体液病理説と分利とは? わかりやすく解説

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体液病理説と分利

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 06:19 UTC 版)

ヒポクラテス」の記事における「体液病理説と分利」の解説

詳細は「四体液説」および「en:Humorism」を参照 体液病理説とは、「人間身体構成する体液調和崩れることで病気になる」とする説で、18世紀病理解剖学生まれるまでは臨床医学主流考え方であり、その後病態生理学土台となった考えであったヒポクラテス医学においては、『人間自然性において』で示されるように、人間血液粘液、黄胆汁、黒胆汁の四体液をもち、それらが調和していると健康であるが、どれかが過大過小また遊離し孤立した場合、その身体部位病苦病むとした。。このほか、ヒポクラテス医学における重要な概念のひとつが分利crisis)である。分利とは、病気進行における段階のひとつであり、この段においては患者が病に屈して死を迎えるか、あるいは反対に自然治癒によって患者回復するかのいずれかが起こる。また、病気分利経て一旦回復した後に再発した場合は、もう一度分利迎えることとなる。分利罹患して一定期間後にみられる危篤日」に起こる傾向があることが分かるが、分利が「危篤日」から大きくずれて見られ場合病気悪化懸念されるガレノスはこれをヒポクラテス考えであるとしたが、実際にヒポクラテス以前から存在した可能性指摘されている。 ヒポクラテスの施す医術は、人間に備わる「自然治癒力ラテン語: vis medicatrix naturae)」、つまり四体液バランスをとり治癒する自然("physis"ピュシス、「自然」の意)の力を引き出すことに焦点をあてたものであり、そのためには「休息安静が最も重要である」と述べた。さらに、患者環境整えて清潔な状態を保ち適切な食餌とらせることを重視した例えば、創傷治療には、きれいな水ワインだけを用いた。その他鎮痛効果のある香油もときに塗布として用いられた。 「一般病理学に基づき一般治療を施すとの考え方から、ときには効き目の強いを使うこともあったというが、基本的に患者投与したり、特定の治療法をとることはしないようにしていた。こうした受動的消極的な治療法は、比較単純な疾患例え骨折中でも骨格組織牽引して損傷部位圧迫軽減する必要のある場合などには大変効果的であった。《ヒポクラテスベンチ》や他の器具このような目的の為発明され使用された。 ヒポクラテス医学強みのひとつに、《予後》を重視したことがあげられるヒポクラテス時代には、薬物による治療未発達であり、医師できることといえば病気程度診断し、他の症例参考にして病気進行予測することぐらいであった

※この「体液病理説と分利」の解説は、「ヒポクラテス」の解説の一部です。
「体液病理説と分利」を含む「ヒポクラテス」の記事については、「ヒポクラテス」の概要を参照ください。

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