観光地としての築地市場と場外市場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 07:59 UTC 版)
「築地市場」の記事における「観光地としての築地市場と場外市場」の解説
築地市場の扱う生鮮品の良さや食堂棟のグルメがマスコミに頻繁に取り上げられるようになったこと、築地市場の売り上げの減少により業者以外の入場規制の解除を行い観光客の誘致を働きかけるようになり、一般の見学客や購買客が大勢訪れるようになった。現在は東京の観光ガイド本はもちろん、外国人向け旅行ガイドブックにも築地が取り上げられ、日本の観光地の一つとなっている。 2018年10月11日以降、築地の卸売機能は豊洲市場へ移る。卸売市場に隣接して約460の小売・飲食店が営業する商店街「築地場外市場」(後述)は同年9月27日、一般投票の結果に基づき、卸売機能移転も現在の名称を使い続けると発表した。同年10月1日には、中央区がにぎわい維持のために開設し、約60軒の生鮮小売店が入る施設「築地魚河岸」が開業した。 上記のように、築地市場の別称である場内市場と、築地市場に隣接した商店街である場外市場とがある。市場敷地内は東京都管轄の卸・仲卸・関連事業者と呼ばれる業者販売を前提とした店であるが、場外市場は通常の商店街と同じである。飲食店や小売店の小規模な仕入れに対応するだけでなく、一般客や観光客を相手にした店が多い。 休市日の場内はほとんどの店が営業していない(場外もおよそそれに倣う)。 場内は午前中でほとんどの店が閉店する。 日曜日・祝日は基本的に休市。 日曜日を除いて祝日を含めた月2回ほど不定期で休市が設定されており、平日の休市は水曜日となっている(休市日の魚屋や飲食店の商品は前日仕入れの場合がある)。 年末年始とお盆を除き原則的に3連休はない(2連休以下になるように開市される)。 観光客・一般客の急増に伴い、本来は立ち入り禁止区域の入所も黙認していたが、市場のルールやマナーに反する観光客・一般客が増え、市場本来の業務に支障を来すなどの問題も起きた。対策として2008年(平成20年)4月から、卸売場への立ち入りを原則禁止、冷凍マグロの競り場にロープで区切った見学エリア設置・時間限定(午前5時 - 午前6時15分)で容認、注意事項パンフレット(5ヶ国語)の用意、等が講じられた。しかし、改善の兆しがあまり見受けられないことから規制を強化、観光客・一般客は2008年(平成20年)12月15日から2009年(平成21年)1月17日までの予定でマグロなどの水産物や青果の競りを行う区域を立入禁止とした。マグロは国際取引禁止提案否決での関心もあり、2010年(平成22年)3月頃から見学者が500人を超えることがあった。同年4月8日 - 5月8日には年始年末以外で初めてマグロ競り見学禁止となったが、各国在日大使館等への事前連絡による周知が不足していたこともあり、知らずに訪れた外国人観光者と揉める場面も見られた。最悪の場合、全域立ち入り禁止にもなりかねない状況であったが、その後はマグロ競りの見学に時間制限や定員を設けたり、見学時間を原則午前9時以降にしたりするなどの制限にとどまった。 同様に2011年3月14日には、3月11日に発生した東日本大震災後は、地震の影響を踏まえて7月25日までマグロの競り会場の見学が禁止された。この時もマグロのセリ会場以外は通常通り見学することはできたが、余震や津波の影響が残ることから、市場内の見学を控えるように要請した。 この後、同7月26日からマグロセリ会場の見学が再び解禁(年末年始は従来通り見学不可のまま)となったが、 見学者数を1日当たり140人→120人(いずれも当日申し込み先着順)とする 受付開始を午前4:30から午前5時に繰り下げる 見学は「前半」と「後半」の2部構成は今まで通りだが、それぞれのパートの入場者数を70名ずつから60名ずつに減らす。また見学時間を「前半の部は 5:00 - 5:40 から 5:25 - 5:50 に」「後半の部は 5:40 - 6:15 から 5:50 - 6:15 に」それぞれ変更する という改正を行っている 築地は中央卸売市場として集荷分配・価格決定をする公共市場としての性格が強く、もともと業者(小規模店・飲食店・料亭など)向けの卸売価格で販売されていることが多い。場外市場も台東区上野・御徒町のアメヤ横丁などと異なり、過度の値引き交渉を前提とした価格設定は基本的にされていない。観光客や一般客を前提とした店舗もあり、商品の購入自体は小口買いの業者も多いことから一般消費者だからといって断られることはないが、アメ横などと同一視して値引きなどを要求すると断られる場合も多い。 築地市場 築地市場を視察するアメリカ合衆国保健福祉副長官代理エリック・ハーガン(右) 混雑する場内の寿司屋 移転後の卸売場(2018年10月7日撮影)
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