蒐集家としてとは? わかりやすく解説

蒐集家として

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 20:00 UTC 版)

保阪潤治」の記事における「蒐集家として」の解説

大正期以降、潤治が古典籍をはじめ美術品積極的に蒐集するようになったのは、育英事業推進していた増村度次(斎、私立有恒学舎(現・新潟県立有恒高等学校創設者)や山田辰治(愛山)といった同郷地主たちに触発されたためといわれる当初趣味延長から始まったが、やがて潤治は史料古典籍蒐集通じて歴史学界へ貢献するという使命感を抱くようになっていった。東京へ移住したのも、全国より史料集まりやすい場所だからという理由であった。 潤治は蒐集活動において、東京帝国大学史料編纂所勤めていた三上参次辻善之助顧問迎え同郷竹越與三郎萩野由之布施秀治吉田東伍など、国文学では松田武夫仏教では南条文雄といった学者たちを別荘招いて助言聞き推薦賛成得てから作品購入決定したまた、蒐集した所蔵品一部東京郷里高田図書館(現・上越市高田図書館)で開催され展示会出品したほか、史料編纂所高額な名品購入蒐集を潤治に依頼し閲覧できるようにしてもらうこともあったという。さらに、結果的に実現しなかったが、将来自分蒐集品をもとにして史料館設立一般公開することも構想していた。ただし、彼の蒐集方針には偏りもあり、国宝重要美術品になるような数百円か数千円する高価な重宝ばかりがその主な対象となる一方十分な内容価値有していても百円以下の品を顧みることはほとんどなかったという。 なお、反町茂雄著書天理図書館善本稀書』や『一古書肆の思い出シリーズにおいて、戦前から戦後まで続いた潤治との取引について回想している。それらによれば、潤治は上記のように学者から意見事前に聞き賛同取り付けた上で購入決めていたため、反町雑司ヶ谷保阪邸古文書古写本届けに行くと、応対丁寧ながらも潤治が商品に関する質問実見して感想発することはほぼなく、1 - 2分ほどで観察済ませた後は即座に小切手反町渡し最後に当たり障りのない雑談4 - 5分間して終了するという流れ取引進んだ反町は、価格高低問わず高価な書物をいつも即金購入していた潤治について、「大変にありがたお客様」、「千円級のお客様」ではあったと評するものの、同じく彼の顧客であった中山正善2代目安田善次郎上野精一らに比べてその購買姿勢は「同好のよしみが欠け」、「どこか張合いのない感じ」で「温かい意思の疎通少な」かったと記しており、保阪邸での用事終えた後には「この商売は、売ってお金儲かりえすればよい、というものではない。物に対す理解愛情共通性があってほしい。良い書物手に入れた満足と、然るべき向き納めたよろこびとの、心置きない交歓持ちたい」と常に感じていたと述べている。しかし、戦後情勢一転して蒐集品売却せねばならなくなると、潤治は戦前から付き合いがあった反町3、4人の古書業者鎌倉邸宅招いた上で一点ずつ入札させる方式をとり、できるだけ高い売値がつくように彼らと小さ駆け引き繰り返して交渉長時間粘り強く行うという、購入時淡白な姿勢とは反対態度見せた反町は、潤治からの買取入札では、業者としては骨を折った末にようやく割高な仕入れをした形になったが、それは戦後当時の潤治が逆境にあったためで、彼の粘り腰悪意に基づくものでも不当な対応でもなかったと理解示し取引では潤治の態度が丁寧で明るかったこともあってか、後味悪さが残ることはなく、かつ彼に対す敬意失われなかったと述懐している。 以上のように、反町は潤治の取引姿勢に対して複雑な感慨抱いていたが、やはり第一級名品多数蒐集していたことについては高く評価しており、「保坂潤治さんは、すぐれた蒐集家でした」と振り返っている。

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蒐集家として

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/03 03:32 UTC 版)

松田ひろむ」の記事における「蒐集家として」の解説

蒐集家としても知られテレホンカードは元「テレカ収集協会会長多数著書もある。こけしのコレクターでもあり、その数は一時1000本にもなった。東京こけし友の会会員著書松田英孝名義)『テレホン・オレンジカード・カタログ』(徳間書店 1986年8月ISBN 978-4194032962 『テレホンカード・カタログ』(徳間書店 1987年6月ISBN 978-4194034676 『テレカ大図94』(学研プラス 1994年11月ISBN 978-4056007763 『テレカ大図95』(学研プラス 1995年11月1日ISBN 978-4056011258 『テレカ大図9697』(学研 1997年4月ISBN 978-4056014938 『テレホンカード鑑定ブック』(竹内書店新社 1999年7月ISBN 978-4803500639 『テレホンカード鑑定ブック 2000』(竹内書店新社 2000年9月ISBN 978-4803503074

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