身延山ロープウェイとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 身延山ロープウェイの意味・解説 

身延山

(身延山ロープウェイ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 00:24 UTC 版)

身延山
身延線の車窓から望む身延山
標高 1,153 m
所在地 山梨県南巨摩郡身延町早川町
位置 北緯35度23分51秒 東経138度24分59秒 / 北緯35.39750度 東経138.41639度 / 35.39750; 138.41639
山系 身延山地
身延山 (山梨県)
身延山 (日本)
プロジェクト 山
テンプレートを表示
久遠寺の本堂と身延山
身延山山頂から富士山・富士川と身延町を望む
身延山ロープウェイの索道
身延山ロープウェイ

身延山(みのぶさん)は山梨県南巨摩郡身延町早川町の境にあるである。標高1,153m。また同地にある日蓮宗総本山久遠寺山号でもあり、日本仏教三大霊山の一つという別名としてもよく用いられる。

概要

日蓮宗の開祖日蓮聖人が、身延山の草庵に居を定めたのは、文永11年(1274年6月17日(新暦7月21日[1]。山麓の標高400m付近に日蓮宗総本山である身延山久遠寺があり、山頂にも日蓮が父母を偲んで建立したと言われる奥之院思親閣がある。身延山の参拝客のほか、頂上からの眺望がよいため観光客も多く訪れる。

身延山の周辺には鷹取山(1,036m)、七面山(1,982m)などの山があり、いずれも日蓮宗の修行の場でもある。

山頂へはロープウェイで7分程度で登れる。山頂部には奥之院と3つの展望台が設置されており、東と南側展望台からは富士山がよく見え、天候がよければ駿河湾伊豆半島を見晴らすことができる。特に3月中旬および10月上旬には、富士山山頂から日が昇るダイヤモンド富士が見られるため、前後数日の早朝は観望や写真撮影の客で賑わう。北側展望台からは南アルプス甲府盆地、七面山や早川町の町並みが眺望できる。

山腹には雑木林が分布するほか、杉が植林されている。周辺には『甲州盆歌』に歌われたナンテンが見られ、山頂にはカタクリも自生する。「仏法僧(ブッポウソウ)」と鳴くことで知られるコノハズクや、ニホンカモシカイノシシツキノワグマなどが生息する。

登山

久遠寺境内付近から標高差約760m、50丁の参道があり、東側の尾根を回って登れ、徒歩で約2時間30分の道のりである。途中の25丁にある三光堂までは自動車も入れるよう舗装されているが、一般客は自動車では進入できない。この参道入り口をやや下ると身延山ロープウェイの久遠寺駅があり、山頂まで約7分で到達できる。また、他のルートとして、早川町方面からの登山道があり、身延町の飛び地である七面山方面に通じている。この参道の途中からは山の南西を巡って日蓮の草庵のあった西谷方面に下山できる。

身延山ロープウェイ

身延山ロープウェイは身延山の山麓と山頂を結ぶ三線交走式の索道(ロープウェイ)である[2]。現在富士急行の持分法適用会社となっている身延登山鉄道により建設され、1962年(昭和37年)12月27日に事業許可を受け、1963年昭和38年)8月23日に開業した。当初、身延山山頂へはケーブルカーによる輸送を計画し工事が進められたが、軟弱な地盤や法面の崩落などによりこれを断念し、ロープウェイに変更された経緯がある(「登山鉄道」の社名はその名残である)。山麓の久遠寺駅、山頂の奥之院駅の2駅間の斜長1,665m、標高差763mを約7分で運行する[3]。標高差763mは関東一である[2]。平常時は20分おき、繁忙期には増発や運転時間延長もある。

1981年(昭和56年)に2代目ゴンドラとして日本ケーブル/武庫川車両により製造された定員45名のもの2両が用いられていた(それぞれ「たちばな号」「ぼたん号」と名づけられていた)。2011年(平成23年)7月に搬器・駅などがJR九州両備グループの各車両や富士急行の「富士登山電車」などのデザインを手がけた水戸岡鋭治によってリニューアルされた[4]

2代目導入から40年が経過することから2021年(令和3年)1月31日を以て運行を一時休止し、3代目ゴンドラに置き換えることが発表された。新ゴンドラでの運用は2月23日より開始される[3]。2021年2月23日から運用されるゴンドラ2両は「知恩号」「報恩号」と名づけられた[2]

  • 1号車「知恩号」(定員41名)外装は朱色で内天井には久遠寺天井画の墨龍が描かれている[2]
  • 2号車「報恩号」(定員41名)外装は藍色で内天井には七面山敬慎院の天井模様が描かれている[2]

身延テレビ・FM中継放送所

  • 山頂付近には、峡南地域のテレビジョン・FMラジオ放送の中核中継局が設けられている。アナログVHF中継局の出力は下部中継局のほうが大きいが、地形的な要因もあり、ここが中核局として扱われている。
  • 甲府親局もそうだが、山梨県は山がちで、電波が飛びにくい地形といわれているため、通常アナログUHF局映像出力の1割とされるデジタルテレビジョン放送の出力は、その6分の1と高めに設定された。

地上デジタルテレビジョン放送

ID 放送局名 物理
チャンネル
空中線
電力
ERP 放送対象地域 放送区域
内世帯数
1 NHK
甲府
総合
26 5W 8.9W 山梨県 6,693世帯
2 NHK
甲府教育
28 全国
4 YBS
山梨放送
22 山梨県
6 UTY
テレビ山梨
24
  • 山梨テレビ3局共同建設
  • 予備免許 - 2007年(平成19年)4月20日交付
  • 試験放送 - 2007年(平成19年)6月2日開始
  • 2007年(平成19年)7月11日より放送開始(当初は8月1日からの開始だった)

地上アナログテレビジョン放送(廃止)

放送局名 チャンネル 空中線
電力
実効輻射電力 放送対象地域 放送区域
内世帯数
放送終了日
NHK甲府
総合
1 映像3W/
音声750mW
- 山梨県 約-世帯 2011年7月24日
NHK甲府
教育
3 - 全国
YBS
山梨放送
5 - 山梨県
UTY
テレビ山梨
34 映像30W/
音声7.5W
映像90W/
音声23W
  • VHF各局のみ甲府送信所と同一チャンネルで送信している。
  • 全局2011年7月24日の停波をもって廃止。

FMラジオ放送

放送局名 周波数
MHz
空中線
電力
実効輻射電力 放送対象地域 放送区域
内世帯数
エフエム富士 80.5 100W 175W 山梨県 約-世帯
NHK甲府
FM
84.7
YBS
山梨放送
90.9[5] 160W[5]
  • 身延山から発射されているFM波は、旧身延町住民の強い要望により、1968年(昭和43年)に開局された。
  • エフエム富士については、新聞によっては中継局名が「静岡」とされているものもある。

交通

関連人物

脚注

関連項目

外部リンク


身延山ロープウェイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 05:19 UTC 版)

身延山」の記事における「身延山ロープウェイ」の解説

身延山ロープウェイは身延山山麓山頂を結ぶ三線交走式索道ロープウェイ)である。現在富士急行持分法適用会社となっている身延登山鉄道により建設され1963年昭和38年8月23日開業した当初身延山山頂へはケーブルカーによる輸送計画し工事進められたが、軟弱な地盤法面崩落などによりこれを断念しロープウェイ変更され経緯がある。山麓久遠寺駅、山頂奥之院駅の2駅間の斜長1,665m、標高差763mを約7分で運行する標高差763mは関東一である。平常時20分おき、繁忙期には増発運転時間延長もある。 1981年昭和56年)に2代目ゴンドラとして日本ケーブル/武庫川車両により製造され定員45名のもの2両が用いられていた(それぞれたちばな号」「ぼたん号」と名づけられていた)。2011年平成23年7月搬器・駅などがJR九州両備グループの各車両富士急行の「富士登山電車」などのデザインを手がけた水戸岡鋭治によってリニューアルされた。 2代目導入から40年経過することから2021年令和3年1月31日を以て運行一時休止し3代目ゴンドラ置き換えることが発表された。新ゴンドラでの運用2月23日より開始される2021年2月23日から運用されるゴンドラ2両は「知恩号」「報恩号」と名づけられた。 1号車「知恩号」(定員41名)外装朱色で内天井には久遠寺天井画の墨龍が描かれている。 2号車報恩号」(定員41名)外装藍色で内天井には七面山敬慎院の天井模様描かれている。

※この「身延山ロープウェイ」の解説は、「身延山」の解説の一部です。
「身延山ロープウェイ」を含む「身延山」の記事については、「身延山」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「身延山ロープウェイ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「身延山ロープウェイ」の関連用語

身延山ロープウェイのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



身延山ロープウェイのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの身延山 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの身延山 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS