演算プロセッサ(AP)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:32 UTC 版)
「NEC SX」の記事における「演算プロセッサ(AP)」の解説
数値演算のプログラムを実行するだけのプロセッサである。アーキテクチャはSXシリーズ用に新たに開発された。RISC形式風の命令セットであり、1命令は4バイトまたは8バイトである。基本的に64ビットマシンである。大きく分けてスカラ[要曖昧さ回避]演算ユニット(SU)、ベクトル演算ユニット(VU)とインターフェースユニット(IU)から構成される。 APはSX-2,SX-1,SX-0は1システムに1ユニットであるが、SX-3以降は1システムに複数ユニット構成できるようになった。そのため、各APは共有メモリ型マルチプロセッサを構成している。 数値演算を高速に行うために、ベクトル演算機能が用意されている。スカラ演算は、RISC風のため、SX-2シリーズにおいては、同社で当時最新の汎用コンピュータ S1000の3.5倍以上を目標に設計されていた。ベクトル演算機能とスカラ演算機能(汎用レジスタ)は独立しているため、並行に動作可能である。キャッシュメモリは、命令キャッシュとオペランドキャッシュが独立している。 データを高速に処理するための工夫が用意されている。たとえば、SX-2,1においては、メモリは512ウェイインターレース(最大)構成をとっていて、6nsクロックのスピードと共に、最大11Gバイト/sのデータ転送能力(SX-2において)、1.3G FLOPS(SX-2)の性能を誇る。クロックはSX-3Rで2.5nsまで高速化されたが、SX-4ではデバイスがCMOSになったため、8nsまで遅くなった。
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