砂糖と疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:37 UTC 版)
砂糖を摂取すると、高確率で肥満になる。砂糖は体内に入ると、血糖値の急上昇および高血糖の長時間の持続、インスリンの大量分泌、インスリン抵抗性、これらを同時に惹き起こす。果糖を投与された動物は、体重の制御ができなくなるだけでなく、摂食行動が止まらなくなり、体重が増えて体も動かさなくなることが動物実験で示された。砂糖の主成分は「ショ糖」(Sucrose)と呼ばれ、これはブドウ糖と果糖で構成される。果糖は、インスリンやレプチンを初めとするホルモンの受容体を破壊し、ホルモン抵抗性を惹き起こし、糖尿病の合併症・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝をもたらす直接の原因となる。 野生の肉食動物や、狩猟採集生活を送っている集団は、肥満になる可能性は極めて低いが、これは「炭水化物が多いもの・糖分・砂糖を摂取する機会がほぼ皆無であるから」である。 英語圏においては、『Sugar Addiction』(『砂糖中毒』『砂糖依存症』)という言い方が広まっており、「砂糖に対する欲求や、砂糖を多く含んだものが止められないという砂糖に対する渇望感は、中毒症状の一種であり、その中毒症状を惹き起こすのは砂糖である」という見方が広まっている。アメリカ合衆国の歯科医師ウェストン・プライス(Weston Price)は、狩猟採集生活を送っている集団の食生活についての研究をまとめた報告書『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(1939年)の中で、「砂糖を食べるようになってから、虫歯を患ったり、栄養不足に伴う病気が増えた」と述べている。クイーン・エリザベス大学の栄養学教授、ジョン・ユドキン(John Yudkin)は、著書『Pure, White and Deadly』(1972年)の中で、「肥満や心臓病を惹き起こす犯人は砂糖であり、食べ物に含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。1960年代、ユドキンはミネソタ大学の生理学者アンセル・キース(Ancel Keys)と、「砂糖・脂肪論争」を繰り広げた。この論争では、「心臓病を惹き起こす原因は(食べ物に含まれる)脂肪分にある」というキースの主張が通り、ユドキンの「砂糖が原因である」との主張は通らなかった。1970年代後半、アメリカ合衆国政府は「脂肪の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ」と国民に呼びかけたが、肥満・糖尿病・心臓病を患う国民の数は増加の一途を辿るようになった。 ユドキンの主張を支持する者の1人として、カリフォルニア大学の神経内分泌学者、ロバート・ラスティグ(Robert Lustig)がおり、カリフォルニア大学が製作・公開したラスティグによる講演『Sugar: The Bitter Truth』の中で、「砂糖は毒物であり、ヒトを肥満にさせ、病気にさせる」「砂糖の含有量が多いものには課税すべきだ」と断じており、著書『Fat Chance』の中でもそのように主張している。また、「砂糖はカロリーがあるだけで栄養価は皆無であり、肥満をもたらすだけでなく、タバコやアルコールと同じように中毒性が強く、含有する成分の果糖が内分泌系に悪影響を与え、心臓病や心臓発作、2型糖尿病を発症するリスクを高める」として、「砂糖の含有量が多いものには課税すべきである」との主張を科学雑誌ネイチャー誌(『Nature』)に発表した。 ゲアリー・タウブスは、2016年に出版した著書『The Case Against Sugar』(『砂糖に対する有罪判決』)の中で、「砂糖は『中毒性の強い薬物の一種』であり、ヒトを肥満にさせるだけでなく、心疾患の原因でもあり、健康を脅かす」「肥満とは、身体がホルモン障害を惹き起こした結果であり、そのスイッチを入れるのは砂糖である」と断じている。また、「砂糖は肥満、糖尿病、心臓病、メタボリック症候群を引き起こす原因であり、これにはインスリン抵抗性が関わっている」「砂糖はインスリン抵抗性の直接の原因となる」「インスリン抵抗性は癌の原因となる」と断じている。 ジェイスン・ファンも、「砂糖の摂取は、血糖値および血中のインスリン濃度を速やかに急上昇させ、その状態を長時間に亘って持続させ、さらにはインスリン抵抗性をも同時に惹き起こす」「砂糖や人工甘味料は、インスリン抵抗性を惹き起こす直接の原因となる」「『どれくらいの量なら砂糖を摂取してもいいか』というのは、『どれくらいの量ならタバコを吸ってもいいのか』という質問と同じである」「砂糖を食べると太る。この事実に異を唱える者はいないだろう」「太りたくない、体重を減らしたいのなら、真っ先にやるべきなのは、糖分を厳しく制限することである」と断じている。
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砂糖と疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 13:56 UTC 版)
「砂糖依存症」も参照 砂糖を摂取すると、高確率で肥満になる。砂糖は体内に入ると、血糖値の急上昇および高血糖の長時間の持続、インスリンの大量分泌、インスリン抵抗性、これらを同時に惹き起こす。果糖を投与された動物は、体重の制御ができなくなるだけでなく、摂食行動が止まらなくなり、体重が増えて体も動かさなくなることが動物実験で示された。砂糖の主成分は「ショ糖」(Sucrose)と呼ばれ、これはブドウ糖と果糖で構成される。 果糖は、インスリンやレプチンを初めとするホルモンの受容体を破壊し、ホルモン抵抗性を惹き起こし、糖尿病の合併症・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝をもたらす直接の原因となる。 野生の肉食動物や、狩猟採集生活を送っている集団は、肥満になる可能性は極めて低いが、これは「炭水化物が多いもの・糖分・砂糖を摂取する機会がほぼ皆無であるから」である。 英語圏においては、『Sugar Addiction』(『砂糖中毒』『砂糖依存症』)という言い方が広まっており、「砂糖に対する欲求や、砂糖を多く含んだものが止められないという砂糖に対する渇望感は、中毒症状の一種であり、その中毒症状を惹き起こすのは砂糖である」という見方が広まっている。アメリカ合衆国の歯科医師ウェストン・プライス(Weston Price)は、狩猟採集生活を送っている集団の食生活についての研究をまとめた報告書『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(1939年)の中で、「砂糖を食べるようになってから、虫歯を患ったり、栄養不足に伴う病気が増えた」と述べている。ジョン・ユドキンは著書『Pure, White and Deadly』(1972年)の中で、「肥満や心臓病を惹き起こす犯人は砂糖であり、食べ物に含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。1960年代、ユドキンはミネソタ大学の生理学者、アンセル・キース(Ancel Keys)と「砂糖・脂肪論争」を繰り広げた。この論争では、「心臓病を惹き起こす原因は(食べ物に含まれる)脂肪分にある」というキースの主張が通り、ユドキンの「砂糖が原因である」との主張は通らなかった。1970年代後半、アメリカ合衆国政府は「脂肪の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ」と国民に呼びかけたが、肥満・糖尿病・心臓病を患う国民の数は増加の一途を辿るようになった。 ユドキンの主張を支持する者の1人として、カリフォルニア大学の神経内分泌学者、ロバート・ラスティグ(Robert Lustig)がおり、カリフォルニア大学が製作・公開したラスティグによる講演『Sugar: The Bitter Truth』の中で、「砂糖は毒物であり、ヒトを肥満にさせ、病気にさせる」「砂糖の含有量が多いものには課税すべきだ」と断じており、著書『Fat Chance』の中でもそのように主張している。また、「砂糖はカロリーがあるだけで栄養価は皆無であり、肥満をもたらすだけでなく、タバコやアルコールと同じように中毒性が強く、含有する成分の果糖が内分泌系に悪影響を与え、心臓病や心臓発作、2型糖尿病を発症するリスクを高める」として、「砂糖の含有量が多いものには課税すべきである」との主張を科学雑誌ネイチャー誌(『Nature』)に発表した。 ゲアリー・タウブスは、2016年に出版した著書『The Case Against Sugar』(『砂糖に対する有罪判決』)の中で、「砂糖は『中毒性の強い薬物の一種』であり、ヒトを肥満にさせるだけでなく、心疾患の原因でもあり、健康を脅かす」「肥満とは、身体がホルモン障害を惹き起こした結果であり、そのスイッチを入れるのは砂糖である」と断じている。また、「砂糖は肥満、糖尿病、心臓病、メタボリック症候群を引き起こす原因であり、これにはインスリン抵抗性が関わっている」「砂糖はインスリン抵抗性の直接の原因となる」「インスリン抵抗性は癌の原因となる」と断じている。 ジェイスン・ファンも、「砂糖の摂取は、血糖値および血中のインスリン濃度を速やかに急上昇させ、その状態を長時間に亘って持続させ、さらにはインスリン抵抗性をも同時に惹き起こす」「砂糖や人工甘味料は、インスリン抵抗性を惹き起こす直接の原因となる」「『どれくらいの量なら砂糖を摂取してもいいか』というのは、『どれくらいの量ならタバコを吸ってもいいのか』という質問と同じである」「砂糖を食べると太る。この事実に異を唱える者はいないだろう」「太りたくない、体重を減らしたいのなら、真っ先にやるべきなのは、糖分を厳しく制限することである」と断じている。
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砂糖と疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 04:09 UTC 版)
アメリカ人の肥満の原因は砂糖、とくに「果糖にある」とされる。コロラド大学デンバー校のリチャード・ジョンソン( Richard Johnson )によると、ブドウ糖が全身の細胞で代謝されるのに対し、果糖は肝臓が中性脂肪にして(※果糖を代謝できるのは肝臓だけ)蓄積する。これが続くと、肝機能が低下し、脂肪肝の原因となる。また、血中の中性脂肪の濃度が高い状態が続くと、高血圧や脂質異常症を発症する。血糖値を維持しようとして膵臓がインスリンの分泌量を増やすことで、インスリン抵抗性を発症、さらには糖尿病、メタボリック症候群を発症し、心臓発作のリスクが増大する。ヒトが運動不足になる原因も砂糖依存によるといわれ、「糖分の摂取は一時的に高揚感が得られるが、エネルギーを奪われる」という。
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砂糖と疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 02:57 UTC 版)
「アトキンスダイエット」の記事における「砂糖と疾患」の解説
「砂糖依存症」も参照 砂糖を摂取すると、高確率で肥満になる。砂糖は体内に入ると、血糖値の急上昇および高血糖の長時間の持続、インスリンの大量分泌、インスリン抵抗性、これらを同時に惹き起こす。果糖を投与された動物は、体重の制御ができなくなるだけでなく、摂食行動が止まらなくなり、体重が増えて体も動かさなくなることが動物実験で示された。砂糖の主成分は「ショ糖」(Sucrose)と呼ばれ、これはブドウ糖と果糖で構成される。果糖は、インスリンやレプチンを初めとするホルモンの受容体を破壊し、ホルモン抵抗性を惹き起こし、糖尿病の合併症・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝をもたらす直接の原因となる。 野生の肉食動物や、狩猟採集生活を送っている集団は、肥満になる可能性は極めて低いが、これは「炭水化物が多いもの・糖分・砂糖を摂取する機会がほぼ皆無であるから」である。 英語圏においては、『Sugar Addiction』(『砂糖中毒』『砂糖依存症』)という言い方が広まっており、「砂糖に対する欲求や、砂糖を多く含んだものが止められないという砂糖に対する渇望感は、中毒症状の一種であり、その中毒症状を惹き起こすのは砂糖である」という見方が広まっている。アメリカ合衆国の歯科医師ウェストン・プライス( Weston Price )は、狩猟採集生活を送っている集団の食生活についての研究をまとめた報告書『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(1939年)の中で、「砂糖を食べるようになってから、虫歯を患ったり、栄養不足に伴う病気が増えた」と述べている。クイーン・エリザベス大学の栄養学教授、ジョン・ユドキン(John Yudkin)は、著書『Pure, White and Deadly』(1972年)の中で、「肥満や心臓病を惹き起こす犯人は砂糖であり、食べ物に含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。1960年代、ユドキンはミネソタ大学の生理学者アンセル・キース(Ancel Keys)と、「砂糖・脂肪論争」を繰り広げた。この論争では、「心臓病を惹き起こす原因は(食べ物に含まれる)脂肪分にある」というキーズの主張が通り、ユドキンの「砂糖が原因である」との主張は通らなかった。1970年代後半、アメリカ合衆国政府は「脂肪の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ」と国民に呼びかけたが、肥満・糖尿病・心臓病を患う国民の数は増加の一途を辿るようになった。 ユドキンの主張を支持する者の1人として、カリフォルニア大学の神経内分泌学者、ロバート・ラスティグ( Robert Lustig )がおり、カリフォルニア大学が製作・公開したラスティグによる講演『Sugar: The Bitter Truth』の中で、「砂糖は毒物であり、ヒトを肥満にさせ、病気にさせる」「砂糖の含有量が多いものには課税すべきだ」と断じており、著書『Fat Chance』の中でもそのように主張している。また、「砂糖はカロリーがあるだけで栄養価は皆無であり、肥満をもたらすだけでなく、タバコやアルコールと同じように中毒性が強く、含有する成分の果糖が内分泌系に悪影響を与え、心臓病や心臓発作、2型糖尿病を発症するリスクを高める」として、「砂糖の含有量が多いものには課税すべきである」との主張を科学雑誌ネイチャー誌(『Nature』)に発表した。 ゲアリー・タウブスは、2016年に出版した著書『The Case Against Sugar』(『砂糖に対する有罪判決』)の中で、「砂糖は『中毒性の強い薬物の一種』であり、ヒトを肥満にさせるだけでなく、心疾患の原因でもあり、健康を脅かす」「肥満とは、身体がホルモン障害を惹き起こした結果であり、そのスイッチを入れるのは砂糖である」と断じている。また、「砂糖は肥満、糖尿病、心臓病、メタボリック症候群を引き起こす原因であり、これにはインスリン抵抗性が関わっている」「砂糖はインスリン抵抗性の直接の原因となる」「インスリン抵抗性は癌の原因となる」と断じている。 ジェイスン・ファンも、「砂糖の摂取は、血糖値および血中のインスリン濃度を速やかに急上昇させ、その状態を長時間に亘って持続させ、さらにはインスリン抵抗性をも同時に惹き起こす」「砂糖や人工甘味料は、インスリン抵抗性を惹き起こす直接の原因となる」「『どれくらいの量なら砂糖を摂取してもいいか』というのは、『どれくらいの量ならタバコを吸ってもいいのか』という質問と同じである」「砂糖を食べると太る。この事実に異を唱える者はいないだろう」「太りたくない、体重を減らしたいのなら、真っ先にやるべきなのは、糖分を厳しく制限することである」と断じている。
※この「砂糖と疾患」の解説は、「アトキンスダイエット」の解説の一部です。
「砂糖と疾患」を含む「アトキンスダイエット」の記事については、「アトキンスダイエット」の概要を参照ください。
砂糖と疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 14:59 UTC 版)
「砂糖依存症」も参照 砂糖を摂取すると、高確率で肥満になる。砂糖は体内に入ると、血糖値の急上昇および高血糖の長時間の持続、インスリンの大量分泌、インスリン抵抗性、これらを同時に惹き起こす。果糖を投与された動物は、体重の制御ができなくなるだけでなく、摂食行動が止まらなくなり、体重が増えて体も動かさなくなることが動物実験で示された。砂糖の主成分は「ショ糖」(Sucrose)と呼ばれ、これはブドウ糖と果糖で構成される。果糖は、インスリンやレプチンを初めとするホルモンの受容体を破壊し、ホルモン抵抗性を惹き起こし、糖尿病の合併症・内臓脂肪の蓄積・脂肪肝をもたらす直接の原因となる。 野生の肉食動物や、狩猟採集生活を送っている集団は、肥満になる可能性は極めて低いが、これは「炭水化物が多いもの・糖分・砂糖を摂取する機会がほぼ皆無であるから」である。 英語圏においては、『Sugar Addiction』(『砂糖中毒』『砂糖依存症』)という言い方が広まっており、「砂糖に対する欲求や、砂糖を多く含んだものが止められないという砂糖に対する渇望感は、中毒症状の一種であり、その中毒症状を惹き起こすのは砂糖である」という見方が広まっている。アメリカ合衆国の歯科医師ウェストン・プライス(Weston Price)は、狩猟採集生活を送っている集団の食生活についての研究をまとめた報告書『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食その身体への驚くべき影響』(1939年)の中で、「砂糖を食べるようになってから、虫歯を患ったり、栄養不足に伴う病気が増えた」と述べている。クイーン・エリザベス大学の栄養学教授、ジョン・ユドキン(John Yudkin)は、著書『Pure, White and Deadly』(1972年)の中で、「肥満や心臓病を惹き起こす犯人は砂糖であり、食べ物に含まれる脂肪分は、これらの病気とは何の関係も無い」と断じている。1960年代、ユドキンはミネソタ大学の生理学者アンセル・キース(Ancel Keys)と、「砂糖・脂肪論争」を繰り広げた。この論争では、「心臓病を惹き起こす原因は(食べ物に含まれる)脂肪分にある」というキースの主張が通り、ユドキンの「砂糖が原因である」との主張は通らなかった。1970年代後半、アメリカ合衆国政府は「脂肪の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ」と国民に呼びかけたが、肥満・糖尿病・心臓病を患う国民の数は増加の一途を辿るようになった。 ユドキンの主張を支持する者の1人として、カリフォルニア大学の神経内分泌学者、ロバート・ラスティグ(Robert Lustig)がおり、カリフォルニア大学が製作・公開したラスティグによる講演『Sugar: The Bitter Truth』の中で、「砂糖は毒物であり、ヒトを肥満にさせ、病気にさせる」「砂糖の含有量が多いものには課税すべきだ」と断じており、著書『Fat Chance』の中でもそのように主張している。また、「砂糖はカロリーがあるだけで栄養価は皆無であり、肥満をもたらすだけでなく、タバコやアルコールと同じように中毒性が強く、含有する成分の果糖が内分泌系に悪影響を与え、心臓病や心臓発作、2型糖尿病を発症するリスクを高める」として、「砂糖の含有量が多いものには課税すべきである」との主張を科学雑誌ネイチャー誌(『Nature』)に発表した。 ゲアリー・タウブスは、2016年に出版した著書『The Case Against Sugar』(『砂糖に対する有罪判決』)の中で、「砂糖は『中毒性の強い薬物の一種』であり、ヒトを肥満にさせるだけでなく、心疾患の原因でもあり、健康を脅かす」「肥満とは、身体がホルモン障害を惹き起こした結果であり、そのスイッチを入れるのは砂糖である」と断じている。また、「砂糖は肥満、糖尿病、心臓病、メタボリック症候群を引き起こす原因であり、これにはインスリン抵抗性が関わっている」「砂糖はインスリン抵抗性の直接の原因となる」「インスリン抵抗性は癌の原因となる」と断じている。 ジェイスン・ファンも、「砂糖の摂取は、血糖値および血中のインスリン濃度を速やかに急上昇させ、その状態を長時間に亘って持続させ、さらにはインスリン抵抗性をも同時に惹き起こす」「砂糖や人工甘味料は、インスリン抵抗性を惹き起こす直接の原因となる」「『どれくらいの量なら砂糖を摂取してもいいか』というのは、『どれくらいの量ならタバコを吸ってもいいのか』という質問と同じである」「砂糖を食べると太る。この事実に異を唱える者はいないだろう」「太りたくない、体重を減らしたいのなら、真っ先にやるべきなのは、糖分を厳しく制限することである」と断じている。
※この「砂糖と疾患」の解説は、「痩身」の解説の一部です。
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