リャードフ:4つの前奏曲
スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.37 | 作曲年: 1903年 出版年: 1904年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 変ロ短調 b moll | 2分30秒 | No Image |
2 | 嬰ヘ短調 fis moll | 1分30秒 | No Image |
3 | ロ長調 h moll | 2分00秒 | No Image |
4 | ト短調 g moll | 1分00秒 | No Image |
作品解説
《4つの前奏曲 作品31》と同じく、1903年にモスクワで作曲され、翌年に出版された。この時期のスクリャービンについては、作品31の項を参照されたい。
第1曲目 変ロ短調 8分の9拍子 メスト(悲しげに)
この曲は、一時間もかからずに完成されたと伝えられている。メロディーの各フレーズの終わりで、同じ音を繰り返すところに哀愁を響かせる。幅広い音域を行きつ戻りつする左手の8分音符の動きでは、テヌートとルバートにより「メスト(悲しげに)」の表情が強調されている。
第2曲目 嬰へ短調 8分の9拍子 マエストーソ、フィエーロ(荘厳に、傍若無人に)
この曲もまた、僅か1時間ほどで完成したと伝えられている。前の曲から打って変わって、打楽器的要素の強い曲となる。音域の高低を移動させながら厚みのある和音を次々と弾き続け、各和音の残響が重ねられていくような効果を生み出す。
第3曲目 ロ長調 4分の3拍子 アンダンテ
マズルカを想起させる冒頭部分が、自由に変奏されていく。シンコペーションや付点のリズムを織り混ぜたメロディーには、和音が添えられる。
第4曲目 ト短調 4分の3拍子 イラート、インペトゥオーソ(怒って、激情的に)
この曲では、左手がオクターヴで激しいリズムを弾く。右手は、それに部分的に同調する。
スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.39 | 作曲年: 1903年 出版年: 1904年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 嬰ヘ長調 Fis dur | 1分30秒 | No Image |
2 | ニ長調 D dur | 1分00秒 | No Image |
3 | ト長調 G dur | 1分00秒 | No Image |
4 | 変イ長調 As dur | 1分30秒 | No Image |
作品解説
《4つの前奏曲 作品31》と同じく、1903年にモスクワで作曲され、翌年に出版された。この時期のスクリャービンについては、作品31の項を参照されたい。
第1曲目 嬰へ長調 4分の3拍子 アレグロ
この曲のテクスチュアは、シューマンの《クライスレリアーナ 作品16》の第1曲目を想起させる。冒頭には、フェルマメンテ(断固として)という表記が添えられている。
第2曲目 ニ長調 4分の2拍子 エレヴァート(気高く)
コラール風の荘厳な曲となっている。時折みられる増4度の進行が特徴的である。また、上声の音価には4分音符、スキップのリズム、4分音符による3連音符があり、アゴーギグの微妙な変化を記譜しようとする作曲者の意志が感じられる。
第3曲目 ト長調 4分の2拍子 ラングィード(気だるく)
5対3のポリ・リズムの手法がとられている。この曲のラングィードという表記は、これ以後も度々採用されている。左手が弾く5連音符は、半音階的な音の動きを多用している。
第4曲目 変イ長調 4分の3拍子
僅か16小節のこの曲は、前の曲と異なり、ホモ・リズムを基調としたテクスチュアとなっている。そして、曲全体をfで貫き、この曲集の幕を閉じる。
スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.48 | 作曲年: 1905年 出版年: 1906年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 嬰ヘ長調 Fis dur | 1分00秒 | No Image |
2 | ハ長調 C dur | 1分30秒 | No Image |
3 | 変ニ長調 Des dur | 1分30秒 | No Image |
4 | ハ長調 C dur | 1分00秒 | No Image |
作品解説
1905年に作曲され、その翌年に出版された。
第1曲目 嬰へ長調 4分の3拍子 インペトゥオーソ、フィエーロ(激烈に、傍若無人に)
属7の和音と属9の和音の変化形が多用され、文字通り激烈な響きを生み出している。特に、左手はオクターヴの跳躍が多いために高い演奏技術を要し、曲想の激しさを増幅させている。終結部においては休符が効果的に用いられている。
第2曲目 ハ長調 2分の4拍子 ポエーティコ・コン・デリツィーオ(詩的に、無常の快楽と共に)
幅広い音域を覆う右手の和音は、その上声が音価の長いのびやかなメロディーとなっており、アルペジオの奏法の美しさを際立たせる。さざ波のようにうごめく左手に、このメロディーがかき消されないよう、息の長い旋律線を聞き続けることが求められる。
第3曲目 変ニ長調 4分の3拍子 カプリチオサメンテ、アッファンナート(気まぐれに、あえぎながら)
2対3のポリ・リズムで分散和音を弾く曲。アッファンナートは、これ以後スクリャービンがしばしば用いた表記である。弧を描くような右手に、幅広い音域を下降する左手が添えられている。
第4曲目 ハ長調 4分の3拍子 フェスティヴァメンテ(祭りのように)
この曲では、低音の前打音、オクターヴに重ねられたテクスチュアが、一度に幅広い音域を鳴らす厚みのある響きを生み出している。付点を織り混ぜたリズムも効果的で、文字通り、祝祭的な曲となっている。
4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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カバレフスキー:4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.5 | 作曲年: 1927-28年 出版年: 1929年 初版出版地/出版社: Muzykalny sektor |
グリフィス(グリフェス):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.40 | 作曲年: 1899-1900年 |
清瀬 保二:4つの前奏曲 | 作曲年: 1947年 | |
ヘラー:4つの前奏曲 | Quatre Préludes Op.79 | 初版出版地/出版社: Hamelle |
モーツァルト:4つの前奏曲(ピアノのためのカプリッチョ) ハ長調 | Praeludium C-Dur K.395 K3.284a/K6.300g | 作曲年: 1777年 |
グレツキ:4つの前奏曲 | 4 Preludia Op.1 | 作曲年: 1955年 |
リャードフ:4つの前奏曲
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ブルメンフェーリド:4つの前奏曲
タンスマン:4つの前奏曲
サティ:4つの前奏曲
スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.22 | 作曲年: 1897年 出版年: 1898年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 嬰ト短調 gis moll | 2分00秒 | No Image |
2 | 嬰ハ短調 cis moll | 1分00秒 | No Image |
3 | ロ長調 H dur | 1分00秒 | No Image |
4 | ロ短調 h moll | 1分00秒 | No Image |
作品解説
1897年から翌年にかけて作曲され、1898年に出版された。1897年はピアノ協奏曲も作曲している。また、モスクワ音楽院出身のピアニスト、ヴェラ・イワノヴナと結婚した年でもある。
第1曲目 嬰ト短調 4分の3拍子 アンダンテ
曲全体を通して1つの大きなクレッシェンドを築く、スクリャービン愛用のディナーミクの手法により、この曲集が幕を開ける。そして、息の長い右手のメロディーに、幅広い音域で上昇を繰り返す左手の分散和音が添えられている。曲の終わりは、属和音となっている。
第2曲目 嬰ハ短調 8分の6拍子 アンダンテ
この曲では、時折、2対3のポリ・リズムが聞かれる。メロディーは、音階的な音の動きに跳躍音程が織り混ぜられている。そのため、僅か20小節という短さながら、印象的なラインを聞かせる曲となっている。
第3曲目 ロ長調 4分の3拍子 アレグレット
休符を挟む装飾音が印象的である。1拍後れて入る左手は、この曲のメロディーを際立たせる役を買って出ているものの、時折アルペジオになるため、ひそやかな主張を忘れることはない。
第4曲目 ロ短調 4分の4拍子 アンダンティーノ
クロス・フレーズの手法がとられている。右手は、フレーズ内で幅広い音域を行き来し、その音価を多様に変化させる。左手もまた8分音符を基調としながら、ときに2オクターヴを越える幅広い跳躍を見せるが、滑らかな演奏が要求される。
スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.31 | 作曲年: 1903年 出版年: 1904年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 変ニ長調(ハ長調) Des dur(C dur) | 2分30秒 | No Image |
2 | ヘ長調 F dur | 1分00秒 | No Image |
3 | 変ホ長調 Es dur | 1分00秒 | No Image |
4 | ハ長調 C dur | 1分30秒 | No Image |
作品解説
1903年にモスクワで作曲され、翌年に出版された。この曲が作曲される前年に、スクリャービンはモスクワ音楽院でのピアノの教授から退いている。また、作曲年には、音楽評論家ボリス・ド・シュレーツェルの妹タチアナに思いを寄せるようになり、妻と4人の子供と別れることを考え始めている。モスクワ哲学協会に足を運ぶようになり、ロシア象徴主義や神秘主義など、後年の作品に影響を与えた思想に触れるようになったのもこの頃のことである。
第1曲目 変ニ長調 4分の3拍子 アンダンテ
増6の和音の使用や絶え間ない転調により、新たな和声の書法を生み出している。クロス・フレーズの手法もとられ、空気中を浮遊するかのような独特の曲想をもつ。変ニ長調で開始するこの曲は、ハ長調で曲を閉じる。
第2曲目 嬰ヘ短調 4分の2拍子 コン・ストラヴァガンツァ(奇抜さと共に)
和音で構築された曲。左手はオクタ-ヴを主体としている。
第3曲目 変ホ短調 2分の2拍子 プレスト
右手が、主として中音域で5連音符を弾く。この5連音符は、ソット・ヴォーチェのレガートで弾くように指示されている。左手は、その下でオクターヴを弾く。この曲の終結部分は、ほぼ1小節ごとに対比されるfとppが印象的である。
第4曲目 ハ長調 4分3拍子 レント
第2曲目と同じく、和音で構築された曲。半音階的な音の動きが多いため、最後のドミナント→トニックの和声が際立つ。なお、このドミナントの和音の前には、1小節分の全休符が置かれている。
スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):4つの前奏曲 | 4 Preludes Op.33 | 作曲年: 1903年 出版年: 1904年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | ホ長調 E dur | 1分30秒 | No Image |
2 | 嬰ヘ長調 Fis dur | 1分00秒 | No Image |
3 | ハ長調 C dur | 0分30秒 | No Image |
4 | 変イ長調 As dur | 1分00秒 | No Image |
作品解説
《4つの前奏曲 作品31》と同じく、1903年にモスクワで作曲され、翌年に出版された。この時期のスクリャービンについては、作品31の項を参照されたい。
第1曲目 ホ長調 4分の3拍子
多声的な書法で書かれている。上声も低声も、7度の跳躍を織り混ぜたラインが特徴的である。
第2曲目 嬰へ長調 8分の6拍子 ヴァガメンテ(夢のように)
この曲のメロディーは、様々な音程の音が組み合わされている。隣り合った音の関係を考慮すると、冒頭に表記されたルバートが自然に生み出されるだろう。
第3曲目 ハ長調 2分の2拍子
打楽器的なタッチを基調としているが、途中で3回ほど、しなやかな曲線を描く下降音型が挿入される。リズムのおもしろさを味わえる曲である。
第4曲目 変イ長調 4分の5拍子 アルディート、ベッリコーソ(大胆に、勇ましく)
この曲の主旋律は8文音符を主体としているが、時折みられる16分休符を挟んだ3連音符が宙に浮く音の響きの味わいを生み出している。右手は、この主旋律の支える和音も同時に弾く。また、左手は、跳躍の多いオクターヴとなっており、高い演奏技術を要する。
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