6つのポートタイミングパラメータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/11 03:12 UTC 版)
「バルブタイミング」の記事における「6つのポートタイミングパラメータ」の解説
IO (Intake Port Open) — 吸気ポート開放 — このタイミングからクランクケース内に混合気が吸入され始める。シリンダー内はこの時上昇行程(圧縮行程)を経て点火が行われている。 IC (Intake Port Close) — 吸気ポート閉鎖 — このタイミングでクランクケース内への混合気吸入が終了する。シリンダー内は点火を経て下降行程(膨張行程)が始まっており、ピストンの下降に併せてクランクケース内の混合気の一次圧縮が行われる。 EO (Exhaust Port Open) — 排気ポート開放 — 下降(膨張)行程の中途にあるこのタイミングから排気ポートが開き、シリンダー内の排気がスタートする。実際には下死点の手前(BBDC)から開き始め、膨張の圧力を利用して排気ガスを強制的に排出させる効果を利用する。 SO (Scavenging Port Open) — 掃気ポート開放 — 排気ポートの開放から少し遅れて掃気ポートが開放され、掃気区間が始まる。掃気ポートも下死点の手前(BBDC)から開き始め、クランクケース一次圧縮の圧力を利用して混合気をシリンダー内に押し込みつつ、排気ガスの追い出しも同時に行う。 SC (Scavenging Port Close) — 掃気ポート閉鎖 — このタイミングで掃気ポートからの混合気吸入が停止する。下死点の少し後(ABDC)に閉鎖され、ピストンは既に上昇行程に転じているため、クランクケース側に若干の吹き戻しが発生する。この時クランクケースからキャブレター側に混合気が逆流しないように、吸気ポートにはリードバルブやロータリーディスクバルブが設けられることが一般的である。 EC (Exhaust Port Close) — 排気ポート閉鎖 — このタイミングで排気ポートが閉じてシリンダー内の排気が終了する。実際には下死点(排気上死点)の少し後(ABDC)で閉じるため、シリンダー内の混合気が若干エキゾーストチャンバー内に流出してしまう。しかしこの時、先にエキゾーストチャンバーに排出された排気ガスがチャンバー内部で応力波となって排気ポートまで戻ってくるため、適切な排気ポートタイミングとチャンバー容量選択が行われたエンジンであれば、応力波によって流出した混合気は再びシリンダー内に押し戻され、充填効率が増す。これはエンジンの回転数によって効果が変化するため、最大の充填効率が達成される回転域を俗にパワーバンドと呼び、この回転域に入ることをパイプインするともいう。
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