6つの作家活動期とは? わかりやすく解説

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6つの作家活動期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 00:36 UTC 版)

ロベルト・ロッセリーニ」の記事における「6つの作家活動期」の解説

ロベルト・ロッセリーニは、30年以上に及ぶ監督生活で30本以上の長編映画撮ったそうした彼の作家活動辿ってみると、何度かの転換期があったことに気づく。その転換期1つ節目とすると、ロッセリーニ作家活動6つ時期分けることができる。 第1の時期出世作白い船』から『十字架の男』までの戦争国策映画時期。『白い船』では海軍病院船、『ギリシャからの帰還』では空軍パイロット、そして『十字架の男』では陸軍従軍司祭というように、イタリア陸・海・空軍活躍描いたこの3本もう一つの「戦争三部作」でもある。戦時下の3作でロッセリーニ監督として早くも注目されるようになった。 第2の時期は『無防備都市』(1945年)から『殺人カメラ』(1948年)までのネオレアリズモ映画時期。この時期は、ロッセリーニ作家活動で最も充実した時期でもある。この後の『ストロンボリ、神の土地』、『神の道化師、フランチェスコ』(1950年)は、便宜上バーグマン時代分類するが、どちらかというとネオレアリズモ時期延長線上にある作品と言える第3時期は、イングリッド・バーグマン主役演じたストロンボリ、神の土地』(1950年)から『不安』(1954年)までのバーグマン時代。この時期ロッセリーニは、これまでの戦争テーマとした作品カトリシズムへの傾倒明白な作品から一転して離婚危機夫婦間人間関係断絶といった主題目を向けている。この時期作品は、公開当時イタリアでも全く理解されないばかりか不人気興行的に失敗しロッセリーニはもはや映画を撮ることができないほど追いつめられた(だが、例えば『ヨーロッパ一九五一年』(1952年)、『イタリア旅行』(1953年)といった作品ロッセリーニ最良作品として近年では高く評価されている)。 バーグマン組んだ最後作品『不安』の後4年間の沈黙余儀なくされ、4年ぶりの公開映画インディア』(1958年)が好意的に迎えられロッセリーニの第4の時期が始まる。これは『インディア』からオムニバス映画ロゴパグ』(1962年)まで。『ロベレ将軍』(1959年)、『ローマで夜だった』(1960)も国際的に高く評価された。この時期ロッセリーニ復活時期でもある。そして「戦争3部作」にも通じる2本の戦争ものの後、ロッセリーニは、19世紀イタリアリソルジメント時代背景としたコスチューム映画Viva l'Italiaイタリア歳)』(1960年)『ヴァニナ・ヴァニニ』(1961年)で歴史映画興味を向ける。 ロッセリーニゴダールパゾリーニ、グレゴレッティの頭文字からとった『ロゴパク』というオムニバス映画の後、ロッセリーニは、完全に劇映画世界から離れる。そして、ロッセリーニ原案脚本・監督の『L'età del ferro(時代)』(1964年)から『Cartesius(デカルト)』(1973年)までの10年間、ロッセリーニ専らテレビ放送用の歴史映画情熱傾ける。5番目の時期が、このテレビ映画時期である。従来、この時期ロッセリーニは、映画第一線から離脱したことで過小評価されてきたようだが『不安』の撮影後ロッセリーニ助手だったフランソワ・トリュフォーは、10年前にこの時期監督ロッセリーニ行動予見している。 「(ロッセリーニは)いわゆる読書のために書物ページを開くことは決してしないが、いつも資料調べ考証余念がない歴史社会学の本や、科学書などを幾夜夜を徹して読みふける知識欲旺盛で知ることの歓び生き、もう劇映画作ることなんかやめて、いよいよ、ますます<教育映画>や<文化映画>に挺身することを熱望しているのである。」(トリュフォー『わが人生わが映画山田宏一蓮實重彦訳) とすればテレビ用歴史映画は当然の帰結であり、ロッセリーニ本質根ざしたものですらある。 1974年ロッセリーニ再度劇映画復帰する戦後キリスト教民主党党首として1945年から1953年までの長期間イタリア首相務めた政治家アルチーデ・デ・ガスペリについての映画である。ロッセリーニ映画復帰作『元年』は戦後初の内閣組閣したデ・ガスペリ首相ナチス占領下1944年から1954年の死までの姿を描く。次いで翌年には聖書題材としたキリスト教映画救世主』を撮る。テレビ用歴史映画から劇映画への10年ぶりの復帰ロッセリーニ新たな時期始まりとすればこの2本の作品は、6番目の時期作品とすることができるかも知れない。しかし、この最後時期ロッセリーニ死によってピリオド打たれる。 『救世主』のあと、ロッセリーニは『人間性のために生きる』と題されカール・マルクス思想人生についての映画準備していた。この他にも毛沢東マルコ・ポーロ百科全書派についての映画、あるいは『銀の道』と題され企画が、ロッセリーニ脳裏にあった明らかにこれらはテレビ用歴史映画延長上の企画であり。ここには、かつてのネオレアリズモ巨匠とは別の道を歩むロッセリーニの姿が見られる

※この「6つの作家活動期」の解説は、「ロベルト・ロッセリーニ」の解説の一部です。
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