気筒休止エンジン対応アクティブ振動騒音制御装置とは? わかりやすく解説

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気筒休止エンジン対応アクティブ振動騒音制御装置

エンジン燃費向上のための新技術一つとして高速道路走行時などの一定速あるいは減速において,V6エンジンの片バンク3気筒の吸排気バルブ閉じ燃焼停止することで、ポンピングロス軽減し燃費性能大幅に向上させる気筒休止技術がある.しかしこの技術燃費性能向上させる一方振動騒音性能大幅に悪化するという問題を持つ.特にV6エンジン静粛性期待するユーザーにとって6気筒状態から3気筒状態に移った際の商品性は耐え難いものがある.
 本技術の特徴は、この気筒休止技術搭載したV6エンジンにおいて、気筒休止状態で走行しているということユーザー感じさせない振動騒音商品性確保するために、アクティブエンジンマウントシステムおよびアクティブノイズコントロールシステムを、標準装備出来安価なシステムとして量産化することを可能にした点である.アクティブコントロールエンジンマウントは荷重センサを必要としない全く新し制御技術とリニアソレノイドタイプのアクチュエータ開発し適用した.アクティブノイズコントロールは演算量を大幅に削減する制御アルゴリズム構築し安価な1チップマイコンで実現すると共にオーディオシステムとのシステム統合により実用化した.その結果燃費振動騒音商品性を非常に高いレベル両立することを可能とし、日本国内のみならず北米にも展開され多く車輌搭載されている.

保管場所:上市車両搭載中(インスパイアエリシオンV6、USオデッセイ、他に搭載)

製作(製造)年:2003

製作者(社):本田技研工業株式会社

資料種類:2003年モデルインスパイアのカタログなど

現状:量産

通称名:アクティブコントロールエンジンマウント / アクティブノイズコントロール

技術用途:気筒休止機構による大幅な燃費性能の向上と気筒休止乗員意識させない高品位V6エンジン振動騒音商品性能の両立

適用車種:2003インスパイア2004エリシオン(V6)・2005USオデッセイ・2005USアコードIMA
2006PILOT・(2005レジェンド)

製造時期:2003

実用化:2003

設計者:井上敏郎・松岡佐野

協力者:根本浩臣・三笠哲雄・高橋彰箕輪

装置構成:エンジンECU(エンジン制御情報)・マウントコントロールユニット・アクチュエータ付きエンジンマウント
ノイズコントロールユニット・オーディオシステム・室内検出マイクロホン

性能機能:アクティブエンジンマウントは、クランクパルスとTDCパルスからエンジン振動推定し、それを基に車体へのエンジン振動伝達低減するような信号コントロールユニット生成し、その信号用いてエンジンマウント仕込まれソレノイドアクチュエータ駆動する。これにより、エンジンマウントからの振動起因するステアリング振動室内音を低減する
アクティブノイズコントロールは、エンジン回転パルス車室内に配置したマイクロホンからの室内音信号を基に室内音を低減する打ち消し信号コントロールユニット生成し、その信号用いてオーディオ用のスピーカ駆動する。これにより、吸気音排気音駆動系からの振動伝達起因する室内音を低減する
これらを組み合わせて気筒休止エンジン適用することで、燃費性能振動騒音商品性能の両立実現した

効果:システムの適用により、気筒休止(3気筒走行)時の室内こもり音車体振動大幅に低減でき、ユーザー気筒休止状態か、V6状態かを意識することなく走行することが出来るようになる

エピソード話題性:技術は、研究当初こそ性能優先にした技術開発ありましたが、実際に量産車への適用という点では、常に、コストとの戦いでありました結果的には、コスト下げることがシステム価値上げることに繋がり、更に軽量化省エネという時代ニーズマッチすることで量産車への標準適用実現され長年研究報いることが出来ましたまた、エンジン開発関係者からは、『振動騒音屋が燃費出してくれた』と歓迎してもらいました
話題性
  2004年自動車技術会開発受賞
  2005年音響学技術開発受賞

特徴:アクティブエンジンマウントは、センサー用いない振動推定制御新規に開発し安価なソレノイドアクチュエータ組み合わせることで実現した。アクティブノイズコントロールは、従来DSPなど高価な演算プロセッサを必要とした制御技術対しエンジンこもり音特徴から大幅に演算量を削減する制御アルゴリズム構築し、それを安価なマイコン実現した。更に、オーディオシステムとアンプスピーカ共用することを実現した。これらにより、量産車両に標準適用することが可能となった

参考文献:ホンダテクニカルレビュー2003年秋号
自動車技術会2003年秋季大会前刷集
2004年SAE World Congress前刷集
Active2004前刷集
2005年音響学秋季大会前刷集

紹介:燃費高め可変シリンダーシステムを採用したV6エンジン搭載した新型車両対し気筒休止時の振動騒音対策技術としてアクティブコントロールエンジンマウント技術とアクティブノイズコントロール技術標準装備として適用することで、燃費性能商品性能を高次元両立した。




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