海軍総司令官とは? わかりやすく解説

海軍総司令官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:45 UTC 版)

カール・デーニッツ」の記事における「海軍総司令官」の解説

1943年1月30日レーダー元帥後任として海軍総司令官に就任し海軍元帥にも昇進する後任潜水艦隊司令長官にはフォン・フリーデブルク少将就任したデーニッツレーダー辞任理由となったヒトラー大型艦廃艦命令について、それを強硬に主張するヒトラー1943年2月4日に「装備含めてUボート関連の「ドック工員水上艦艇」を陸軍振り向けることを中止させ、翌日6日にテオドール・クランケ中将が「成功約束する機会」で「大型艦戦場派遣する」との暫定的なヒトラー許可を得る。2月26日ヒトラー大型艦廃艦命令一部撤回させ、後に大型艦生き残った大西洋では、英軍逆探知装置開発し戦線投入していた。デーニッツUボート部隊に対して現在地燃料残量などの些細なことを、最大1日に7回も報告求めたが、英軍短波方向探知機により無線発信したUボート位置把握し追跡攻撃行ったUボート長距離哨戒機駆逐艦からの被害増え、さらに米護衛空母参加すると、Uボート攻撃する前に空から制圧され戦果激減する反面Uボート損害大幅に増加したが、デーニッツ遅くまで英軍逆探知能力に気づかず、Uボート被害拡大させた。撃墜した爆撃機から英軍正確な電子兵器システム判明すると、1943年5月無線電波誘導による「作戦」を終わらせたが、ノルマンディー上陸作戦以降フランス基地失いUボート戦は壊滅的な苦境陥ったデーニッツ個人的に1943年5月19日Uボート乗組員だった次男ペーター戦死し、自らの作戦で自らの息子を失う悲劇にあう。また、1944年5月13日にはSボート乗組員だった長男クラウス戦死する個人的な悲劇続いた1944年7月20日ヒトラー暗殺未遂事件に、海軍創設時協約である非政治的なドイツ海軍全体的に無関係であったデーニッツ自身も、仮にヒトラー除いても、戦争根本原因の国と国の衝突する利害関係までがなくなるわけではない上に、もし連合軍無条件降伏すればイギリス秘密命令エクリプス」(ドイツ分割計画)が実行されるので、全力傾けヨーロッパ要塞」を守り抜くことが賢明だ考えており、ヒトラー除けば全て良くなるとは考えていなかった。 デーニッツ戦況について新型電動潜水艦エレクトロ・ボート)の就役やヴァルター・ボートの開発期待持ち、それらが大量に戦線登場すれば戦局好転する考えていた。デーニッツ1944年当時でもソ連西欧諸国同盟は不自然であり、英国戦争理由ヒトラーの言うように「力の均衡のため」であると信じていた。「ソ連中部ヨーロッパ進出すれば力の均衡ソ連側大きくふれてしまうため、英国平和交渉応じる。そのためには、交渉テーブル着け能力をもたねばならず、防戦続けるべきである。」と主張していた。 デーニッツアルデンヌ敗北後は、仮に新型電動Uボートヴァルター機関ボート就役したとしても、ドイツ敗北避けられない感じていた。しかし、戦争継続態度は変わらなかった。その理由は、1944年厳冬期に無条件降伏すれば国際法によりドイツ兵は現地拘束され、そのためにソ連領内数百生命東部戦線やその奥地失われる。それを防ぐために、春までは戦闘継続するべきだと考えた。そして、春以降ドイツ本国いくつかの都市が敵の手落ちた後も、もし無条件降伏行えば東部残留ドイツ人ソ連軍占領下のドイツ同様に残虐行為さらされるとして、さらに継戦正しいとしたデーニッツは、ノルマンディー敗北後から終戦までの戦争末期二つ軍事行動行っている。一つは、時代遅れとなった旧型Uボート出撃命じつづけたその結果戦果がほとんど見込めないにもかかわらず旧型Uボート乗員損失続いたデーニッツは、新型Uボート就役まで出撃控えさせる処置をあえてとらない理由を「大西洋敵航空機本土戦線振り向けられることを防止するために」と、「わずかでも戦略物資アメリカからヨーロッパ戦場へ入れない」ためと説明している。もう一つは、1945年1月から終戦まで難民兵士ソ連残虐行為から救うために、ソ連陸軍包囲開いている海上からデンマーク本国シュレースヴィヒ=ホルシュタイン)へ輸送開始したことである。

※この「海軍総司令官」の解説は、「カール・デーニッツ」の解説の一部です。
「海軍総司令官」を含む「カール・デーニッツ」の記事については、「カール・デーニッツ」の概要を参照ください。

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