殺意の波動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:12 UTC 版)
殺意の波動がいかなる力なのか、ゲーム本編ではほとんど語られない。相手を倒したい心を極限まで極め、物理的な力へと変換したものとされる。 自称する「拳を極めし者」に関しては、家庭用『ZERO3』や『ZERO3↑』の殺意の波動に目覚めたリュウも、エンディングで自身の力に完全に呑み込まれたあとに「我は拳を極めし者なり」と呟いている。功ならずして瞬獄殺を用いた者は殺意の波動に呑まれてしまうが、豪鬼は轟鉄の下で修行していた当時から常に殺意の波動をまとい、瞬獄殺を制御するために鍛錬を重ね、轟鉄に瞬獄殺を用いることで殺意の波動を完全に会得している。殺意の波動に喰われた者の末路は後述する狂オシキ鬼に見られるような人外への変貌であるが、それすら自ら望んだ道であることを『ストV』にて元とリュウに対し明言している。一方で『ウルトラストリートファイターII』(以下『ウルII』と表記)では殺意の波動と同じく闇の力である「サイコパワー」に溺れたベガを軽蔑するような発言もみられる。 中平正彦の漫画『ストリートファイターZERO』では、「『人の世を乱す者』を倒すために人の世が得た唯一の力である」と解釈されている。この場合の「乱す者」とはベガのことで、古くはキリストやヒトラーがこれに当たることを示唆しており、善悪にかかわらず影響の大きすぎる者が該当すると見られる。これらの人物がことごとく非業の死を遂げた裏には、殺意の波動の存在があったとされている。この解釈は一部本編に取り入れられ、『ZERO3』でローズのストーリーに登場するガイの台詞の一部へ反映されている。また中平の別作品『RYU FINAL』では、剛拳が豪鬼との死合の中で「我等が流派は、元来は内在する殺意の波動からの自衛術であったが、戦乱が訪れる度に利用された結果、いつしか暗殺拳へと変貌した」と語っており、その長きの歴史の中で殺めた人数は実に1国に上ると弟子たちにかつて言明していた。その歴史に自分が幕を下ろすことを師の前で言明していた豪鬼だったが、リュウもいずれは覚醒することを見越し、あえて自分が遥かに先んじて覚醒し彼に全否定させることで、自分たちの「歴史」の克服を謀る決意を「死合」の中で剛拳に宣告し、殺害に至った。また殺意の波動を目の当たりにしたオロは「全てを殺し得る力」「殺した者さえまた殺す、果てること無き無限の死闘」と正体を看破し「余りにも罪深く哀れ」と断言している。 実写映画『ストリートファイター 暗殺拳』では殺意の波動に目覚める条件として「暗黒の波動」を完全に扱えることが必要であり、その暗黒の波動も並大抵の修行では会得し得ない力だとされている。轟鉄の話では、何世紀も前には殺意の波動を使った暗殺拳は若者たちが弄んでおり、その師範となった者は戦いに敗れるか、波動によって気が狂い40歳を超えて生きた者は少ないという。また轟鉄は、殺意の波動を使った後は必ず自らの気を払い、瞑想して身と心を清めなければいけないと教える。 『ストV』ではリュウや豪鬼のほかに、ネカリが殺意の波動と同じ力を使い、サガットが殺意の波動と同じ力に目覚めつつあることから、殺意の波動は暗殺拳の使い手にのみ目覚めうる力ではないと設定されている。既にその制御に成功している豪鬼には人を遥かに超えた技を持ち、波動に飲まれた状態のリュウには破壊衝動が襲い、太古の戦士であるネカリは力の解放によって大きく姿を変え、サガットは殺意の波動の衝動によって幻覚を見た。 『NAMCO x CAPCOM』においては、殺意の波動の力で異世界へ移動するという、これまでにない芸当を披露した(もっとも、この時は次元の壁が緩くなっており、ベガのサイコパワーなどそれらに類する能力の持ち主なら誰でも移動できた)。
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殺意の波動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:08 UTC 版)
「リュウ (ストリートファイター)」の記事における「殺意の波動」の解説
師匠、剛拳の設定が生まれたことを切っ掛けにして、やがてリュウが使う格闘術は古来からの源流を持つ「暗殺拳」がベースとなっているとされていく。『スーパーストリートファイターII X』(以下『スパIIX』と表記)にて豪鬼が登場し、リュウに関わる「暗殺拳」の一類の者と位置付けられ、続く『ZERO』シリーズにて“殺意の波動”という名称がゲーム上で語られ始める(瞬獄殺、豪鬼#殺意の波動も参照)。同シリーズでは豪鬼はその力を持っているとされ、リュウもまた潜在的に殺意の波動を秘めているとされた。 以後より現在まで、シリーズを通してその設定は引き継がれている。しかし、殺意の波動とはどのような力なのか、ゲーム本編で言及されることはほとんどない。ただ、発現した者に強大な戦闘力をもたらすということは表現されており、ゲーム以外の媒体でも描かれている。 漫画作品、映像作品にはリュウがこれを克服することがテーマとなっているものがあり、ゲームによっては殺意の波動を忌まわしいものとするリュウが、克服を目標として旅するストーリーとなっているものもある。また『ZERO』シリーズ以後のゲームのいくつかは、殺意の波動に呑まれてしまったリュウを個別のキャラクターとして使用できる(後述)。 この力を持つリュウを利用するため、登場する悪役キャラクターが彼に目をつける、というシークエンスもある。ゲーム本編の一つのストーリーでは、殺意の波動の使い手である豪鬼はリュウが完全に殺意の波動に目覚めて自らに匹敵する相手となることを望んでいる。また一つに、軍事企業・S.I.N社のCEOであるセスは殺意の波動を兵器に利用することを計画しており、リュウの身柄を狙っている、というものもある。 『ストIII』シリーズにおいてのリュウは殺意の波動を克服することも修行の旅の目的となっており、スーパーアーツのひとつ「電刃波動拳」は、殺意の波動をある程度制御することで使用を可能としている。また、同シリーズに登場するショーンが殺意の波動に目覚めるにはリュウやケンに近いレベルまで成長する必要があり、まったく可能性がないわけではない。 『ストIV』シリーズは、『ストリートファイター』シリーズの世界設定における時系列が『ストII』以後、『ストIII』以前のものとなっている。そのため、ゲームのリュウのエンディングシーン、並びにオリジナルアニメーション『ストリートファイターIV〜新たなる絆〜』の終盤にて、リュウが殺意の波動を御するシーンがあるが片鱗に止まっており、後に繋がる形とされている。 『ストV』のゼネラルストーリーでは、今まで抑えつけていた殺意の波動と向き合い、ネカリとの二度目の闘いにおいて「破壊の力」としか考えていなかった殺意の波動を自らの力のひとつとして受け入れることで無の波動の覚醒に成功し、この力を用いてネカリやベガ、豪鬼との決着を果たす。
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