日本の神道と仏教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 17:45 UTC 版)
『古事記』においては死の起源は、イザナギが、カグツチノカミを産んで「神避り」したイザナミを黄泉の国へと再会しに行き、その姿を見て慄いた事により追われ、現界へ逃げ帰る時に、イザナミが「1日に1000人殺す」と脅した事とされている。一方でイザナギは「1日に1500人を生まれさせる」と返しており、これは世代交代の起源であると見ることができる。この説話にちなみ、イザナミには黄泉津(よもつ)大神の異名が与えられている。 神道では、黄泉の国・彼岸へ行くと考えられたりもした。日本では、神道的な世界観に基づいた表現である、「冥土へ旅立つ」「帰幽」(幽界へ帰る)などの表現を用いる人も多い。また日本では、古代に言霊の思想などもあり、「死」という語を声に出したり書にしたためたりすることは忌まわしいと考え、これを禁忌(タブー)として扱ってきた。 日本の仏教では、宗派により考え方は異なっており、輪廻転生があり、悟りを得た者は輪廻から解放される(解脱する)としている宗派もあるが、輪廻転生はしないという宗派もあり、そのような事柄については、どちらだとも説明しない宗派もある。ただ、信者の死は、輪廻転生思想に準じた「あの世へ行く」「他界」「往生」「成仏」などと言うことが多い。高僧の死は「寂」「入寂」「入滅」「遷化」などともいった。 また「鬼籍に入る」という、勧善懲悪的な世界観に基づいた表現、あるいは仏教での表現、も用いられることがある。
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