庶家とはとは? わかりやすく解説

庶家とは

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 02:12 UTC 版)

庶家」の記事における「庶家とは」の解説

庶家という概念は主に日本封建時代、特に鎌倉時代から戦国時代江戸時代にかけて武家見られ血族集団ないし階層のことをいった。宗家庶家の関係はいわば本家と分家同義であるが、一般的な分家異なるのは、分家であれば本家同姓称するのが通例であるが、庶家という場合、その多く宗家同姓用いることを避け、あるいは禁じられその多く別姓称した家柄が多いという点にある。多く武家では宗家主従関係結ばれた結果宗家一門としての待遇離れ主家祖先同じくする家臣として位置づけられていった守護家柄代表的な例上げると、武田信玄出した武田氏著名である。武田氏家臣団には、守護兄弟子女、或いは女婿。を中心とするご親類衆があるが、板垣氏甘利氏など、同じ甲斐源氏を祖に持つ庶9分台流家柄にあるものは、主に武田氏家老務め御譜代衆、国衆として位置づけられていた。同じく戦国大名として活躍した毛利元就出した毛利氏では、鎌倉時代以降毛利氏より輩出され坂氏や[[福原氏]さらに]などの庶子一族庶家衆として、毛利氏当主兄弟子弟よ構成され一門衆準ずる地位位置づけられていた。 伝統的権威求心力とした時代、その重要な要素である血縁格式武士の心理において大きく作用した。それは実力ものをいう戦国時代においても同様である。故にこうした守護国人などの家政において中枢占めた庶家衆の多く宗家たる主家同族であることを誇りにし、主家対す忠誠厚かった。しかし、それはあくまで主家との一定の自立前提としていた。それは、庶家主家同様、領土居城家臣養い主家から一定の独立保った者も少なくなく、主君家臣という強固な主従関係というよりは、事実上宗家盟主とする同盟関係という性格が強いものであったことによるそれだけ主家利害対立が起こると、公然と反抗する者もあり、時として主家攻め込んだり、或いは幕府願い出て宗家からの自立を図ることもあった。特に戦国時代に入ると、その動きはより顕著となり、庶家中にも主家忠実かつ従順な者もいる一方で主家圧倒する者や主家家政牛耳る者、主家追放し下克上起こす者も登場するようになった主家実権掌握した庶家代表例室町幕府三管領のひとつ、細川氏である。細川氏足利将軍家同様、足利氏流れ汲み同じく将軍家同族である斯波氏畠山氏とともに管領職を持ち回り司ってきた。しかし、応仁の乱により将軍権力失墜すると、細川氏三管領筆頭斯波氏畠山氏圧倒し幕政牛耳るようになった。特に管領 細川政元将軍足利義稙追放し次期将軍に幼い足利義澄擁立しこれを傀儡化させ、幕政牛耳っており、室町幕府事実上細川氏政権となったまた、宗家たる主家に取って代わった例として出雲戦国大名 尼子氏がある。戦国時代出雲においては京極氏出雲守護職補任されてきたが、同氏室町幕府において三管領に次ぐ四職家柄にあり、北近江守護職兼務していたことから、京極氏庶流である尼子氏が、京極氏守護代として出雲国任されていた。しかし、守護 京極政経の代に入ると、政経守護代 尼子経久次第対立深め政経が経久を追放すると、その翌年には尼子経久奇襲持って主家攻め主君より領土実権奪い出雲守護となったこのように戦国時代に入ると主家打倒或いは追放して主君の座を奪う者、主家から離反し他家転ずる者、主家傀儡化し家政牛耳る者も現れるようになったこのように庶家主家の中で非常に強い影響力有したが、主家戦国大名化するにつれ、領土経営寄与する有能な人材登用され主君忠実な家臣団直臣団が編成されると、主家とは血縁関係もない、主従関係結んでから日の浅い者も登用されるようになり、庶家影響力低下する例も少なくなかった守護大名守護代国人領主戦国大名になるためには、それは室町時代以前からの庶家傘下土豪とのゆるやかな同盟関係しがらみ絶ち強固な主従関係により結ばれた家臣団獲得こそが大きな条件であったといえる

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