空中海賊「ドーラ一家」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 07:36 UTC 版)
「天空の城ラピュタ」の記事における「空中海賊「ドーラ一家」」の解説
マ=ドーラ(Dola) 声 - 初井言榮/クロリス・リーチマン 空中海賊「ドーラ一家」の女首領にして、飛行船・タイガーモス号の船長。50代。頭脳明晰かつ決断力に富み、三人の息子や子分たち以上の健脚で「女は度胸だ」と豪語し自ら危険にも果敢に飛び込む胆力の持ち主。間が抜けている息子や子分達に嘆息し「バカ息子共」「バカ共」と怒鳴り散らして恐れさせる一方、失意のパズーを叱咤激励しつつ受け入れ、おさげを切られたシータを抱きしめていたわるなどの度量の深さや優しさも併せ持っている。また、伝声管でパズーとシータの会話を聞いていた際に、まんざらでもない笑みを浮かべたり「見かけよりいい人」というパズーの言葉に目を見開いて驚きの表情を見せたりもしている。 タイガーモス号やオートモービル等様々な乗り物やランチャー等武器の扱いにも長けている。小説版では「面倒見が良く、赤子が産まれたアジト近くの家庭に石炭半年分を贈った」「今まで一度も捕まったことがないが、それは潤沢な資金を元手に各地にアジトと情報網を構築したため」という記述がある。また、ムスカと並ぶ暗号解読の天才でもあり、軍が飛行戦艦を誘導する無線暗号を「ANGO」というタイトルの本で瞬時に解読するほか、そろばんを「東洋の計算機」と称して素早く使いこなし、航法計算を行っている。 当初は高価と踏んだ飛行石のみを追い求めていたが、パズーの証言や政府の動きからラピュタ実在を確信し、軍に先んじてラピュタの財宝を手に入れることを目論む。飛行石を稼働させる鍵となるシータと、彼女を助けたパズーを追い回すが、シータを救い出さんとするパズーの決意と覚悟を認めてからは助力し、後に2人をタイガーモス号に仲間として受け入れ、2人をラピュタ発見の足掛かりとしつつ、良き理解者となる。 パズーからは「おばさん」、シータからは「おば様」と呼ばれている。パズーに対して当初は「船長とお呼び」と言っていたが、後に訂正しなくなっている。 映画本編では、タイガーモス号の私室に掲げた若かりし頃の肖像画を見ることができる。亡き夫は天才科学者であり、タイガーモス号及びフラップターなどは夫の形見。元々、亡夫は誘拐同然に連れて来られて空中海賊稼業に入ったという。 小説版では、ラストの別れの際にパズーへ「あたしの惚れた夫のように立派な男になるんだよ」と、シータ共々再会を期する言葉をかけ、半年後には新たな飛行船で軍の給金を頂戴するなど、その後も一家で空を駆け巡って活動を続けている記述がある。 宮崎駿監督は、自作の中で一番思い入れの深いキャラクターにドーラを挙げている。 キャラクターモデルは宮崎監督の母親とのこと。 EDでは「ドーラ」とクレジットされている。 シャルル(Charles) 声 - 神山卓三/マイケル・マクシェーン ドーラの長男で、30歳。豊かな口髭を蓄えた大男で、ダッフィーと盛んに力比べを繰り広げた。 胸筋を勢いよく膨らませてシャツの前を吹き飛ばすことができるなど筋骨隆々で腕力も兄弟中で一番強い。プディングが好き。 ルイからは「兄貴」、アンリからは「兄ちゃん」と呼ばれている。 ルイ(Louis) 声 - 安原義人/マンディ・パティンキン ドーラの次男で、25歳。ちょび髭を生やしている。ドーラ一家の中で真っ先にシータに惚れた。 ミンス・ミートパイが大好物。 パズーの小屋を詮索した際、乗組員のクから名前を呼ばれている。 口調はやや高圧的な部分もあるが、コミカルな言動や表情が多い。 アンリ(Henri) 声 - 亀山助清/アンディ・ディック ドーラの三男で、20歳。主にタイガーモス号の操縦士を務めており、あまり表に出ない。 常に格好をつけているが、空中海賊の息子の割には少々気弱な性格。帽子を被っていると目が隠れる。 三兄弟の中で唯一髭が無く、頬にそばかすがある。シータに好物をリクエストする際、迷った挙句「なんでも食う!」と言った。 三兄弟の中では唯一、名前を呼ばれるシーンが無い。 ハラ・モトロ(Motro) 声 - 槐柳二 タイガーモス号のベテラン機関士。 ドーラの父の代からいる最古参の部下で、乗組員たちからは「じっちゃん」と呼ばれている。ドーラからは「クソジジイ」呼ばわりされる事もあるが、船内では唯一、対等に口がきける信頼の厚い旧友でもあり、正装で私室に呼ばれチェスを楽しむこともある。その言動からもラピュタやゴリアテなどの情報に精通しており、ドーラ同様に空中海賊稼業のベテランであることが示唆されている。 パズーと引き合わされた際には「怒らせるとママより怖い」とルイから紹介されたが、もともと助手を欲しがっていた所に、積極的で飲み込みの早いパズーが現れたことで、助手として可愛がる事になる。機関士としてタイガーモス号にはとりわけ愛着が強く「可愛いボロ船」の喪失を悲しんでいた。 EDでは「老技師」とクレジットされている。 カ、キ、ク、ケ、コ ドーラの部下たち。ポルトガル人のカ、エジプト人のキ、中国人のク、日本人のケ、セネガル人のコの5名。 ドジョウ髭でルイより先に厨房でイモの皮むきをしており、最初にシチューのおかわりをしたのはコ、シャルルに似て髭もじゃで右頬に傷痕があるのがカ、髭が無く色黒で右目に眼帯を付けているのがキ、厨房ですりこ木を回しながらシャルルに文句を言うのがケ、パズーの家を捜した際に「ルイ、女の子の服だ」と叫んだ(厨房では壁を磨いている)のがクである。5人とも出身国以外の経歴等は不明だが、小説版では「素質を見込み世界中から集めた5人」という記述がある。 カは台詞は全くないが、ルイ、ケ、コとタイガーモス号の船上で一杯飲んでいる際に顔が大きく描かれている。キはオートモービルの運転やタイガーモス号のブリッジで無線機を操作しているなど、機械類の扱いに長けているという描写がある。また、コは普段は口元を隠しているが、素顔が描かれているシーンがある。 アニメ版では名前及び出自は出てこなかったが、小説版にて名前が出る。
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