U-125Aとは? わかりやすく解説

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U-125A

救難機 U-125A

捜索レーダーや援助物資投下機構などの装備で遭難者を救援します

U-125Aは、救難捜索機MU-2後継機位置付けられています。MU-2比べ性能能力ともに一段と向上しました捜索レーダー赤外線暗視装置装備による捜索能力の向上、さらに援助物資投下機構装備したことによって、遭難者対す延命含めた援助能力向上したことが特徴です。近年は、作戦機行動範囲広がっており、それに対応した救難能力強化を図ることができます初号機平成7年航空自衛隊納入されました。

分類救難捜索機
乗員4人
全幅15.66m
全長15.60m
全高5.36m
自重 18,000lbs
最大離陸重量 26,866lbs
エンジン2基
名称TFE731-5R-1H
推力1,950kg/基
型式ターボファン・エンジン
性能 
最大速度442kt(約820km/h)
航続距離約2,200nm(約4,000km)

U-125 (航空機)

(U-125A から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/06 14:04 UTC 版)

U-125

離陸上昇するU-125A

  • 用途:飛行点検機、救難捜索機
  • 製造者:ホーカー・ビーチクラフト
  • 運用者 日本航空自衛隊
  • 運用状況:現役

U-125は、航空自衛隊が運用している双発ジェット機の名称。U-125が飛行点検機[1]、U-125Aが救難捜索機[1]として運用されている。

母機について

機体原型は英国デ・ハビランドが開発したビジネスジェットDH.125である。この機体は、後にホーカー・シドレーHS.125BAeBAe 125レイセオン社を経て、現在はホーカー・ビーチクラフト社がホーカー 800として製造している。1962年(昭和37年)初飛行ながらも改良が加えられ、40年以上も生産が続けられているベストセラー機である。航空自衛隊が採用した当時はBAeが生産しており、機体のベースはBAe125-800型である[1]

U-125

飛行点検隊のU-125(#042号機)

航空自衛隊が運用している飛行点検機(航法施設検査機)である。航空航法設備などの動作点検を行うことを目的としており、自動飛行点検装置を搭載している[1]入間基地飛行点検隊に配備されており、飛行点検隊の他機と同様に白と赤を基調とした塗装がなされている。

それまでのMU-2Jに代わって、1990年(平成2年)度より3機が調達された[1]。MU-2より高空域における飛行点検が可能となっている[1]

2016年(平成28年)4月6日、鹿屋航空基地で電波航法設備の点検に当たっていた1機(49-3043号機)が、基地北側の高隈山地付近で行方不明となった。御岳中腹に墜落した残骸が翌7日早朝に発見され、8日までに乗員6名(操縦士・検査員・整備員各2名)全員の死亡が確認された。7月29日、航空自衛隊は、事故原因がパイロットエラーおよび悪天候による複合的なものだったと発表した。


損耗機の代替はサイテーション680Aが選定された。

U-125A

航空自衛隊が運用している救難捜索機である。それまでのMU-2Sに代わって、1994年(平成6年)から全国の航空救難団救難隊への配備が進んでいる。

日本独自の救難思想に基づいて、国内で救難具設置などの内装工事を行った。救助機材投下のため左降着装置収納庫内に保命用援助物資の投下装置(この為、物資投下時は降着装置を出す)、左側後部胴体(降着装置収納庫後部)に救難用火工品(水陸両用の発炎筒)の投下口を設けている。他にも機体側面に大型捜索窓、胴体下面に捜索用レーダーアンテナ、機首下部に収納式の赤外線暗視装置(TIE)を搭載している[1]

アビオニクスには自動操縦装置飛行管理装置(FMS)、慣性航法装置(IRS)、GPSなどを採用し精密な航法能力を持つ。特にFMSには空自仕様として、捜索パターン作成およびレーダー、TIEで捉えた目標の精密な位置取り込み機能が追加されており、精密な捜索が実施可能となった。

U-125との外見上の違いとして、胴体下面の膨らみや要救助者発見のために機体下部までくり抜かれた両脇の大型窓、操縦席前方窓のワイパー(海上低高度での塩分付着除去用)等が挙げられる。また、スラストリバーサーも設置されている。

戦闘捜索救難を想定しており、視認性が低い青色塗装が施されているのが特徴である。航空救難活動に当たっては、UH-60Jヘリコプターとユニットを形成して行動する。

MU-2と比較すると、行動半径が大幅に改善され、優速を利用しての迅速な現場への進出が可能となった。また、レーダーやTIEによる夜間捜索能力も飛躍的に向上した。これらにより洋上部での捜索能力は向上したが、一方で山岳部での捜索は低速性能の限界から旋回半径が大きくなり不利とされる。余剰推力が大きく翼面荷重も大きいため、乱気流にはある程度強いとされる。

捜索救難はヘリコプター単独でも可能なため、防衛省では予算の効率化を図るため、将来的にU-125Aを廃止しヘリコプターに一本化する予定である[2]。2022年(令和4年)12月16日に政府が閣議決定した防衛力整備計画でU-125Aの用途廃止を進めることが明記された[3][4]

スペック

  • 全幅:15.66m
  • 全高: 5.37m
  • 全長:15.59m
  • 重量 : 7,350kg
  • 最高速度:980km/h=M0.80
  • 航続距離 : 4,890km
  • 実用上昇限度:43,000ft
  • 最大離陸重量:12,750kg
  • 製造:ホーカー・ビーチクラフト
  • 乗員:7名

配備部隊

U-125

【コールサイン:TRIER】

U-125A

【コールサイン:RIZIN】

登場作品

映画・テレビドラマ

空飛ぶ広報室
第7話にて、山岳救助事案に百里救難隊のU-125Aが登場。
空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-

アニメ

よみがえる空 -RESCUE WINGS-
小松救難隊のU-125Aが登場。

小説

『首相専用機を追え』
首相専用機として登場。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 『自衛隊装備年鑑 2006-2007』朝雲新聞、2006年、408 - 409, 420 - 421頁頁。ISBN 4-7509-1027-9 
  2. ^ 空自捜索機や陸自戦闘ヘリを廃止、無人機で代替へ…防衛予算効率化”. 読売新聞オンライン (2022年12月9日). 2022年12月9日閲覧。
  3. ^ “AH-64DアパッチにU-125Aも…陸自戦闘ヘリや空自捜索機など廃止決定、無人機の時代へ”. FlyTeam. (2022年12月21日). https://flyteam.jp/news/amp/138141 2022年12月27日閲覧。 
  4. ^ “消える救難捜索の「目」 安保戦略改定で部隊見直し―空自機、災害派遣で影響懸念”. 時事ドットコム. (2022年12月25日). https://www.jiji.com/amp/article?k=2022122400227&g=soc 2022年12月27日閲覧。 

関連項目

外部リンク


U-125A

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/03 18:55 UTC 版)

U-125 (航空機)」の記事における「U-125A」の解説

航空自衛隊運用している救難捜索機である。それまでのMU-2Sに代わって、1994年平成6年)から全国航空救難団救難隊への配備進んでいる。 日本独自救難思想基づいて国内救難設置などの内装工事行った救助機材投下のため左降着装置収納庫内に保命用援助物資投下装置この為物資投下時は降着装置を出す)、左側後部胴体降着装置収納後部)に救難火工品投下口を設けている。他にも機体側面大型捜索窓、胴体下面捜索用レーダーアンテナ、機首下部収納式の赤外線暗視装置TIE)を搭載している。 アビオニクスには自動操縦装置、フライトマネージメントシステム(FMS)、慣性航法装置IRS)、GPSなどを採用し精密な航法能力を持つ。特にFMSには空自仕様として、捜索パターン作成及びレーダーTIE捉えた目標精密な位置取り込み機能追加されており、精密な捜索実施可能となったU-125との外見上の違いとして、胴体下面膨らみ大型窓、操縦席前方窓のワイパー海上低高度での塩分付着除去用)等が挙げられるまた、スラストリバーサー設置されている。 戦闘捜索救難想定しており、視認性が低い青色塗装施されているのが特徴である。航空救難活動当たっては、UH-60Jヘリコプターユニット形成して行動するMU-2比較すると、行動半径大幅に改善され、優速を利用して迅速な現場への進出が可能となったまた、レーダーTIEによる夜間捜索能力飛躍的に向上した。これらにより洋上部での捜索能力向上したが、一方で山岳部での捜索低速性能限界ら旋半径大きくなり不利とされる余剰推力大きく翼面荷重大きいため、乱気流にはある程度いとされる機体後部 エアステア 小松基地航空祭にて救難物資投下 搭載する投下機材 松島救難隊創設50周年記念塗装UH-60Jリフトアップ作業見守るU-125A(2015年小松基地航空祭

※この「U-125A」の解説は、「U-125 (航空機)」の解説の一部です。
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