道三河岸一派
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柳沢吉保 物語当初の元禄14年時点では、御側御用人で、老中上座の柳沢保明。シリーズを通しての敵役で、大黒屋の古着屋総代としての財力と影旗本としての実力の双方を手中に収めようと企む。 柳沢吉里 柳沢吉保の嫡男。 柳沢長暢(ながのぶ) 柳沢吉保の次男。武川衆と暗殺隊の指揮を執る。 お歌の方 越後浪人下条親三郎の娘。柳沢吉保にその美貌と才気が気に入られ、別邸の駒込の屋敷を与えられる。猟官運動のために大名・旗本が吉保の上屋敷門前に行列する道三殿中に対し、江戸の商人達が頼みごとに訪れる駒込の別邸は駒込殿中と称された。お歌は、この駒込殿中に嘆願にくる者を応対し、一手に捌くほどの信を得ていた。 宝永2年の梅雨明け、夕食を摂った後に頓死。真相は、生かしておいては天下のためにならずとの総兵衛の判断により、毒殺された(『熱風!』)。 添田刃九郎 労咳を患う浪人剣客。先祖は西国の出。当人は深川の貧乏長屋で飢えのなかに生まれ育ち、幼き頃より生きるために人を殺める術を身につけ、独創殺伐の剣技を磨いてきた。その望みは、女のかたわらに身を横たえることと、己よりも強い剣者に出会うこと。大黒屋二番番頭の藤助一行を殺害。 隆円寺 真悟(りゅうえんじ しんご) 川越藩御番頭で家禄は630石。柳生新陰流の遣い手で、道三組の頭領。大黒屋襲撃に失敗し、道三組が壊滅した後、諸国を巡り、修行をしながら大黒屋を倒す為の策を何度も立てる。 宝永2年(1705年)、伊勢参りの集団を使い江戸で騒擾を起こさせる作戦の際、大黒屋の小僧の栄吉の幻術により、伊勢神宮の前を流れる聖なる川、五十鈴川の鉄砲水に飲み込まれる(『熱風!』)。一命をとりとめたが、頭髪は真っ白になり、左足が折れ曲がって松葉杖に縋って歩くしかない不自由な体に成り果てた。 イスパニアの海賊ドン・ロドリゴを雇っての大黒丸破壊作戦を決行し、大黒丸を大破させたが、船戦の際に総兵衛の放った矢で胸を刺し貫かれて死亡(『難破!』)。 白髪の臑造(しらがのすねぞう) 隆円寺真悟に雇われた柳沢吉保の密偵。背丈は5尺5寸余り、細身の体は全身鏨のように研ぎ澄まされている。28歳だが、老人と勘違いされるほどの白髪頭で、そのために白髪という呼び名がつく。 伊賀の放れ忍びの父親が、飯盛り女郎に産ませた子供で、臑造という名は「親の臑をかじることなく早く一人立ちせよ」との願いを込められて付けられた。 父とは13歳の夏まで一緒に放浪し、「忍びとは走ること」という基本から短刀の扱いをはじめとして、武芸百般の手解きを受けた。東海道の藤枝宿で、父親は若い飯盛り女を足抜けさせる際、臑造を捨てて姿を消した。以後、父から教え込まれた忍びの技を磨きながら、独り忍びとして身を立ててきた。 不自由な身となった隆円寺真悟と知り合い、密偵として雇われる。後、総兵衛との対決で右腕を失い、そのまま姿を消す(『難破!』)。 影山 陣斎(かげやま じんさい) 甲府藩の密偵頭にして、騎馬軍団の軍師。白髪頭に白髭の老人じみた風采だが36歳。 柿沢 伊賀之助(かきざわ いがのすけ) 武川衆暗殺組。柳沢吉保の影警護(かげとも)の頭分。 歌文次、おたつ(かぶんじ、おたつ) 密偵の夫婦。 鵜飼参左衛門 柳沢家新御番組670石。甲賀流剣法の達人。出自は甲賀53家でも名門の五姓家の1つ。 元は本所新町に屋敷を構える御家人で、永年の無役で貧乏暮らしが続いていたが、表高家の品川氏郷の仲介で柳沢家の用人と知り合いになる。それをきっかけに御家人の株を他人に譲り、柳沢家新御番組として仕官。吉保の影の護衛役を任じるほどの信頼を得る。 洞爺斎蝶丸(とうやさい ちょうまる) 甲賀五姓家の1つ、鵜飼衆時雨一族の頭領。4尺3寸の矮躯。両耳が大きく、丸い目玉も異様に飛び出した異相の持ち主。林崎流居合いの遣い手。 新典侍教子(しんてんじのりこ) 清閑寺親房(せいかんじちかふさ)の三女。吉保により将軍綱吉の妾として差し出される予定であった。その正体は甲賀時雨組の黒阿弥陀蓮女(れんにょ)。本物の教子は幼い時に病死。 紅蛇子(あかへび) 甲賀鵜飼衆時雨組の1人で蝶丸の娘。総兵衛の前に最初に現れた時は、おゆみと名乗った。 大起(おおだち)虎右衛門 時雨組の1人。7尺に近い巨躯の男。 梅天の昇竜 甲賀鵜飼衆遠雷組副首領。 お泉 昇竜の娘。 鹿家(しかが)赤兵衛 甲賀鵜飼衆遠雷組首領。柳沢吉保の斡旋で北町奉行所の諸問屋組合再興方与力となり、大黒屋潰しに動く。 柿沢 ゆき(かきざわ ゆき) 柿沢伊賀之助の娘。『帰還』の書き下ろしに登場。 柿沢 正人(かきざわ まさと) 柿沢伊賀之助の息子。『帰還』の書き下ろしに登場。 賀茂火睡(かもかすい) 陰陽師。『帰還』の書き下ろしに登場。柳沢吉保の命で、大黒屋に呪いをかける。 李黒(りこく) 風水師。『帰還』の書き下ろしに登場。柳沢吉保の命で、大黒屋に呪いをかける。
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