指して「アンドロイド」(android)の語が使われている[16]

またフランスの作家ヴィリエ・ド・リラダンによる1886年発表のSF小説未来のイヴ』では作中に登場する人造人間のハダリーに対して「アンドロイド」という語をが使われ、この小説がこの語を普及させたとする文献もある[4][17][注 1]

英語圏のパルプSFでの「アンドロイド」の語の使用はジャック・ウィリアムスンの宇宙軍団シリーズ『The Cometeers』(1936年)から始まる[4]

ガイノイド (gynoid)、フェムボット(fembot

女性型アンドロイドをガイノイドgynoid)もしくはフェムボット(fembot)と称する作品も見られる。

「ガイノイド」の語の最初の用例はアイザック・アシモフが自身の編集する雑誌アシモフズ・サイエンス・フィクションのエッセイ「名前について」[注 2]The Vocabulary of SF)で1979年に述べたもので[19]、アンドロイドの"andro-"が"男性"という意味を持つことから、女性型の人工デバイスは「女性を意味するギリシャ語の"gynos"から取って"ガイノイド"と呼ばれるべきだが」[19]、「この語が人間型の人工デバイスに用いられた例は全く無い」[19]としている。(ただし実際には「andro-」には「人類」と「男性」の両方の意味がある[20])。1984年にはイギリスの女性作家ギネス・ジョーンズが長篇小説『聖なる堅忍』でこの語を用いている[21]

一方「フェムボット」の語は遅くともフリッツ・ライバーが『銀の知識人たち』(1959年、原題:Silver Eggheads)で使われており、この本ではこの語は意識を持たないセックスボットを指していた。英語圏ではテレビドラマ『地上最強の美女バイオニック・ジェミー』の1976年のエピソード「ゴールドマン局長暗殺指令」(原題:Kill Oscar)により広められ[22]、後にオースティン・パワーズでも用いられた[23]

ロボットとアンドロイドの関係

近代のSFでは機械などの非有機体をベースにしたものをロボット、人工皮膚や合成肉などの有機体をベースにしたものをアンドロイドとして区別する[4]。この区別はエドモンド・ハミルトンの『キャプテン・フューチャー』(1940-1944年)に始まり[4]アルフレッド・ベスターの『ごきげん目盛り』(1954年、原題:Fondly Fahrenheit[24]など後続の作品でこの区別が踏襲された。『キャプテン・フューチャー』では主人公の配下に金属製のロボット「グラッグ」と合成樹脂製のアンドロイド「オットー」がおり、両者が互いの体を罵り合うなど、ロボットとアンドロイドの差が鮮明にされている。

ただしSFにおいてもこの区別が常に守られていたわけではなく、例えばフィリップ・K・ディックは自身の作中で機械をベースにした人間型ロボットを「アンドロイド」と呼ぶ事が普通だった[4]

日本大百科全書は「現在では、本来なら「ヒューマノイド」(人間もどき)・ロボットとよばれる機械仕掛けのものを含め、人間型ロボットのすべてをアンドロイドとよぶ」[25]とし、ロングマン現代英英辞典androidの項目も「人間型のロボット」と説明している[3]

その他

人造人間やロボットのように「人造の人間」を表す語は多い。フィクション作品においては、作品独自の造語や誤訳、語のイメージ重視の使用(意図的な誤用)なども見られる。以下に、主なもの(主に当記事にリダイレクトされている語とウィキペディア内に記事が見られる語)について記す。

バイオノイド、バイオロイド
いずれもバイオ(バイオニクスバイオテクノロジー)とアンドロイドを組み合わせた語であり、SF作品に登場する人型のロボットを指す。
バイオノイド (bionoid)
1980年頃から用いられている語で、初期の用例としては、映画スペース・サタン』(アメリカ、1980年)が日本公開された際のチラシやパンフレットにおいて、同作に登場するロボット「ヘクター」を「バイオノイド」と紹介している。用語辞典では、「SF アニメなどに登場する、人間に近い生体や心を持つ人造人間」[26]、「人間の体をしているロボット」[27]と記載されている。
バイオロイド (bioroid)
1980年代から用いられている語で、初期の用例としては、1983年に発表され、1985年に出版された漫画ブラックマジック』(士郎正宗[注 3])や1984年放送のテレビアニメ超時空騎団サザンクロス』(タツノコプロ制作)がある。
オートマタ
機械人形のこと。何らかの技術で自律行動する場合、人造人間として扱われることがある。
クローン
分子DNA・細胞・生体などのコピーのこと。クローニングによって生まれた人間は、場合により人造人間として扱われることがある。
デザイナーベビー
遺伝子操作を受けた子供のこと。操作に用いられる技術や操作の内容(結果)によっては、人造人間として扱われることがある。
ホムンクルス
錬金術で作り出された人工生命体のこと。人型のものが人造人間として扱われることがある。

脚注

注釈

  1. ^ 対して「Androids” (英語). The Encyclopedia of Science Fiction. 2025年12月24日閲覧。」は『未来のイヴ』についてそもそも言及がない。
  2. ^ 『Asimov on Science Fiction』収録[18]。邦訳:アイザック アシモフ (著), 安田 均 (翻訳) (1983/2/1). DR.アシモフのSFおしゃべりジャーナル. 講談社. ISBN 978-4062001717 
  3. ^ なお、士郎正宗の漫画『アップルシード』では「遺伝子に加工を施したクローン人間」を意味する言葉としてバイオロイドが登場する。

出典

  1. ^ a b c 人造人間(ジンゾウニンゲン)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年12月25日閲覧。
  2. ^ a b カレル・カペツク; 宇賀伊津緒訳 (1923年). “人造人間 : 戯曲”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年12月25日閲覧。
  3. ^ a b android | ロングマン現代英英辞典でのandroidの意味 | LDOCE”. www.ldoceonline.com. 2025年12月25日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j Brian M. Stableford (2006). Science fact and science fiction: an encyclopedia. CRC Press. pp. 22–23. ISBN 978-0-415-97460-8. https://books.google.com/books?id=uefwmdROKTAC&pg=PA22 
  5. ^ 井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149
  6. ^ Morris, Nicola"The Golem in Jewish American Literature: Risks and Responsibilities in the Fiction of Thane Rosenbaum" p.119
  7. ^ 井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149
  8. ^ ROBOT 九州共立大学、2007
  9. ^ カレル・チャペック『ロボットという言葉の起源』栗栖継訳(『現代人の思想22 機械と人間の共生』平凡社、1968年、収録)
  10. ^ 人型・AIロボット未来予測2035” (jp). 日経BPマーケティング. 2025年12月26日閲覧。
  11. ^ ヒューマノイドロボットはどのように社会実装が進むのか? シリーズ:ヒューマノイドロボット最前線(4) | コラム”. MRI 三菱総合研究所. 2025年12月26日閲覧。
  12. ^ ロボット政策研究会報告書 2006年5月”. ロボット政策研究会. 2025年4月19日閲覧。
  13. ^ 井上晴樹『日本ロボット戦争記 : 1939~1945』124頁(NTT出版,2007) ISBN 978-4757160149
  14. ^ Androids” (英語). The Encyclopedia of Science Fiction. 2025年12月24日閲覧。
  15. ^ “At the Mechanical Theater”. London Times. (1795年12月22日) 
  16. ^ U.S. Patent and Trademark Office, Patent# 40891, Toy Automation”. Google Patents. 2007年1月7日閲覧。[リンク切れ]
  17. ^ 石川喬司『夢探偵: SF&ミステリー百科』講談社〈講談社文庫〉、1981年10月1日。 
  18. ^ Essays by Isaac Asimov about science fiction” (英語). Asimov Online. 2026年1月7日閲覧。
  19. ^ a b c gynoid”. Historical Dictionary of Science Fiction. 2021年5月18日閲覧。
  20. ^ Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon, ἀνήρ”. www.perseus.tufts.edu. 2025年12月25日閲覧。
  21. ^ 巽孝之. “立ち読み『人造美女は可能か?』 はじめに――人造・美女・エンサイクロペディア”. 慶應義塾大学出版会. 2026年1月7日閲覧。
  22. ^ Wosk, Julie (2015). My Fair Ladies: Female Robots, Androids, and Other Artificial Eves. Rutgers Univ. Press. pp. 114–115 
  23. ^ Wallace, Julia (2008年12月16日). “Return of the Bodacious 'Bots”. Popular Science. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  24. ^ Historical Dictionary of Science Fiction: android”. sfdictionary.com. 2025年12月26日閲覧。
  25. ^ ロボット(ろぼっと)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2025年12月26日閲覧。
  26. ^ 『コンサイスカタカナ語辞典第4版』三省堂、2010年、788頁。
  27. ^ 現代用語の基礎知識2006』自由国民社、2005年、1435頁。※他年度版(2013等)にも記載あり。

関連項目


人造人間(1号~12号)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/23 16:13 UTC 版)

モンスター13号」の記事における「人造人間(1号~12号)」の解説

マクスン教授が島で造りだした生命体いずれも醜怪容貌と、屈強な体格並外れた体力合わせ持っているが、知能については「12体(注:1~12号)の頭脳合わせても、正常な人間3人分にも満たない」、とフォン・ホルンがマクスン教授断言している、特に知能が低いものは目の前に与えられ食事を食う程度しかできない

※この「人造人間(1号~12号)」の解説は、「モンスター13号」の解説の一部です。
「人造人間(1号~12号)」を含む「モンスター13号」の記事については、「モンスター13号」の概要を参照ください。

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