菊の花言葉
また、菊にはたくさんの品種があるが、種類ごとにも花言葉がつけられている。例えば、小輪で咲く小菊は「元気」「純情」、仏花としてよく使われているスプレーマムは「私はあなたを愛する」「清らかな愛」「気持ちの探り合い」という花言葉を持つ。また、ポンポン菊とも呼ばれているピンポンマムは「嬉しい夢」という花言葉がつけられていて、丸くて可愛らしい花の形に似つかわしい。そのほかにも、寒菊は「真の強さ」「健気」「忍ぶ恋」などの花言葉がついていて、冬の寒さに耐えて美しい花を咲かせる寒菊に相応しい言葉が選ばれている。
菊花言葉の由来
(1)菊の見た目からつけられたという説菊の花言葉は、気品に満ちた菊の花姿に由来するという説がある。日本で菊といえば、1本の茎に大輪を咲かせる大きな和菊をイメージする人が多く、気高く凜とした様子で美しい花を咲かせる菊の姿が、「高潔」などの花言葉につながったとされている。
(2)皇室の紋からつけられた説
菊の花言葉は、菊が皇室の紋となっていることに由来するという説も有力である。菊は古くから日本にゆかりのある花であり、皇室において菊の紋章を用いたのは、鎌倉時代の後鳥羽上皇が最初だと言われている。菊の花をいたく気に入った後鳥羽上皇は、衣服や調度品などに菊の文様を使用し、自らのお印として愛用していたのだ。そして、その後も後深草天皇や亀山天皇といった歴代の天皇が、菊の文様をお印として継承したことにより、菊の花を中心に図案化した菊花紋章が皇室の紋となったと伝えられている。皇室の紋となったことで、菊の花は厳粛で格調高いイメージを持たれることが多くなり、「高貴」「高尚」などの花言葉がつけられたと考えられている。
菊の英語の花言葉
菊の英語の花言葉には、「cheerfulness(元気)」「You’re a wonderful friend(あなたは素晴らしい友達)」といった花言葉がある。菊は原産地である中国から、日本だけではなく、アメリカやヨーロッパなどの欧米諸国にも広く伝わった。その後、欧米でも独自の品種改良が繰り返され、日本の和菊とは異なる西洋菊として進化を遂げる。西洋菊は1つの茎に多くの花をつける品種が多く、形状も一重咲きや八重咲きのほか、ドーム状に花が膨らんで賑やかに咲くものなどがある。そのため、菊の英語の花言葉は、西洋菊の楽しそうで明るい花姿のイメージからついたものだと言われている。菊色別の花言葉の解説
#赤色の菊の花言葉赤色の菊の花言葉は、「愛情」「真実の愛」「あなたを愛しています」である。赤色の花には「愛」や「情熱」にまつわる花言葉がつくことが多く、赤色の菊の花言葉も例外ではない。愛を確かめあったり、感謝の気持ちを伝える時に相応しい菊の色であると言える。
#白色の菊の花言葉
白色の菊の花言葉は「真実」「誠実」「あなたを慕っています」である。清廉潔白で縁起のよい花言葉がつけられている白色の菊は、最近では結婚式の装花やブーケの一部として使われることも多い。また、思いやりや慎みの気持ちを表す花として献花に用いられることもある。
#緑色の菊の花言葉
緑色の菊の花言葉は「静止」「やり直し」となり、緑色のナチュラルで穏やかな雰囲気を表す花言葉である。「静止」「やり直し」という言葉にはネガティブな意味は含まれておらず、未来へステップアップすることを前提にした表現となっている。
#そのほかの色の菊の花言葉
そのほかにもさまざまな色の菊があり、見た目の印象や色自体が持つイメージなどから花言葉がつけられている。例えば、オレンジ色の菊の花言葉は「陽気」「明るい」で、オレンジ色の華やかで元気な雰囲気が反映されている。また、ピンク色の菊の花言葉は「甘い夢」で、ピンク色の甘く可憐なイメージと、ピンク色の菊を咲かせる品種に小さな花弁の可愛らしい形のものが多いことに由来する。さらに、黄色の菊の花言葉は「長寿と幸福」、紫色の菊の花言葉は「私を信頼してください」「恋の勝利」「夢が叶う」となり、愛と幸せにあふれるポジティブな花言葉が多く見受けられる。
菊本数別の花言葉の解説
#菊の本数別でつけられている花言葉菊は、他の花と同じように、花の本数によって花束に込められる花言葉の意味合いが変わる。菊の本数別の花言葉は以下のとおり。
1本「あなたが私の運命の人」
3本「あなたを愛している」
4本「あなたを一生愛し続ける」
6本「あなたに夢中」
8本「あなたの思いやりに感謝」
9本「いつまでも一緒にいよう」
11本「私の最愛の人」
12本「私の奥さん(恋人)になって」
40本「あなたに永遠の愛を誓う」
100本以上「私と結婚してほしい」
100本以上の本数の中では、108本がプロポーズに適した花束の本数として有名である。108本は、10と8の語呂合わせで「永遠」という意味も加わり、永遠の愛を誓うプロポーズに相応しい本数として定着している。ただし、菊は茎が太くて重みのある品種も多いため、100本以上の花束は持ちきれない場合が考えられる。そのため、同じくプロポーズに最適な本数の一つとして知られている12本の菊の花束を用意して、結婚を申し込むのが現実的だと言える。
#本数の組み合わせで生まれる花言葉
菊の本数別の花言葉には、違う色の菊を組み合わせた時に生まれるものもある。例えば、違う色の1本と10本の菊を組み合わせた時の花言葉は、「絆」「家族愛」である。贈る相手を家族が温かく囲んでいる様子をイメージしたもので、10本という本数はあくまでも目安であり、贈る相手の家族の人数に合わせてもよい。また、違う色の菊を3本と3本、4本と4本といった同じ本数で組み合わせると、「信頼」「寄り添い」という花言葉になる。同じ本数の菊が互いの信頼と平等な関係を表し、仕事で関わり合いのある人などに贈るのにも適している。
菊の怖い花言葉
#死にまつわる怖い花言葉はついていない日本では、お葬式や仏壇などで菊の花が飾られることが多いため、菊には死を連想させる怖い花言葉がついていると思っている人が少なくない。しかし、お葬式などで菊が選ばれるのは、菊が死にまつわる花言葉を持っているからではなく、花が日持ちがすることや枯れた時に散らからないことが理由だと言われている。そのため、実際には菊の花言葉に死に関わるような怖い文言は見当たらず、温かみのある上品な花言葉が多くを占めている。
#七分咲きの菊にはネガティブな花言葉がある
菊には花の咲き方によっても花言葉がつけられているが、どれも菊全体の花言葉のイメージと同じく、明るく前向きな表現が多くなっている。しかし、七分咲きの菊の花言葉には「嫉妬」「羨む」「切ない」といったネガティブな要素を含む言葉が選ばれていて、友人や恋人に贈るには怖い花言葉ばかりである。これは、七分咲きが満開まであと一歩の状態であることから、成功を羨む心理を表現しているもので、実際に満開の菊の花言葉は「感謝」「幸せ」へと変化する。つぼみで用意した菊が意図せず七分咲きになってしまうこともあるため、大切な人への贈り物の場合には、念のため気を付けておきたい花言葉である。
#黄色の菊には注意が必要
黄色の菊の花言葉には、「わずかな愛」「破れた心」のほか「冷遇された愛情」「落胆」「憂鬱」「困難」といったマイナスのイメージを持つ花言葉も多くつけられている。黄色は、キリストを裏切ったユダの服の色であることから、ヨーロッパを中心に「裏切り」「差別」「異端者」の色とされていた時代がある。そうした歴史的な背景が、黄色い菊の花言葉にも影響を与えていることが考えられ、西洋の黄色の菊にも「slighted love(軽んじられた恋)」というネガティブな印象を与える花言葉がついている。明るくて希望に満ちたイメージで黄色の菊を選ぶ人も多いが、怖い花言葉で贈る相手を不安にさせることがないよう注意が必要である。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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