藍家の人間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:14 UTC 版)
「彩雲国物語の登場人物」の記事における「藍家の人間」の解説
藍 雪那(らん せつな) 声:宮本充 藍家直系五人兄弟の長男で、三つ子の弟2人と共に藍家当主を務める。次男と三男は正式な名を持たない。ごく親しいものには、上から「雪」「月」「花」の愛称で呼ばれる。掌編「藍の月」によると、「月」は「隠れ龍」で、龍蓮と並び「双龍」に数えられる。 資蔭制で朝廷に入り、それぞれ10代の内に実力で要職に就いていたが、当主就任と同時に藍姓の官吏を一斉退官させた。当主拝命の際、三つ子は不吉とされているため、当主となる「雪那」以外の2人は殺されることが決まっていた経緯から、他の誰にも誰が「雪那」なのか悟られないように暮らしている。他人に見分けられた時点で「雪那」以外の2人は殺される。妻は玉華。甘い卵焼きは好きではない。幼い頃、家庭教師として来ていた邵可に懐き、最後には帰るのをあの手この手で妨害しようとした。今でも折々に便りを交わす。黎深とは同い年だが、邵可の取り合いで仲は険悪。靴が嫌いで裸足で過ごす事が多い。三つ子なりに弟たちを愛しており、当主になったのも、藍家の切り札でもある龍連が政治的に縛られることを防ぐため。 『緑風』で楸瑛を朝廷から藍本家に帰らせようと計画するも、『白虹』にて彼との三つ子を見分けるという賭けに負け、彼の願いの一環で勘当した。 藍 楸瑛 詳細は藍 楸瑛の項目を参照。 藍 龍蓮(らん りゅうれん) 声:木内秀信 藍家直系五人兄弟の末男。上治1年には16歳。楸瑛を「愚兄其の四」と呼ぶ。紅黎深と同じく「天つ才」を持つ人物。兄達に似た造作で、長い睫毛を持つ。楸瑛より華奢なぶん「綺麗」といわれる美青年だが、奇抜でど派手な格好で分からなくしている。 雪那達と国試に3位以上で合格することを約束し、天才は何もしないでも何でもできるから天才なのだ、という言葉を実証するかのように、寝てばかりいても榜眼(第2位)で及第した。仕官までは条件に入っていなかったので進士式をすっぽかし、流浪の生活に戻る。 風流と美を愛し、武術にも長ける。しかしその美的感覚は常人とはかなり離れていて、自分を否定しないからと自然を愛しており、荒屋を風流と感じている。 普段は札勝負をしながら旅をしている。勝ったら必ず吹いていく「慰めの笛」故に、「龍笛賭博師」と呼ばれる知る人ぞ知る名賭博師でもある。 事あるごとに吹く横笛の音は、聞いた者がノイローゼになるほど酷いものであり、国試の際にも甚大な被害をもたらしたが、自身ではそれを風雅であると信じきっている。宝鏡山の御神体が壊れた際には、鎮めの効果を発揮していた。縦笛をはじめ、他の楽器は完璧にこなす。 国試の同期となった秀麗、影月、珀明の3人は、龍蓮にとっては生まれて初めて出来た友人。試験中、龍蓮が嵐のように周囲に被害をもたらす中、この3人だけは彼に対して一定の耐性を持って接することが出来たため、晴れてその世話を押し付けられる羽目となった。秀麗を「心の友・其の一」、影月を「心の友・其の二」、珀明を「心の友・其の三」と呼ぶ。茶州にいる頃は、克洵夫妻の家に厄介になっていた。龍蓮の笛を心から喜んでくれるので、克洵を「親しき友其の一」と呼ぼうか検討している。ちなみに州牧邸周辺では龍蓮の笛は怪奇音扱いされていた。 龍蓮は元々の名でなく、4歳の時にその天つ才を認められて襲名した。「藍龍蓮」とは藍家の象徴であり、最後の切り札。過去、その名を承継したほとんどの者が当主になっているが、彼は当主になる気はない。「藍龍蓮」の元には藍家当主と同等の情報が届けられるようになっている。藍龍蓮とは、膨大な情報量に耐え得る頭脳を持ち、唯一生きて藍仙を宿せる器のことである。『紫闇』にて藍仙を追い出して、司馬家を動かし、五丞原に駆け付ける、短編「冬の華」でも健在な様子。 藍 十三(らん じゅうさん) 声:豊口めぐみ 藍家直系五人兄弟の異母妹。上治1年で15歳。3歳で実母を亡くした後、武勇で鳴らす藍門筆頭の司馬家で育った闊達な姫君。三つ子の兄のうち、月だけ見分けられる。楸瑛とは仲がいい。月の提案で、「妃は一人」と公言した劉輝の元へ送り込まれる。 司馬迅とはかつて恋仲だった。しかし司馬迅のことで雪那らとした約束を守るべく、自分の意思で後宮にやって来たため、劉輝の妃となることに抵抗はしていない。秀麗とは性格も容姿も(バストを除いて)よく似た雰囲気で、楸瑛や静蘭を驚かせたほど。秀麗に似せるため饅頭作りなども練習させられていた。 武芸を嗜んでいて馬術は男顔負け、大の馬好き。愛馬の「夕影」は、元は迅のもので、十三姫にはやや大きい。会話でも何かと馬に例える。司馬迅には「螢」と呼ばれる。楸瑛が劉輝の元を辞して藍州へ帰った際、彼を連れ戻すため劉輝に同道を求められる。貴陽に戻った後、珠翠による指名で後宮の筆頭女官となる。劉輝は秀麗との賭けに負けた場合に彼女を妃とすることを秀麗に対して宣言している。 短編「冬の華」では兵部尚書となっている。名の由来は、清代の武侠小説に出てくる剣術使いの美少女、十三妹か。 玉華(ぎょくか) 声:足立友 雪那の1人、雪の妻。顔は平凡らしく、鼻が低くてそばかすがある。もともとは前藍家頭首の妾になるところを雪に求愛され結婚。心から雪を愛していて、三つ子の弟2人に「時が止まったように仲がいい」と言われている。見分けが付かない三つ子の雪を一度も間違えることがなかった(他の2人については雪でないと分かる程度)。楸瑛の初恋の相手。雪には「玉子焼きみたいに平凡な女」、楸瑛には「お日様の色をしたふわふわの玉子焼き」と表現される。しとやかだがお転婆なところがあり、おしゃべりではないが無口でもない、合理的かつ行動的な女性。甘い玉子焼きを作るため雪那たちに抗議されているが、彼ら三つ子の誕生日にだけは甘くない玉子焼きを作る。 前藍家頭首 未登場。雪那たち、楸瑛、龍蓮、十三姫等の父。正妻は楸瑛の母であるが、その外にも多くの妻妾と子を持つ。その中には政略結婚も含まれるが、女性から愛される天賦の才があり、楸瑛曰く多くの女性を同時に愛せる博愛主義者でもある。
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