日本の禅の歴史
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日本には、公式には13世紀(鎌倉時代)に伝えられたとされる。また、日本天台宗の宗祖最澄の師で近江国分寺の行表は中国北宗の流れを汲んでいる。臨済・曹洞の禅は鎌倉仏教として広がった。臨済禅の流れは中国の南宋に渡った栄西が日本に請来したことから始まる。曹洞禅も道元が中国に渡り中国で印可を得て日本に帰国することに始まるが、それ以前に大日房能忍が多武峰で達磨宗(日本達磨宗)を開いていた事が知られる。曹洞宗の懐鑑、義介らは元達磨宗の僧侶であった。 鎌倉時代以後、武士や庶民などを中心に日本仏教の一つとして広まり、各地に禅寺(禅宗寺院・禅林)が建てられるようになったのに加え、五山文学や水墨画のように禅僧による文化芸術活動が盛んに行われた。 中国から日本に伝わる禅の宗派に25の流れがあり、臨済宗から独立した黄檗宗を含めると47流になるとされる。 一方で、9世紀(平安時代前期)に皇太后橘嘉智子に招かれて唐の禅僧・義空が来日し、檀林寺で禅の講義が行われたものの、当時の日本における禅への関心の低さに失望して数年で唐へ帰国したとする記録も存在する。 日本禅宗25流 曹洞宗道元派 入宋僧 永平道元 1223年入宋し天童如浄の禅を伝灯 東明派 来日僧 東明慧日 1309年来日し直翁徳挙の禅を伝灯 東陵派 来日僧 東陵永璵 1351年来日 臨済宗黄龍派千光派 入宋僧 明庵栄西 1187年入宋し虚庵懐敞の禅を伝灯 楊岐派聖一派 入宋僧 円爾 1235年入宋し無準師範の禅を伝灯 大覚派 来日僧 蘭渓道隆 1246年来日し無明慧性の禅を伝灯 法澄派 入宋僧 心地覚心 1249年入宋し無門慧開の禅を伝灯 法海派 入宋僧 無象静照 1252年入宋し石渓心月の禅を伝灯 大応派 入宋僧 南浦紹明 1259年入宋し虚堂智愚の禅を伝灯 兀庵派 来日僧 兀庵普寧 1260年来日し無準師範の禅を伝灯 大休派 来日僧 大休正念 1269年来日し石渓心月の禅を伝灯 西礀派 来日僧 西礀子曇 1271年来日し石帆惟衍の禅を伝灯 無学派 来日僧 無学祖元 1279年来日し無準師範の禅を伝灯 鏡堂派 来日僧 鏡堂覚円 1279年来日し環渓惟一の禅を伝灯 一山派 来日僧 一山一寧 1299年来日し頑極行弥の禅を伝灯 古先派 入元僧 古先印元 1318年入元し中峰明本の禅を伝灯 仏慧派 来日僧 霊山道隠 1319年来日し雪巌祖欽の禅を伝灯 中巌派 入元僧 中巌円月 1325年入元し東陽徳輝の禅を伝灯 清拙派 来日僧 清拙正澄 1326年来日し愚極智慧の禅を伝灯 明極派 来日僧 明極楚俊 1329年来日し虎巌浄伏の禅を伝灯 竺仙派 来日僧 竺仙梵僊 1329年来日し古林清茂の禅を伝灯 愚中派 入元僧 愚中周及 1341年入元し即休契了の禅を伝灯 大拙派 入元僧 大拙祖能 1344年入元し千巌元長の禅を伝灯 別伝派 来日僧 別伝明胤 来日し虚谷希陵の禅を伝灯 黄檗派 来日僧 隠元隆琦 来日し費隠通容の禅を伝灯
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