調達計画の変更
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「F-2 (航空機)」の記事における「調達計画の変更」の解説
調達計画の変遷計画年支援戦闘機部隊3個飛行隊教育飛行隊予備術科教育飛行教導隊曲技飛行隊合計当初 60機 21機 39機 2機 8機 11機 141機 1995年 60機 21機 39機 2機 8機 0機 130機 2004年 60機 21機 15機 2機 0機 0機 98機 2006年 60機 21機 11機 2機 0機 0機 94機 当初は141機の調達が計画されていた。 支援戦闘機 (FS) 3個飛行隊に60機 一個飛行隊の定数は20機。各飛行隊は単座のA型18機と複座のB型2機を定数とする。対象は三沢基地の第3飛行隊・第8飛行隊、築城基地の第6飛行隊。 教育飛行隊に21機 T-2超音速高等練習機の後継としてB型を松島基地の第21飛行隊に配備する。96機を調達したT-2の調達数と比べるとかなり少ない。これは進歩したシミュレータの活用により超音速高等練習機による課程が不要となり、T-4による基本操縦課程の直後からF-15又はF-2での戦闘機操縦課程となっており、機種転換訓練用機としての意味合いが大きい。 飛行教導隊に8機 アグレッサー飛行隊として過去にT-2、当初の調達計画策定時点ではF-15J/DJを運用中であった。 術科教育用に2機 浜松基地の第1術科学校で整備員の養成が行われており、教材とする。 在場/減耗予備機に39機 飛行隊ごとの整備や、大規模整備でメーカーに送り返されている間に部隊で使用するために、定数以外の予備機を設けてローテーションを行う。また、事故による減耗に対して機体を確保する。 曲技飛行隊に11機 T-4中等練習機を使用するブルーインパルスの後継機。 しかし緊縮財政の折、1995年(平成7年)12月14日の安全保障会議決定と同月15日の閣議了解により、ブルーインパルス配備分11機が時期尚早として削減され130機(うちB型47機)となった。 さらに、2002年(平成14年)8月の調達数削減の決定を受けて、飛行教導隊配備分の8機と在場減耗予備分の一部の24機の計32機が削減され98機となった。飛行教導隊は今後も使用可能なF-15DJを使用し続け、在場減耗予備を15機に圧縮する手法で調達数を削減している。従来のF-4、F-1などは機体定数の約30%を在場減耗予備機として調達していたことから、飛行隊への配備定数81機に対して約19%となる在場減耗予備15機はかなり少なめである。 防衛予算の削減を受けて2004年(平成16年)12月10日に議決された「平成17年度以降に係わる防衛計画の大綱」によって、戦闘機、戦車、護衛艦を大幅に削減する方針を打ち出した。この定数削減によって、要撃・支援の二本立てであった戦闘機飛行隊区分を将来的にマルチロール(全用途)化する必要が生じた。この防衛大綱の発表により旧防衛大綱に基づいた「中期防衛力整備計画(平成13年度 - 17年度)」は1年繰り上げて終了となり、新防衛大綱に基づいた中期防衛力整備計画(平成17年度 - 21年度)が策定された。この新中期防の中で、F-2の調達中止と中止に至る理由、F-4の後継戦闘機 (F-X)の調達が発表された。F-2の調達中止の理由は以下の通りである。 F-2は開発の遅れなどで、1機当たりの価格が当初予定していた約80億円から、110億円以上に増加した。 F-15が近代化改修で性能向上を図っているのに対し、F-2は機体が小さいF-16に大きな改造を施した故に性能向上の余地が少ない。 F-2はミサイルなどの装備数にも限界がある。 この時点で計76機が予算計上されていたため、22機を足した合計98機で配備を打ち切るとされた。その後は、2005年(平成17年)度予算で5機、2006年(平成18年)度予算で5機が調達された。当初は2008年(平成20年)度までの整備予定であったが、5機ずつ2年に分けるよりも136億円の節約(このうち約100億円は、会社の生産ラインを早期に閉じるために節約できる額)になるとして、2007年(平成19年)度予算では10機の2ヵ年分一括取得を目指したものの、8機分しか認められず、2006年(平成18年)12月20日に開かれた安全保障会議の場で、総取得数を98機から94機(F-2A×62機、F-2B×32機)に削減することが了承された。削減分については、在場減耗予備機としており、総作戦機数は当初計画から変更されていない。 2007年(平成19年)度発注分は2011年(平成23年)度に納入完了を予定しており、2011年9月27日に最終号機の納入が行われた。岐阜基地所属の試作機4機(現在は新装備品の空中実験機)を含め、F-2の総生産数は98機となった。 2010年(平成22年)7月、防衛省が20機程度の追加調達を検討しているという報道があった。これは次期主力戦闘機の選定が遅れていることにより戦闘機の生産に空白が生まれ生産ラインや技術者が維持できなくなる事が懸念されている事と、中国などの軍備増強によって第4世代戦闘機の保有数で劣位にある状況に対応する必要に迫られていることが背景にあると報道された。しかし、2010年12月に改定された「中期防衛力整備計画(平成23年度 - 27年度)」において、期間中に新戦闘機を12機調達する事が発表され、2011年(平成23年)度予算でもF-2の追加調達予算は計上されなかった。
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