日本の禅の教義とは? わかりやすく解説

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日本の禅の教義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 22:44 UTC 版)

「禅」の記事における「日本の禅の教義」の解説

中国成立した禅宗は、本質的に教義否定する傾向があったが、比叡山延暦寺影響大きい、日本多くの禅の宗派は、教義展開するこの節では、現代日本に於ける禅宗の姿を鳥瞰する。 全ての人が例外なく自分自身内面に本来備えている仏性再発見するために、坐禅と呼ぶ禅定修行継続する中で、仏教的真理直に接す体験を経ることを手段とし、その経験基づいて新たな価値観開拓することを目指す。そうして得た悟りから連想される智慧を以て生滅因縁明らかにし、次いで因縁滅ぼして苦しみ六道解脱して涅槃至りその後一切衆生を導くことを目的とする。そのため師家修行者面と向かって臨機応変指導する以外には、言葉使わず直に本性指し示す道であるとされる主な修行形態として坐禅採用するのは、達磨大師坐禅の法を伝えたとする以外にも、古来より多く諸仏坐禅によって悟り開いてきたからであるとされる最近は坐禅によってセロトニン神経活性化され鍛えられることや、通常とは異な独特なアルファ波発生することが、精神的安定心身の健康の一因であるという生理学教授もいる。ただし、自分根本的に仏祖同一であるという境地到達した者には、一切行動ことごとく仏道含まれているという価値観生じるため、坐禅限らず念仏読経も行うようになる禅宗においてはそもそも禅宗とは何かといった、メタな問いかけを嫌う傾向にある。そのような疑問答えは、坐禅修行によって得た悟り通して各々自覚する事が最上であるとされ、もし人からこういうものだと教わりうる性質のものであるならば、それは既に意識自身内奥ではなく外へ向かっているため、内面本性立ち返るという禅宗本意反すとされるからである。もう一つ理由として、概念固定化分別を、わがままな解釈に基づく「とらわれ」「妄想」であるとして避けるためであり、坐禅修行によってとらわれ離れた自由な境地達して後に、そこから改め分別することをとらわれなき分別として奨励するからである。 文字言葉教えることを避けて坐禅勧める理由として、世尊拈華迦葉微笑における以心伝心故事深く信奉しているという以外にも、自分内奥が仏であることを忘れて経典他人中に仏を捜しまわることが、かえって仏道成就妨げになるからであると説く沢庵和尚が、たとえて言うには「水のことを説明して実際に濡れないし、火をうまく説明して実際に熱くならない本当本物の火に直に触ってなければはっきりと悟ることができないのと同様。食べ物説明して空腹なおらないのと同様」で、実際に自身の内なる仏に覚醒する体験重要性説明し、その体験言葉文字理解することでは得られない次元にあると説き、その次元には坐禅によって禅定境地高めていくことで、到達できるとする。

※この「日本の禅の教義」の解説は、「禅」の解説の一部です。
「日本の禅の教義」を含む「禅」の記事については、「禅」の概要を参照ください。

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