色絵磁器の登場・発展とは? わかりやすく解説

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色絵磁器の登場・発展

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 09:18 UTC 版)

有田焼」の記事における「色絵磁器の登場・発展」の解説

その後1640年代中国人陶工によって技術革新が行われ、1次焼成の後に上絵付けを行う色絵磁器生産されるようになった伝世品の「古九谷様式」と呼ばれる青・黄・緑などを基調とした作品群は、かつては加賀国石川県九谷の産とされていたが、20世紀後半以降窯跡調査により、この時期有田焼かれ初期色絵がほとんどを占めることが分かっている。ただし従来言われていた加賀国石川県南部)での生産も、1650年代から20年間程ごく小規模に行われていた(この産地問題については、別項九谷焼」を参照)。なお、ほぼ同時期に有田技術を基に備後福山藩姫谷焼磁器20年間ほど生産されていた。 17世紀後半1660年代から生産始まったいわゆる柿右衛門様式磁器は、濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色生地に、上品な赤を主調とし、余白生かした絵画的文様描いたのである。この種の磁器初代酒井田柿右衛門発明したものとされているが、研究の進展により、この種の磁器柿右衛門個人の作品ではなく、明の海禁政策により景徳鎮陶磁器扱えなくなった肥前平戸生まれ鄭成功有田目を付け景徳鎮赤絵技術持ち込み有田窯場総力をあげて生産されたものであることが分かっており、様式の差は窯の違いではなく製造時期および顧客層違いであることが分かっている(日本国内向け古九谷様式対し柿右衛門様式輸出主眼置かれていた)。17世紀後半には、技術の進歩により純白に近い生地作れるようになり、余白生かした柿右衛門様式磁器輸出用最高級品として製造された。 17世紀末頃からは、金彩をまじえた豪華絢爛な「金襴手」も製造されるようになった有田金襴手中国明代後期嘉靖萬暦期の金襴手モデルにしている関係から、皿底の銘に「大明嘉靖年製」「大明萬暦年製」とあるものが多いが、これは当時陶器先進国中国製イミテーションのためにデザイン一部として取り入れたのである考えられている。 また、17世紀末頃から波佐見中心に焼き歩掛かりをよくするための厚手素地コスト安く上げるために簡略化された同じ紋様描き込んだ碗類を大量に生産した安価流通したこれらの碗は、当時出現し人気得た屋台でも食器として使用された。当時屋台が「喰らわんか」と客引きをしていたことから、波佐見窯で焼かれ安価な庶民向けの磁器を「くらわんか碗」と呼ぶ。 一方、「鍋島焼」は日本国内向けに、幕府大名などへの献上贈答用最高級品のみをもっぱら焼いていた藩窯である。鍋島藩藩命懸けた贈答品であるだけに、採算度外視し、最高の職人の最高の作品しか出回っていないが、時代を下るにつれて質はやや下がる。作品大部分木杯形の皿で、日本風図柄完璧な技法描かれている。高台外部櫛高台呼ばれる縦縞があるのが特徴開始時期定かでないが、延宝年間1673年頃)には大川内山伊万里市南部)に藩窯築かれている。(詳細は「鍋島焼」の項を参照。) 当初日本唯一の磁器生産地であったこれらの窯には、鍋島藩が皿役所呼ばれた役所設置し職人保護育成あたった生産され磁器は藩が専売制により全て買い取り職人の生活は保障されていたが、技術外部漏れることを怖れた藩により完全に外界から隔離され職人一生外部に出ることはなく、外部から人が入ることも極めて希であるという極めて閉鎖的な社会形成された。しかし、磁器生産全国窯業地の憧れであり、ついに1806年瀬戸陶工加藤民吉潜入成功し技術漏洩する以降瀬戸でも磁器生産開始され東日本市場徐々に奪われていく。江戸末期には全国地方窯でも瀬戸から得た技術により磁器生産広まっていく。しかし、日本磁器生産トップブランドとしての有田の名は現在に至るまで色褪せていない。また、江戸時代有田焼一般的に古伊万里称する

※この「色絵磁器の登場・発展」の解説は、「有田焼」の解説の一部です。
「色絵磁器の登場・発展」を含む「有田焼」の記事については、「有田焼」の概要を参照ください。

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