氏族としての一門とは? わかりやすく解説

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氏族としての一門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 01:39 UTC 版)

一門」の記事における「氏族としての一門」の解説

古くは、源氏平氏藤原氏など氏族同じくする血族集団とそれらの構成員指した源氏一門平家一門という呼称はそれにあたる。ちなみに鎌倉幕府開いた源頼朝源氏一門対し御家人たる武家源姓使用制限し一門中でも功績があり、また信頼のおける者にのみ御門葉格式与え御門葉限って源姓公称することを許したというが、この門葉という概念もまた一門同義語といえる後代になると、ひとつの氏族中でも同族増え膨大となり、特に鎌倉時代以降祖先同じくする場合にも、親族嫡庶領有する地所合わせて世帯あるいは個人単位それぞれ異な名字称するうになる例が増えた例え河内源氏嫡流とされた源頼朝源姓のみを称したのに対し支流 源義国長男新田義重称して新田氏の祖となり、次男足利義康称し足利氏の祖となり、それぞれ鎌倉幕府において有力御家人となったこのように同じ氏族であってもその中でそれぞれ異な名字称することが定着すると、一門単位それまで氏族から名字単位とするようになった例え前出新田氏足利氏などがそれぞれ新田一門足利一門称するようになったのはその好例といえる。ただし、特に鎌倉時代から室町時代にかけては、同じ名字を持つ者であっても分家し場合新たな名字称することが多く一門という単位は同じ名字から分かれた庶流家系含めた総称として意義を持つようになった例えば、新田一門という場合嫡流新田氏はもちろん、それから分家し山名氏里見氏をも含み足利一門という場合足利氏とそこから分家し吉良氏斯波氏畠山氏細川氏一色氏渋川氏などはもとより、さらにそこから分家し同族例え吉良氏から分家し今川氏など)を含めた同族集団総称としてとらえられるようになったといえる。 これら武家にとっての勢力基盤は、宗家所領代官する一門下支えによるところが大きく同じく鎌倉幕府の有力御家人たる北条氏嫡流である得宗中心に一門執権探題の職を独占し、まさに一門結束力こそが御家人勢力基盤であったまた、これら一門とは、嫡流支え同族として、嫡流絶えた場合、その家系継承する権利または資格有した。しかし、一門中でも嫡流から分家して久しい家系嫡流主従関係結んだ家系、あるいは側室を母とする庶流家系次第一門たる資格失い、あるいは制限され庶家として遇されることとなった例え前出足利氏嫡流室町幕府開き足将軍家となったが、将軍家および古河公方など足利姓の家系絶えた場合、その名跡足利一門中の名門とされる御一家吉良氏とその一門である今川氏にのみ与えられ、「御所絶えれば吉良継ぎ吉良絶えれば今川が継ぐ」といった血統による厳正な分別定められその他の足利一門による嫡流継承否定されていた。特に将軍継承許され今川氏では嫡流にのみ今川姓を許し天下一名字とされ、今川氏傍流他姓称することとされたことを見ても、嫡庶区別きわめて厳格であったといえるその代わりとして、足利一門斯波氏畠山氏細川氏一色氏渋川氏など有力一門室町幕府地方長官ともいうべき管領探題世襲独占し足利一門は他の外様勢力よりもきわめて優位な地位格式与えられ、まさに嫡流藩屏としての機能果たしていたといえる)。 これと同じことは、信濃国国人領主諏訪大社神官でもある諏訪神党諏訪氏においても行われ、その家系絶えた場合傍系有賀氏、またその家系絶えた場合有賀氏傍系花岡氏が継ぐこととされ「諏訪絶えれば有賀継ぎ有賀絶えれば花岡が継ぐ」ものとし、他の庶家とは一線を画していた。 さらに、江戸時代江戸幕府開いた徳川氏一門のうち、嫡流継承を持つ者と、持たぬ者の区別厳格になされた徳川姓を称する資格宗家である徳川将軍家御三家である尾張徳川家紀州徳川家水戸徳川家、のちに加わった御三卿田安徳川家一橋徳川家清水徳川家生まれた御連枝のうち、当主の座につく嫡流限定され徳川家の子女のうち庶子として生まれた者およびその他の一族松平氏名乗るものとした。さらに、宗家および将軍職継承については御三家御三卿限り大名のうち徳川一門たる資格である親藩すなわち御家門格式家康直系福井藩越前松平家会津松平家越智松平家やその連枝などに限定し家康以前わかれた十八松平流れを汲む大給松平家形原松平家滝脇松平家竹谷松平家長沢松平家能見松平家深溝松平家などは譜代大名あるいは旗本として存続した。いわば、一門として久しく嫡流血統が遠のいた場合はその資格次第喪失し、いわば準一門としての格式を持つ家臣として位置づけられることになるのであるちなみに今日では一門は主に武道芸道分野において用いられる概念として多用され親族関係を表す概念としては一般的ではなくなった。親族関係についても法的に親族とは6親等以内形成されており、かつてのような祖先同じくする同族については必ずしも親族には含まない世情にあるといえる

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