因果構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 14:25 UTC 版)
ミンコフスキー空間の元(4元ベクトル)はそのミンコフスキー内積の符号によって分類される。4元ベクトル V に関して、 ηabVaVb = VaVa < 0であるとき V は 時間的 であるといわれる ηabVaVb = VaVa > 0 であるとき V は 空間的であるといわれる ηabVaVb = VaVa = 0 であるとき V は ヌル的 (光的) であるといわれる これらの用語は物理学における相対性理論でミンコフスキー空間が使われることからきている。ミンコフスキー空間内のヌルベクトル全体の集合は光円錐を表している。これらの概念は指標系(標準基底の選択)によらずに定義されている。ヌルベクトルについては、二つのヌルベクトルが(ミンコフスキー内積に関して)直交しているならばそれらは平行である、という性質がある。 時間の向き(標準基底の e0)が選ばれると、時間的ベクトルやヌルベクトルを様々なクラスに分けることができる。時間的ベクトルについては 未来方向時間的: ベクトルは負の時間成分(V0)を持つ 過去方向時間的: ベクトルは正の時間成分を持つ と分類でき、ヌルベクトルについては: ベクトル空間の零元としての零ベクトル:(成分が (0,0,0,0) となる) 未来方向ヌル: ベクトルは負の時間成分をもつ 過去方向ヌル: ベクトルは正の時間成分をもつ と分類できる。空間的ベクトルとあわせて六つのクラスが考えられることになる。 ミンコフスキー空間の正規直交基底は必ず一つの時間的単位ベクトルと三つの空間的単位ベクトルからなっている。正規直交性を外した基底であればほかの組み合わせも可能になり、例えばすべてヌルベクトルからなるような(互いに直交していない)基底をとることができる。
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