因果推論の根本問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 08:41 UTC 版)
「ルービン因果モデル」の記事における「因果推論の根本問題」の解説
これまでに見たアウトカムは、実際には測定されない。定義上、特定の期間にわたって被験者に対する複数の治療の効果を観察することは不可能である。ジョーは「新薬を服用すること」と「新薬を服用しないこと」の両者を同時に満たすことはできない。したがって、データは次のようになる。 被験者 Y t ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)} Y c ( u ) {\displaystyle Y_{c}(u)} Y t ( u ) − Y c ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)-Y_{c}(u)} ジョー130 ? ? 疑問符は、観察できなかった反応を示す。因果推論の根本問題 Fundamental Problem of Causal Inference とは、因果効果を直接観察することは不可能であるということである。ただし、これによって「因果推論」そのものが不可能になるわけではない。特定の技術と仮定により、根本問題を克服することができる。 次のデータがあると仮定する。 被験者 Y t ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)} Y c ( u ) {\displaystyle Y_{c}(u)} Y t ( u ) − Y c ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)-Y_{c}(u)} ジョー130 ? ? メアリー? 125 ? サリー100 ? ? ボブ? 130 ? ジェームズ? 120 ? 平均115 125 −10 効果が一定であるものとを仮定した場合、コントロールにおけるジョーの潜在アウトカムを推測できる。 Y t ( u ) = T + Y c ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)=T+Y_{c}(u)} そして Y t ( u ) − T = Y c ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)-T=Y_{c}(u)} 観測されていない値を推測したい場合、効果が一定であることを仮定することができる。次の表は、効果が一定であることを仮定した場合に合致するデータを示している。 被験者 Y t ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)} Y c ( u ) {\displaystyle Y_{c}(u)} Y t ( u ) − Y c ( u ) {\displaystyle Y_{t}(u)-Y_{c}(u)} ジョー130 140 −10 メアリー115 125 −10 サリー100 110 −10 ボブ120 130 −10 ジェームズ110 120 −10 平均115 125 −10 治療した場合のアウトカムは異なるが、すべての被験者の因果効果は同じである。
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