薬物による治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 12:10 UTC 版)
2021年の時点で、米国のFDA(連邦食品医薬品局)は、吃音症に対していかなる医薬品も認可していないが、欧州では吃音に対し、選択式セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:selective serotonin reuptake inhibitor)を用いることが一般化している。 リスペリドン(ジョンソン・エンド・ジョンソン)・オランザピン(イーライリリー)は、どちらの薬剤もアメリカの実験で一部吃音者の吃音を軽減させる効果が認められたが、製薬会社は2社とも大規模な臨床試験を断念した。 β遮断薬(ミケラン、アルマール、インデラルなど)は、結婚式の挨拶など特定の場面で、動悸や震えなどの身体症状や強い緊張を伴う一部の吃音症には、ベンゾジアゼピン系抗不安薬との併用で、緩和することがある[要出典]。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やベンゾジアゼピン系の抗不安薬も、一部の吃音を改善する効果がある報告がある。ただし、筋弛緩作用の強いベンゾジアゼピン系抗不安薬では効果が上げられているとされているものの、抗不安作用は強いが筋弛緩作用の弱いベンゾジアゼピン系抗不安薬は、却って吃音症を一時的にせよ重症化させる傾向性が見られるとする報告例がある。また、筋弛緩作用が強いフルニトラゼパム、筋弛緩作用が弱いフルトプラゼパムも一時的ながら吃音症を重症化させることが多いとされる。更に、ベンゾジアゼピン系抗不安薬に慣れていない吃音者では作用の弱いベンゾジアゼピン系抗不安薬に依っても却って吃音の重症化が起こり得るとされ、ベンゾジアゼピン系抗不安薬の服用に慣れていない吃音者(とくに女性の吃音者)には作用が弱いベンゾジアゼピン系抗不安薬から始めるべきとする報告例もある[要出典]。 不安・緊張が吃音の主因を成している吃音者には効くことが多い(劇的に著効することもある)[要出典]。 alprazolam(ソラナックス)は依存性が少ないためと思われるが、欧米でも比較的頻用されるが、抗コリン作用が強く、吃音が一時的にせよ却って重症化することは有名(この論文も存在する)である。他のベンゾジアゼピン系抗不安薬で抗コリン作用を持つものは一番最初に開発されたベンゾジアゼピン系抗不安薬である diazepam(ジアゼパム)であるが、alprazolam(アルプラゾラム)より弱い抗コリン作用である[要出典]。 他のベンゾジアゼピン系抗不安薬には抗コリン作用は有っても極僅かである(ベンゾジアゼピン系抗不安薬に抗コリン作用が有る、無い、と議論されていた時代がある)。吃音が却って悪化するalprazolam(ソラナックス)が欧米では習慣性が低い(欧米は麻薬の被害が非常に大きいため、習慣性の有る薬剤を非常に忌み嫌う傾向が強い)と非常に頻用されるため、欧米ではベンゾジアゼピン系抗不安薬は吃音の治療に考慮されていない可能性が考えられる[要出典]。 ベンゾジアゼピン系抗不安薬は水などで胃の中に落とすと効果発現まで時間が掛かるが、口腔内溶解し口腔粘膜より吸収させると速く効果発現するため喋る必要がある直前に口腔内溶解することを好む者も存在する(多くは簡単に口腔内で溶解する)[要出典]。 欧州の報告では、吃音にはSSRI (selective serotonin reuptake inhibitor)、その中でもparoxetine(パキシル)による改善報告が非常に多い。これはSSRIsの中でパキシルが一番強力(そのため副作用も強いと有名であるが)な為と思われる。他のSSRIsでは改善報告と却って少し悪化したという報告が混在していることが多い。欧州では吃音の薬と言えばSSRIsと一般の人も認知していることが多い。欧州の掲示板には吃音者が「SSRIsを貰いに行こうか迷っている」との書き込みが散見される[要出典]。 paroxetine(パキシル)では数週間で吃音が寛解し、服用を止めたら吃音が再燃した、という報告が有る。しかし、神経接合部の永久的変性(吃音の完全寛解)のためには1年以上の継続的服用が必要である[要出典]。 SSRIsの決定的な副作用として性機能障害がある[要出典]。 新規の抗うつ薬であるSNRI(サインバルタやイフェクサーSRなど、欧米では今はSSRIsに変わって、これらが使われている)などによる吃音改善報告は未だ無い[要出典]。 ベンゾジアゼピン系抗不安薬による改善報告は一つも見られない。これは欧米ではベンゾジアゼピン系抗不安薬が準麻薬扱いされている国が多く、さらに欧米の論文は英国を拠点としているが、ベンゾジアゼピン系抗不安薬忌避運動の中心が英国である[要出典]。 また、ベンゾジアゼピン系抗不安薬が効くのは一部のてんかん素因を持つ吃音者に限られるとも考えられる。吃音とは部分てんかんであるとの意見も存在する[要出典]。 欧州では20歳代の女性が、パキシルをある不安障害(強迫性障害)のため服用していたが、服用1年3ヶ月後、偶発的に吃音が劇的に改善していた、などとの報告が多い。このようにある不安障害のためにSSRIsを服用していて偶発的に吃音が改善していたという報告が多い[要出典]。 SSRI (selective serotonin reuptake inhibitor)は神経接合部の変性作用があり、その変性作用は永続的である。抗精神病薬・抗てんかん薬・ベンゾジアゼピン系抗不安薬には神経接合部の永久的変性作用はない。それ故に、抗精神病薬・抗てんかん薬・ベンゾジアゼピン系抗不安薬が吃音に効いたとしても、それは一時的効果に留まる[要出典]。 現在は、抗てんかん薬であるLevetiracetam(イーケプラ)が吃音に効いたという論文が散見されるが、これは欧州ではSSRIsが、うつ病性障害・不安障害に効かないとの認識が強まり、SSRIsが余り使用されなくなっていることに起因する。Levetiracetam(イーケプラ)が吃音を一時的にせよ改善しするという報告が散見されるのみで、他の抗てんかん薬が吃音を改善したという報告は存在しない[要出典]。 欧州と米国では吃音の治療法が異なる。欧州はSSRIsしか用いられないが、米国では抗精神病薬も用いられる。これは米国の吃音界の中心者が抗精神病薬が効くと強く主張するからである(このように人により、効く薬剤は様々である)。故にネット上、米国での抗精神病薬による治療法ばかりが目に付くようになっている[要出典]。 この様に吃音症の薬物治療については試行錯誤の段階であり、分かっていないことも多く、効果も未知数である。吃音者の多くがどのような薬種を服用しているかといったデータがない[要出典]。
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薬物による治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 14:56 UTC 版)
合併症を避けるためにも、医師の治療を受ける方がいい。安静、うがい、湿布、口内錠やトローチなどに加え、水分や、抗体の産生が促されるビタミンCが必要である。薬物としては抗生物質に加え、炎症を抑える抗プラスミン剤、非ステロイド系抗炎症剤が用いられる。他にルゴール液の塗布もある。日頃はよくうがいをし、不規則な生活を慎むことが大事である。またのどの痛みがある場合は、入浴、飲酒、喫煙は避けるべきである。 ウイルスが原因の場合は、単純ヘルペス以外は特効薬がないので、抗生物質を使用せずに、症状に応じた治療が行われる。単純ヘルペスの場合は、水疱瘡と同じ薬アシクロビル(ゾビラックス)、バラシクロビル(バルトレックス)などを用いる。EBウイルスが原因の伝染性単核症による扁桃炎は、肝炎を起こしたり肝臓が腫れたりすることがあり、また発熱が続いたりもする。発熱に対しては解熱剤、関節痛には痛み止めの内服薬や湿布薬などが用いられる。 細菌が原因で起こる扁桃炎は、抗生物質による治療が行われる。当該の細菌にもっとも効果の高い抗生物質を使用するために、綿棒でノドをこすり、その綿棒を培地に入れて、3日間ほど細菌を繁殖させるが、溶血性連鎖球菌(溶連菌)では、迅速審査により15分程度で判ることがある。溶連菌による扁桃炎の場合は、除菌が望ましく、ペニシリン系抗生物質を10日間、またはセフェム系抗生物質を5日間使う。またアジスロマイシン(ジスロマック)を用いることもある。
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