松虫 (能)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 松虫 (能)の意味・解説 

松虫 (能)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 16:50 UTC 版)

松虫
作者(年代)
金春禅竹
形式
夢幻能
能柄<上演時の分類>
四番目物
現行上演流派
観世・宝生・金春・金剛・喜多
異称
なし
シテ<主人公>
前シテ:里の男
後シテ:里の男の霊
その他おもな登場人物
前ツレ:里の男の友人
ワキ:阿倍野の市に酒を売る男
アイ:里の男
季節
場所
摂津の国阿倍野の市
本説<典拠となる作品>
不明
このテンプレートの使い方はこちら

松虫(まつむし)は、金春禅竹作の能である[1]

あらすじ

津の国阿倍野の市で酒を売る男(ワキ)の元に毎夜若き男(前シテ)と友人(ツレ)が訪れ、酒宴をなす。不思議に思い、その言の葉の「松虫の音に友を偲ぶ」というその謂れを問うと、男は「昔阿倍野の松原を、ある男が友人と連れ立ち通った折、松虫の音が面白く聞こえるのに、友人はその音にひかれ行き、いくら待っても帰らず、不審に思い尋ね行くとその人は草の中で空しくなくなっていた」という故事を語り、今もその松虫の音に誘われ、友を偲び現れる、私こそがその男の亡霊だと言い立ち去る(中入り)。また、里の男一人(アイ)が現れ、酒売りに、昔この里でこのようなことがあった、と、先ほどの若い男の語ったことと同じ物語を述べる。さても不思議なことと、市人が夜すがらに弔っていると、その弔いがうれしいと、男の亡霊(後シテ)が立ち現れる。亡霊は昔の友を懐かしみ、ともに花鳥風月を愛で遊んださまを語り、舞を舞い、やがて明け方の草の原に消え、後には虫の音ばかりが残る[2](詞章の要約)。

登場人物

  • 前シテ:阿倍野の市に来て酒を買う若い里の男
  • 前ツレ:若い男の友人たち(三人)
  • ワキ:阿倍野の市で酒を売る男
  • アイ(狂言):松虫の故事を語って聞かせる里の男

出典

  1. ^ 西野春雄,羽田昶『新版 能・狂言事典』平凡社,2011年1月25日発行,144ページ
  2. ^ 横道萬里雄,表章『謡曲集 下』岩波書店,1963年2月3日,337-341ページ

「松虫 (能)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「松虫 (能)」の関連用語

松虫 (能)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



松虫 (能)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの松虫 (能) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS