超魔生物(親衛騎団王)時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 07:54 UTC 版)
「ハドラー (ダイの大冒険)」の記事における「超魔生物(親衛騎団王)時代」の解説
超魔生物ザムザにおける「超魔生物状態で呪文が使えない」欠点を克服するため、超魔生物から魔族の姿に戻れる機能を排除した上で、自分自身を超魔生物に改造した。武器は「地獄の爪」に加えて、右腕に仕込んだ「覇者の剣」や腕に内蔵された武器・刃が連なった鎖状の「地獄の鎖(ヘルズチェーン)」も振るう。 超魔生物化したことで肉体的に強化されたばかりでなく、宿敵であるダイたちを倒すという強い決意によって、それまでの精神的な脆さが克服され、結果として大幅に戦闘能力が向上した。また心境の変化は、その後に禁呪法で生み出したハドラー親衛騎団にも反映され、強大な敵としてアバンの使徒の前に立ちふさがる事となる。しかし、急激なパワーアップは代償として生命力を著しく消耗し、残り短い命を覚悟した彼はバーンパレスに乗り込んできたダイとバラン親子との決着をつけるべく、二人の前に立ちはだかった。 竜の騎士二人を相手に一歩も引かない戦いぶりを見せるハドラーだったが、激しい戦いの中で、その身体から「黒の核晶(コア)」が露出する。それは死の淵から蘇ったとき、バーンにより「万一のため」として埋め込まれたもので、本人も知らないまま(改造をした当人のザボエラは平然と無視し、改造されたハドラー、改造を知るミストバーンはコアを埋め込まれていると知らなかった)超魔生物になったことが原因で、作動寸前の危険な状態になっていた。爆発を恐れて十分に戦えない二人に対して優勢に戦うハドラーだが、傷つき倒れたダイを守るために竜魔人化したバランに圧倒され、体内から黒の核晶を引きずり出される。そのとき初めて自分の中に黒の核晶が埋め込まれていたことを知り、そして全身全霊で臨んだ宿敵との戦いを汚され、生命を賭した誇りが踏みにじられたことを悟り、血涙を流して咆哮した。そこへ追い討ちをかけるように、バランが黒の核晶の起爆を抑え込んでいるところへミストバーンが現れ、黒の核晶を作動させてしまう。ミストバーンが素顔を見せることの重大性を知るハドラーは、彼の行動がバーンの勅命であること、そして、バーンがもはやバランやダイはおろか自分も生かしておく気が無いことを理解し、完全に切り捨てられたことを悟る。そのまま黒の核晶の大爆発に巻き込まれ、戦いの場にポップたちが駆けつけた際には行方も生死も不明となっていた。 その後、死亡としたと思われていたが自力で死の淵から復活し、更なるパワーアップを果たす。バーンに捨て駒同然に扱われ、自らの生き甲斐を否定された形となったハドラーは、バーン戦で絶体絶命の窮地に陥っていたポップ達を逃がし、バーンと一戦交える。先のダイ達との戦いで魔法力を消耗していたバーンと互角以上に戦い、必殺技の超魔爆炎覇で切りかかるあと一歩のところまで迫ったが、ザボエラの魔力で拘束されて形勢逆転、止めを刺される寸前まで追い詰められてしまう。しかしブロックが助けに入ってすんでの所でハドラーと入れ替わったため窮地を脱し、結果バーンとは袂を分かつ。心臓よりも重要な核となっていた黒の核晶を失ったことで、いかなる回復呪文も受け付けない朽ちてゆくだけの魔獣の体となったハドラーは、自分を捨てたバーンに再び忠誠を誓う気にもなれず、かといってアバンを殺した事に後ろめたさを感じてダイ一行の味方も出来なかったため、それならばと残り短い命で、ライバルのダイと完全決着を着けることを決める。 その後、バーンを倒すために大魔宮へと再突入したダイの前に立ち塞がり、バーンに対して「自分の最後の戦いをとくと見よ。ただし何人も手出し無用」と口上を述べ、正々堂々と真っ向からダイに最後の決戦を挑む。始めはアバンストラッシュA(アロー)とB(ブレイク)を合わせた新必殺技「アバンストラッシュX(クロス)」で覇者の剣を破壊され倒れるも立ち上がり、己の生命力を折れた剣に流し刃とする「生命の剣」で最後の一戦を挑む。ダイがバランの技である「ギガブレイク」で来ると見て己の命を振り絞った超魔爆炎覇を放つが、皮肉にもダイが放った最後の技はバランとアバンの技の特性を合わせたとも言える新必殺技だった。今度こそ完全敗北し、力尽きて動けなくなったところでダイ、ポップと共にキルバーンのキル・トラップにかかってしまう。最後の力を振り絞ってなんとかダイだけは脱出させたものの、ハドラーを見捨てることを躊躇って脱出が遅れてしまったポップと共に、もはや絶体絶命の窮地に陥ってしまった。しかし、もはや最後かと思われた瞬間、死んだと思われていたアバンの破邪の秘法に救われた。その直後、アバンを狙って現れたキルバーンに地獄の爪(ヘルズクロー)を打ち込み、最後の力でかつての宿敵であるアバンを救った。そして、バーンの脅威を伝えてダイたちを導くように伝え、彼の腕の中で自らの生涯に満足しながら灰となって散った。 なお、このとき死を看取ったアバンにはその灰が付着しており、それは後のキルバーン戦においてアバンを救う非常に重要な役割を担うことになる。そしてアバンを救った後、舞い散る灰がハドラーの顔の形を成し、アバンと最期に対面した後、虚空へと消えていった。 この頃のハドラーにとって宿敵アバンの存在は生涯を懸けて超えるべき目標であり、「俺はアバンを倒しただけで勝ったわけではなかった」「このままアバンに負けっぱなしで死ぬのは我慢ならない」と苦笑を浮かべながら部下達に語っている。カール王国以来、戦い続けたアバン本人についてもその実力や人格も認めるようになり、その弟子達のあり方にも直弟子のダイ達以上の理解と拘りを持っていく。超魔生物への改造についても保身しか考えない者では勝てないという悟りを「これはお前達の師が俺にも遺した教訓」と称し、その弟子であるダイ達にも単純な魔王軍の敵以上に生涯の好敵手が育てた戦士として拘りも見せており、その志をダイ達にも説いたことがある。また、独断でダイを襲撃したザボエラを処刑せず魔牢へ幽閉するにとどめるなど、かつての残虐さはなりを潜めている。ポップとともにキル・トラップに取り残された際には、自分のために彼が脱出できなかったことを悔やんで落涙し、「この素晴らしい男だけは殺さないで欲しい」と生まれて初めて神に祈った。そして、アバンが生きて帰ってきたことと、その腕の中で最期を迎えられることに心から感謝し、「人間の神もなかなか粋な奴のようだ」と語りながら消えゆく彼に、ポップは「まぎれもなく自分たちの仲間だった」と言葉を贈った。 超魔生物時代の技 魔軍司令時代の技をそのまま使う。ただし身体能力は飛躍的に向上。超魔生物としての肉体の再生能力も身につけていたが、黒の核晶を摘出した後はその能力を失う。他に地獄の鎖(ヘルズチェーン)、魔炎気による攻撃、右腕の覇者の剣に魔炎気を纏わせ敵を斬る超魔爆炎覇がある。ダイとの最終決戦では、自身の命を糧とすることで形成される「生命の剣」による超魔爆炎覇を放った。 元々高かった高熱への耐性も、魔炎気を発する超魔生物細胞となったことでさらに向上。
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