死の起源とは? わかりやすく解説

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死の起源

1.人間蛇のように脱皮できず、死の運命得た

死と脱皮神話 太陽が、すべての被造物呼び寄せるその時やって来た者たちに、太陽不死与えたそれゆえ、石や岩はいつまでもその形を保ち、海は常に在り星空永遠に万物の上かかっている。脱皮して生き続ける。人間は、太陽呼び出し応じなかったので、死なねばならなくなった。もし人間従順だったら、蛇のように脱皮して不死になったであろうメラネシアニューブリテン島、バイニング族)。

『月と不死ネフスキー)「月と不死(二) お月様お天道様が、「人間変若水(しじみず。=若返りの水)を、死水しにみず)を浴びせよ」と、アカリヤザガマに命ずる。アカリヤザガマは変若水死水かついで下界降りる。しかし、くたびれて一休みしている間に、来て変若水浴びてしまった。アカリヤザガマは、しかたなく人間死水浴びせたその結果脱皮して生まれ変わるが、人間は死なねばならぬ運命となった沖縄県宮古島平良町)。

脱皮殻が死を招く→〔本〕8bの『なぜ「星図」が開いていたか』(松本清張)。

★2.石は死なず人間は死ぬ。

『なぜ神々人間つくったのか』シッパー第10章地上に人が満ち、死がもたらされ経緯始まりの時、ソニ2匹の亀と、2人の人間と、2つの石を作ったそれぞれ男と女だった。ソニは、亀と人間に命を与え、石には与えなかった。亀と人間は、「子供欲しい」と望む。ソニは「生きているものが子供得たら、死なねばならない」と教えるが、亀と人間は「それでも子供欲しい」と言った。亀と人間子供産み死んだ。石は子供求めなかったので、死ぬこともなかった(ナイジェリア、ヌペ族)。

バナナ型神話 創造神天から、縄に結んだ石を下ろし人間与える。人類始祖夫婦はこれを受け取らず、「ほかの物が欲しい」と望む。神は石を引き上げバナナ下ろす夫婦喜んでバナナ食べる。石を受け取れば永遠寿命得られるはずだった。しかしバナナ選んだので、人間の寿命は、子供を持つとすぐ親の木が死んでしまうバナナのように、短くなった(インドネシアセレベス島)。

イハナガヒメを妻としなかったため、寿命短くなった→〔姉妹1a『古事記』上巻

*神が天から餅を降らせる→〔餅〕8bの月から降った餅(沖縄伝説)。

★3.月は(よみがえ)るが、人間は死ぬ。

うさぎに引っかかれた月(アフリカ・ホッテントットの神話天の月が兎に、「地上へ下りて、『月が死んで生き返るように、人間死んでもまた生き返る』と伝えて来い」と命じた。ところが兎は、「月は死んで生き返るが、人間死んだ生き返れない」と言い間違え人間は死の運命得た。月は怒って棒を投げつけ、棒は兎の唇に当たったので、兎の唇は今でも2つ割れている。兎は月の顔引っかいたので、月の顔には薄黒い傷がついた。

レ・エヨの神話(コッテル『世界神話辞典アフリカ) レ・エヨはマサイ人偉大な祖先である。レ・エヨは、もし子供が死ぬことがあれば、「人間よ、死せよ、そして再び(よみがえ)れ。月よ、死せよ、そして離れてとどまれ」と唱えるよう教わった。しかし実際に子供死んだ時、レ・エヨは「人間よ、死せよ、そして離れてとどまれ。月よ、死せよ、そして再びれ」と言い間違えたこのため人間ではなく月が、再びる力を持つことになった東アフリカマサイ)。

★4.性交が、人間世界に死をもたらした

南島神話後藤明第3章「死の起源と死後の世界老婆が「私が死んだ埋めて7日後に掘り起こしなさい。そうすれば私は生き返る」と、若い男女遺言する。やがて老婆死に、男は死体埋める。そのあと、女は果実を採るためにタコノ木に登り、男は下から女の陰部見てしまう。男に情欲起こり2人ははじめて夜を共にして、8日目まで一緒に寝ていた。9日目に気がついて、あわてて墓を掘り起こしたが、老婆は完全に死んでいた。それ以降人間に死が訪れようになったミクロネシアヤップ島)。

★5.死の必要性

この世に死があってよかったチェコ昔話鍛冶屋死神活動封じたので(*→〔椅子〕1)、人間動物も死ななくなった。当然、害虫の類も不死身になった。畑の穀物は、害虫群れ食い尽くされた。川は、水蜘蛛満ちあふれ、飲めない人間たちは、無数の毒虫囲まれて、ふらふら歩いていた。鍛冶屋は「この世には、やはり死が必要だ」と悟り死神大鎌返し自由にしてやる死神鍛冶屋の首をはね、やがて世の中はもとのすがたに戻った

『マハーバーラタ』第12巻寂静の巻」 創造神ブラフマー多く生類造ったが、皆死ななかったので、世界生物であふれ、息もできぬほどになったブラフマー苛立ち怒りの火で一挙に生物焼き滅ぼそうとする。その時シヴァ神ブラフマー説得し生類誕生と死の繰り返し配分するようにした。こうして生物は、何度も死に何度もこの世に還って来るようになった

生き返る方法教え使者の足が遅かったため、人間は死ぬようになった→〔仲介者〕4の『カメレオントカゲ』(アフリカ昔話)。

腐った木の呼びかけ返事したため短命になった→〔呼びかけ〕3の火と死の起源譚(ブラジル・アピナイエ族の神話)。



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